


偉大な歴史的名車の後継として生まれたモデルゆえ、オリジナルとの対比で語られることが多いニュー・ミニ。
もちろん、それは“NEW”を知る上で避けては通れない道だが、それだけでは見えてこないものもある。真っさらな新型車としての「MINI」の在り方……である。そこでクーパーSもデビューし、そのラインナップが出揃った現在、我々は21世紀に生を受けたニューモデルとしてのミニを、「Design」「Quality」「Sport」「Package」の4方位から比較検証。改めて、その魅力と実力を確認してみることに――。

リポート|吉田 匠 |T.Yoshida
フォト|郡大二郎|D.Kohri


 ニューモデルとしてのミニを比較検証

ニュー・ミニがデビューしたばかりの頃、私はそれを「なんと胡散臭いクルマなんだろう」と思った。
名前とスタイリングはミニだけれど、ボディサイズはオリジナルのミニとはほど遠い大きさだし、それでいて室内には、オリジナルのようにスペースユーティリティを追究した形跡も希薄だ。しかもそれを生み出したのは、オリジナル・ミニとはなんの関連もないBMWだし、フロントに横置きされて前輪を駆動するパワーユニットは、なんとクライスラーが関与するブラジル製だったりする。
いったいぜんたい、どこに「ミニ」を名乗る資格があるのか、と思ったわけである。
そういう意味ではニュービートルも胡散臭いクルマではあったが、あっちはほれ、ゴルフのコンポーネンツを使った着せ替え人形であることがミエミエなだけに、まだ始末がいい。ところがニュー・ミニときたら、すべてがこのクルマのための専用設計だったりするから、いったいどんな運転感覚のクルマに仕上がっているのか、乗ってみるまで皆目見当がつかないところも胡散臭さに拍車を掛けていた。
しかしそれだけに、初めてミニのステアリングを握った時には、それまでのイメージとの落差に驚かされた。最初に乗ったのは平行モノのクーパーで、その次には正規モノのベーシックなONEを走らせたのだが、それがまぁなんともよく出来た、明らかに想像以上のクルマだったのである。
そういったニュー・ミニの出来のよさは、ミニそのものをドライビングしただけでも、もちろん実感できるけれど、しかるべきライバルと比較検証してみれば、それがいっそう明確になるのではないか? そう考えた編集部は、ミニの魅力を4分野に分析。そのそれぞれにライバルを設定して、私に提示してきたのである。
その1はデザインで、ここでは同じくオリジナルモデルの“現代版”として登場したニュービートルを競合車とした。その2はクオリティ、つまり質感で、この分野ではニュー・ミニの製造元であるBMWのベーシックモデル、318tiを比較車とした。
その3はスポーティさで、比較車はミニと同じ1.6リッターのFFスポーツハッチであるプジョー106S16に設定。最後のパッケージングでは、その面で定評のある小型ハッチ、オペル・ヴィータを比較の対象とした。
さて、それら比較によってミニの魅力と実力がどのように浮き彫りにされるか、さっそく検証してみよう。
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| 今回は「デザイン」「クオリティ」「スポーツ」「パッケージ」という4つの指標からニュー・ミニを検証していく。これは、それを分かりやすく示すためのグラフで、それぞれの分野でのベンチマーク、VWニュービートル=デザイン、BMW 318ti=クオリティ、プジョー106S16=スポーツ、オペル・ヴィータ=パッケージを10ポイント(点線)と仮定した場合の、ニュー・ミニの実力を示すものとなる(基準はあくまで相対評価)。 |
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