 
MERCEDES-BENZC32AMG
C32AMG

ALFA ROMEOアルファ・ロメオアルファ156
GTA 3.2V6 24V
ALFA 156 GTA 3.2V6
24V

理性か感性か。

スポーティサルーン頂上対決

C32AMGとアルファ156GTA。
FRとFFという駆動方式の違いこそあれ、ともに3.2リッターのハイチューンユニットを搭載。
それぞれのメーカーを象徴するスポーティサルーンである。
この両車が目指すものが「至高の速さ」であることは疑いようもない事実だが、その領域にたどり着くまでのアプローチは、実に180度異なっているという……。

リポート|河口まなぶ|M.Kawaguchi
フォト|郡大二郎|D.Kohri

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180度異なるスポーツモデルとしての在り方

互いの威信をかけた、シリーズの頂点に位置づけられる2台のスポーツモデルに共通するのは、意外にも"優しさ"だったりする。研ぎ澄まされて圧倒的な力を得たパワーユニットを搭載する両雄は、奇しくもシャシーのゆとりが生み出す優しさで、それを受け止めるタイプだ。ただし、表現の仕方は当然異なる。そして、そこにこそメルセデスらしさやアルファらしさがあるといえるだろう。
3.2リッターV6+スーパーチャージャーにより、353ps&45.9kg-mというスペックを実現するC32AMGだが、途方もない数値を得ているにも関わらず、どこまでも理性を保ち続けようとするあたりがいかにもメルセデスらしい。スロットルを大きく開けさえしなければ、走りから醸し出される雰囲気はあくまで真面目なCクラスでしかなく、乗り心地や身のこなしにもAMGの名からイメージするような豪放な感じは微塵もない。
さらにスロットルを開けても、全てを忘れさせるような力の解放を抑えているように感じる。いや、本当は圧倒的な加速力でいつの間にかとんでもない速度に達しているのだが、それを感じさせないといった方がよいだろう。速度域が変わっても、運転感覚はほとんど変わらない。低中速で流している時の、穏やかな乗り心地と身のこなしを保ち続けてくれるからだ。
操作に対するクルマの動きは、どこまでも精緻であり真摯である。途方もないパワーを支配下に置いているように感じさせる頼もしさは、もはや無敵であると思わせるほどだ。つまりC32は理性を積み上げて、猛烈なパワーを従えているように「思わせる」優しさを持ったクルマといえる。
一方、156GTAの優しさは、それとは180度異なる。250ps&30kg-mというスペックは、C32AMGからすれば小さなものだが、GTAの場合はこの数値をいつでも解放し、3.2リッターV6が生む力をリアルな速さや官能として提示してくれる。ならば優しさがないようにも思えるが、実際に走らせてみるとそうではないことが即座に理解できる。
GTAにおけるクルマの動きは、意外にも以前のツインスパークや2.5リッターモデルより大きなものとして感じるほどで、コーナリングなどでは予想以上に大きなロールやストロークを感じる。ここがGTAのポイントで、3.2リッターV6を搭載しパワーアップしたことへの対処は、簡単にいえば懐の深い動きを持つシャシーが受け止めているのだ。
それにより、実際に走らせた時には速さや力のかかり具合が豪快に表現される。だから、ドライバーはこのクルマを走らせていることを強く実感できる。このあたりがC32とは大きく異なる部分で、速度が増していけばクルマの動きはさらに大きなものとなり、ドライバーは自分が生み出している速さをそのままダイレクトに受け取り、最終的に「これ以上は支配下に置けないかもしれない」と感じるほどの豪快な感覚さえ生み出す。
C32では無敵のように「思わせる」優しさがあったわけだが、156GTAは決して無敵だとは思わせず、むしろ限界をダイレクトに感じさせる。つまり感性を積み上げていった先に、限りがあることを「感じさせる」優しさを持つクルマなのだ。
だが、2台とも決して優しいだけのクルマには成り下がっていない。優しさが存在するのはESP/ASRがオンの時だけだ。ともにそれをオフにすれば、本来のシビアな部分を見せる。自分がいかに、優しく守られているかを痛感するほどの厳しさを。
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ALFA
ROMEO ALFA 156 GTA 3.2V6 24V
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300km/hのフルスケールが刻まれるメーターやアルミ削り出しのシフトノブ、サイドサポートが強められたスポーツシートの存在など、アルファらしい熱さが伝わってくるGTAのインテリア。 |

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基本的に156のそれを踏襲するエクステリアデザインながら、17インチホイールを収めるためのワイドフェンダーアーチやディフューザー一体型リアバンパーなどが、その高いパフォーマンスを知らしめる。 |

●全長×全幅×全高=4430×1765×1400mm
●ホイールベース=2595mm
●車両重量=1420kg
●エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3179cc
●最高出力=250ps(184kW)/6200rpm
●最大トルク=30.6kg-m(300Nm)/4800rpm
●トランスミッション=6MT
●サスペンション前:後=Wウィッシュボーン:ストラット
●ブレーキ前:後=Vディスク:ディスク
●タイヤサイズ=225/45ZR17
●東京標準現金価格=5,440,000円
(フィアット・オート・ジャパンTEL:0120-779-159)


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ブラック&シルバーを基調とすることで、スポーティさを演出しているC32AMGのインテリア。とはいえ、ストレートに「熱さ」を伝えてくる156GTAに対し、C32AMGのインテリアはあくまでも機能的でクールだ。 |

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エクステリアも同様。ここ最近のAMGの文法に則った控えめなエアロパーツ装着にとどめられるC32は、156GTAがそれを“発散”しているのに対し、その持てるパフォーマンスを隠そうとしているようでもある。 |

●全長×全幅×全高=4535×1730×1410mm
●ホイールベース=2715mm
●車両重量=1620kg
●エンジン種類/排気量=V6SOHC18V+
スーパーチャージャー/3199cc
●最高出力=353ps(260kW)/6100rpm
●最大トルク=45.9kg-m(460Nm)/4400rpm
●トランスミッション=5AT
●サスペンション前:後=3リンク:マルチリンク
●ブレーキ前:後=Vディスク:Vディスク
●タイヤサイズ前:後=225/45R17:245/40R17
●東京標準現金価格=8,700,000円
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |