

フェラーリFX
Ferrari FX

こいつはまさしく2シーターの
フォーミュラワンだ!!

正式発表は秋のパリ・サロンといわれていたフェラーリFXのスタイリングが、東京で明らかになった!
4月26日、東京都現代美術館。
「ARTEDINAMICA 疾走するアート フェラーリ&マセラティ」展。
その一角に、モックアップが展示されたのである。
 リポート|磯部道毅 |M.Isobe
フォト|柏田芳敬|Y.Kashiwada

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F50の後継モデルは、F50の生産が終了した時点から、その計画の存在がまことしやかに囁かれていたものだ。今年に入ってからは、そのスクープフォトが様々な媒体に掲載、もはやデビューは時間の問題とされ、フェラーリ側も「正式発表はパリ・サロン」とのコメントを出して、その存在を認めていた。しかし、こういう形でのスタイリングだけのプレビューは、まったく予想されていなかったから、我々としては意表をつかれた格好だ。F50の時にスクープが横行し、勝手な憶測も流れたことから、フェラーリとしてはそうした余計な憶測をスタイリングの部分だけでも封じる意向があったよう。もちろん、正式発表の半年も前のこのプレビューは、ファンサービスの意味も込められているはずだ。
さて、現段階、FXと呼ばれるこの次期限定生産モデルのスタイリングをじっくり観察してみよう――。
最も特徴的な点は、ボディ全体がひとつの空力デバイスになっていることだ。フロントは、360モデナと同様の左右エアインテークを持ちながら、フォーミュラワンを思い起こさせるハイマウントノーズ。ヘッドライト内側の一対のスリットは、左右のラジエターから入った空気を吐き出しながら、ダウンフォースを発生させる機能を持つと予想される。リアのディフューザーの大きさからして、アンダーボディの形状でヴェンチュリー効果を生み、路面への追従性を向上させていることも明らかだろう。最高速はおそらく330km/h以上になると思われるが、大型のリアウイングなしにそれを成立させているわけで、フェラーリの空力の研究がいかに進んだかを知らしめるものといってよい。
フェラーリは、ご存知のように、355をもって、'70年代のF1マシンで世に知られたウイングカー・デザインを市販モデルに採り入れている。この手法は、レースなどの極限状態ではボディの下に空気が入りやすくなって、大きな空力付加物を付けなければならない特性があるものの、市販モデルのレベルではそうした問題もなく、ボディの上面をイタリアンらしい流れるようなデザインでまとめることができるとされる。このところ、ピニンファリーナとフェラーリの共同作業によるデザインは、レトロなイメージに基づいたものが多かったが、このFXで21世紀という新しい時代に相応しい、新しい領域をようやく開拓したといえそうだ。
今回、メカニズム部分については、ほとんどなにも明らかにされていない。しかし、ご覧のように、FXのリアセクションにはかなりのスペースがあり、大排気量V12ユニットの搭載を予想させる。F50の4.7リッター、520psエンジンよりもっと強烈な12気筒であることは確かで、おそらくは6リッター、リッター当たり110psを発生して650ps前後になるといわれている。トランスミッションは、F1スタイルのセミオートマが使われるという。
ボディ/シャシー関係は、カーボンファイバー製のバスタブを一体化したフレームに組み付けられる形となる。高性能を実現するのに絶対必要な軽量性と高剛性を得るため、F1と同様の手法を用いるのだ。もちろん、アウタースキンにも、カーボンコンポジットが使われるという。フェラーリは、ここでもF1で得た製造技術を市販車にフィードバックさせているわけで、これもスゴイことではある。
では、このFXの正式名称はどうなるのだろう。これまでは、このFX、それにF60、あるいはエンツォなど、様々な名前で呼ばれてきた。東京都現代美術館に展示されるFXは、リアのナンバープレートにF140と明記されているが、これはあくまでも開発コード番号だ。'72年の365GTC/4のF101から始まった、フェラーリのプロジェクト番号であって、正式名称ではない。いまのところ、「それはモンテゼーモロ氏の仕事」とフェラーリのスタッフがいうように、ヴェールに包まれたままだ。
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ドアはガルウイング・タイプと噂されてきたが、'60年代から'70年代にかけてのルーフ付きレーシングスポーツのように、斜め上方に開くタイプであることが判明した。乗降性も配慮した結果だ。 |

大きなディフューザーと上面に飛び出す造形のテールレンズが目立つリアビュー。しかし、むしろ驚きは、ルーフからのラインがテールエンドのはるか手前で終わっていて、ファストバックではないというところではないだろうか。
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