BMW
ビーエムダブリューX5 4.6is
X5 4.6is

Mercedes Benz メルセデスベンツG500L
G500 L

LAND ROVER ランドローバー レンジローバー・ヴォーグ
RANGE ROVER VOGUE

3代目で昇華した老舗の伝統と技術

 レンジローバーの電子制御エアサスペンションはセルフレベリング機能を持つほか、先代同様4ポジションの車高調整が可能。最も低いアクセスモードでの乗降の容易さは、X5に引けを取らない。何のストレスもなくドアを開けて腰を下ろすという、サルーン以上の快適さだ。標準モードで走行中は、速度が上がればハイウェイモードまで自動的に車高が下げられる。エクステンドモードはオフロード用で、この最も高い車高を選ぶと最低地上高はなんと280mmにも高められる。
 圧巻は、このサスがオフロードでインテリジェントな制御を行なうことだ。4輪に備えられたホイールストローク・センサーから車体の状況を判断して、左右のエアサスユニット間をつなぐバルブを開閉する。センサーからの情報で、コンピュータが現在低速で悪路を走行していると判断すれば、適宜バルブを開くことで左右のユニットを連結して、ソフトな乗り心地とより深いストロークでの路面追従が実現される仕組みだ。つまり路面の突起に乗り上げた側のサスはよりソフトに縮み、そこから流れていったエアサスの空気の移動で、穴に落ちる側のサスはより荷重を保ったまま伸びることができるわけだ。この仕組みは4輪独立懸架になったことで懸念されていた走破性の低下を見事に払拭するものであり、これぞレンジローバーならではのこだわり、と感じさせる。
 今回からセンターデフに採用されたトルセンデフも有効な装備だ。オフロードでは、勾配による荷重移動で前後のタイヤの接地力は変化する。このトルセンセンターデフは最大1対2の比率までの範囲で、荷重と比例した前後駆動力配分が可能なので、常に最適なトラクションが得られるのだ。また機構的にトラクション・コントロールシステムとの相性も良い。
 DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)に統合されるレンジローバーのトラクションコントロールは先代よりさらに進化し、4輪のホイールストローク・センサーとも連携して、完全に1輪もしくは対角線の2輪が浮くような険しい地形にさえ対応した制御を自動的に行なう。さらには、ダッシュボードのDSCスイッチをオフにすれば、DSCの機能の内エンジンパワーの制御のみをカットできる。これは深い砂や泥を進む場合のように、「多少タイヤが空転してでも勢いを維持したい」というような走行条件で威力を発揮する。
 タイヤが接地しきれない程度の起伏のある登りを実際に走ってみると、レンジローバーの実力がよく判る。トラクションコントロールは実に滑らかに作動し、たとえ1輪が浮いていようが、そっとアクセルを踏むだけで何事もないように微速前進を続けることができるのだ。ブレーキの仕事も例外ではない。ランドローバーお得意のHDC(ヒル・ディセント・コントロール)はまたもや進化し、今度は選択したギアに応じて模擬エンジンブレーキ効果を加減でき、設定速度を選べるようになった。またEBDやABSの制御もオフロード対応で、急坂でも軽いブレーキ踏力で車体を保持できたり、バックで坂を下りている際にもABSが機能する。「オフロードではABSが制動力を低下させる場合がある」というセオリーさえ、もはやレンジローバーでは杞憂に過ぎない。
 静粛で快適な乗り心地であることはいうに及ばず、オンロードでのパフォーマンス向上は目覚ましい。先代より圧倒的にパワフルで、操縦安定性も格段に向上している。ステアリングはクイックではないものの、リニアな応答とピシャリとした直進安定性を得た。ただし、2.5トンもの車重のせいか、タイトコーナーでのロールは角度こそ抑えられているものの、少々初期ロールレートが大きい。もっともこれはX5が伴走車であるため、つい比較してしまうせいで感じる側面も否めないが。
 
BMW X5 4.6is

  4.4リッターV8をベースに排気量を4619ccまで拡大、+61ps、+4.1kg-mのエクストラが上乗せされた4.6is専用ユニット。ミッションはステップトロニック付きの5ATが組み合わされる。
  リアゲートは上下分割式。このあたりはレンジローバー譲りといえるか。ラゲッジルーム容量はこの状態で465リッター、リアシートを畳んだ状態で最大1550リッター。
isには専用のバケットシートが標準装備。やや硬めでサポート感も十分なので、ハイペースでワインディングを駆け抜けるスポーツ走行派向き。レザーもノーマルより一段上質なナッパ・レザーを採用。

  スポーティな味付けのトップエンドモデルならではの意匠が細部に見受けられるインテリア。タコメーターはM3/M5でお馴染みの、油温に応じて回転上限を変化させるバリアブル・レッドライン・インジケーター付き。また、DVDナビゲーションシステム、HiFiスピーカーシステムも標準装備。
 
渡河性能
ディパーチャーアングル/アプローチアングル
登坂能力
最低地上高
最大安定傾斜角
RANGE ROVER
500mm
29゜/ 35
45゜(テスト値)
225mm
30゜(テスト値)
X5
(データなし)
21.5゜/ 24.3
(データなし)
180mm
53゜
G500
500mm
27゜/ 36゜
39゜
235mm
28.4゜
 
渡河性能とは…
文字通り、どのくらいの深さまで水の中を進めるかというデータ。これは平坦な冠水試験路を使って試されるが、公表データ自体は静水で短時間の渡河ならおよそこの程度の深度まで大丈夫という指標としているもので、厳密なデータではない。データ以下の水深であっても車両のダメージを避けられる保証はない。
 
ディパーチャーアングル/ アプローチアングルとは…
アプローチアングルは、平坦路から斜面に向かう際に、車体を干渉させることなく斜面に乗り入れられる角度の限界値。ディパーチャーアングルはその逆で、斜面から平坦路に車体後部を干渉させることなく下りられる限界値。ボディの前後オーバーハングが小さいほど有利な値になる。
 
登坂能力とは…
一般に走行抵抗と車両の駆動力から計算される走行可能な勾配の最大値をいう。ただし、最大安定傾斜角の場合と同様に、現実的にはエンジンがオイルを切らさず回転できる限界や路面状況(摩擦係数や路面不整)で、登坂可能な角度は影響を受ける。また急角度の登坂には車体前後の形状も影響が大きい。
 
最低地上高とは…
タイヤ回りを除いた、車体で最も路面に近い部分の高さをいう。リジッド・アクスルでは、サスのストロークに関わらず値は一定に保持されるが、独立懸架の場合にはサスの沈み込みにより、動的には最低地上高は低くなることもある。ただし、レンジローバーは車高調整機能で最大280mmの地上高を得られる。
 
最大安定傾斜角とは…
文字通りどこまで傾いたら横転するか、という限界を示す角度。ただし現実的にオフロードでこの傾斜の斜面を横切れるわけではないし、この傾きの中では潤滑が困難で、正常にエンジンが動くことを保証するものでもない。ちなみに、レンジローバーはエンジンがオイルを切らさず回る限界角度も公開している。
 



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