

MERCEDES-BENZメルセデス・ベンツE320アバンギャルド
E320 AVANTGARDE

BMW530i
Mスポーツ
530i M-sport
実は似て非なるクラスの
「定番」をあらためて吟味する

同じドイツ系プレミアムブランド、ということで、比較されるケースが多いメルセデスとBMW。とはいえ実際のところ、この2ブランドに関してはユーザーの好みも、キャラクターも異なる。
だが、買う買わないは別にして、クルマ好きとして両者の力関係はやはり気になる。そこでEクラスと5シリーズを対決させてみると……。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura
フォト|松本高好|T.Matsumoto

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乗ってみての最大の違いはやはりエンジン

さんざん新型Eクラスを褒めちぎった舌の根の乾かぬうちに、「さすがビーエム」などというのは無節操すぎるだろうか。現行5シリーズ登場から8年目、そろそろフルチェンジの噂も聞こえる昨今だが、項目によっては最新のメルセデスより魅力的なのも事実だ。
今回ここではE320と530iを対比させたが、簡単にいえば音楽や体育が大得意なのがBMW、全科目ほとんど満点で級長もつとめ、塾にも通う秀才がメルセデス。どちらを取るかは、それぞれの心の波長に合うか合わないかだ。
もちろん、新しさなら5シリーズはEクラスの敵ではない。外観も見慣れただけ不利だったりする。インテリア、特にダッシュまわりにもEクラスの緻密さが光る。BMWも各種コントロールの配置などわかりやすく、とても機能的ではあるが、やはり最新の基準に照らせば漫然とした感が濃い。ただし、古いというかオーソドックスゆえの良さもある。たとえばメーター類など、単なる黒地の文字盤に普通の数字を並べたBMWの方が、圧倒的に瞬読性が高い。新型Eクラスも、CクラスやSクラスの透過光式より見やすいし、いろいろな表示項目を詰め込みすぎた感じもない。ここに登場のアバンギャルド仕様は白系の文字盤だが、黒いE240ならさらに目に優しいはず。しかし以前は、ドイツ系の計器盤といえば、メルセデスもポルシェも今のBMW式に近かった。それを近代化? するなら、思い切って完全デジタルぐらいまで跳ばないと、本当の優位性は見えないかもしれない。
それはそれとして、乗ってみての最大の違いは、やはりエンジンのフィーリングにある。もちろんE320のV6も秀作だが、必要な仕事を確実にこなすタイプで、感激しながら踏みたくなったりはしない。いつものことだが、メルセデスにとってエンジンは縁の下の力持ちなのだ。
一方のBMWは、やはりヨーロッパの量産車で最後の縦置き直6にこだわるだけのことはある。530iの3リッター、231psは動力性能としても十分以上だが、それ以上に感覚的な魅力が光る。踏んだ瞬間も引っ張り上げる過程でも、「これぞ内燃機関」そのものなのだ。たとえようもなく滑らかな回転感の奥から、一本ずつのピストンとコンロッドがクランクを漕ぎ、しっかりトルクを生み出すのが手に取るようにわかる。ある意味、20世紀的エンジン設計術の集大成といえる。さらに次期5シリーズからは最新のバルブトロニック機構も備わって、いっそう磨きがかかるらしいから楽しみだ。
デジタルとアナログ、といえばトランスミッションも同様だ。ともに5速ATでマニュアルモードを備える点は共通だが、ドライバーに対する提示の方法に明確な差がある。ある程度は積極的にMモードを薦めているようなのがBMWなら、とにかくDレンジが基本でM操作はオマケみたいな作りがメルセデスだ。
BMWの場合は、シフトレバーをDポジションから隣のゲートに倒し、前後にフリップすることでMシフトする方式だから、ステアリングから自然に手を動かした範囲で操作しやすい。2002年モデルからは、5シリーズも含めシフトパターンが変わったのも特色だ。これまではレバーを前に押し出してシフトアップ、引いてダウンだったのが、逆になったのだ。世界の大半が前アップ/後ダウンの中で、今のところ後アップなのはBMWのほかはトヨタMR-Sのシーケンシャル仕様とマツダ・アテンザ(つまりフォード系)だけだが、あえて混乱を承知で切り換えたところに、BMWらしい主張も籠もる(まあ、どちらでも慣れの問題ではある)。
対するメルセデスの「ティップシフト」は、レバーを最も手前のDレンジまで引いたまま、左右にフリップすることでM操作する。これだと少し手前すぎて、けっこう意識的に腕を引かないと操作しにくい。SLなどは着座姿勢に対しコンソールが高いから、慣れれば肘でポンと押せるが、セダンだとそれもできない。もっとも、ATでのMモードなど余技にすぎないといえばそれまでだが……。
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絶対的なパフォーマンスもさることながら、情感溢れる吹け上がりを筆頭とするフィール面でも高い評価が与えられるBMWのストレートシックス。最高の直6エンジンのひとつだ。 |

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Mスポーツは、前後でサイズの異なる17インチを履く。エンジンパワーに対しては過剰、といえる太さだが、精悍なエアロパーツと併せてルックス面での貢献度は極めて高い。 |

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乗り手が積極的に操りたくなるダイレクト感では、Eクラスをリードする5シリーズ。そろそろ新型の噂も囁かれるようになったが、現行5シリーズの完成度依然としてトップレベルだ。 |

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Mスポーツのインテリアは、ファブリックとアルカンタラのコンビとなるシート。そしてウッドに代わるアルミのモールなどでスポーティなテイストを演出するが、さすがに新鮮味は薄れている。 |
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