

アウディA6/A6Avant/S6
Audi A6/A6Avant/S6

先鋭的なスタイリングと
合理的なパッケージング

リポート|熊倉重春|S.Kumakura

 |
Profile


「ベンツ・ビーエム症候群」の日本では目立たないが、ゆとりのセダンとしてA6の存在は大きい。むしろ少数派ゆえに、常識的なチョイスをしたユーザーを密かに見下す楽しみもある。全長4.8mに全幅1.8mのボディは余裕たっぷり。サイズで見ればEクラス、5シリーズ、ボルボS80などに近いが、寛ぎの味わいでいえばサーブ9-5やプジョー607、それにルノーの新作ヴェル・サティスあたりと並べてみたいクルマだ。つまり、メカニズムなどに込めた気合を剥き出しにしていないということ。多車種少量生産が特技のアウディらしく、日本でのA6もバリエーションは幅広く、エンジンだけでも2.4リッターV6、2.7リッターV6ターボ、3.0V6の3系統あり、2.4以外はお家芸のフルタイム4WDで武装。武装といえば高性能版のS6も本格的で、ただのチューニングにとどまらない。なんと上級のA8用4.2リッターV8をぶち込んだばかりか、エンジンルーム回りにも大手術を施したハードパンチャー。もちろんこれも4WDだ。

Impression


徹底的に余分な突起を排除した外観から想像できる通り、走行感覚もスムーズ一点張り。普通に使うならベーシックな2.4で十分だが、やはりアウディならではの感触や万能性を満喫するにはクワトロが適している。この場合、悠然たる雰囲気なら3.0、少し若々しく行きたければ2.7Tということになるが、互いに決定的な違いは少なく、まあ気分の差といったところだろう。いずれにしても、じんわり深いドライビングでこそ味の出るクルマだ。そんな大人のA6に対して、S6はまさに“羊の皮をかぶった狼の皮をかぶった狼”。シャシーの潜在性能が高すぎるので、安定しきったように見えながら、実は山をも揺るがすようなペースでワインディングを突破するフットワークの持ち主なのだ。涼しい顔で猛速なんて、こんなに痛快なことはない。
A6はもちろんS6も、安定ぶりに油断してコーナーに突っ込みすぎると、途端にノーズの重さを露呈してドドッとラインが膨らむから要注意。あくまで余裕をもって減速してから進入し、すべてをクワトロならではの立ち上がりトラクションに委ねるのが正しい乗り方だ。焦れば焦るほど、ドタッと重い感じが出てしまう。
|

A6
 |
 |
 |
 |
| 2.4 |
2393cc/V6DOHC |
CVT |
¥5,050,000 |
 |
| 3.0quattro |
2976cc/V6DOHC |
5AT |
¥5,680,000 |
 |
| 3.0quattro SE |
2976cc/V6DOHC |
5AT |
¥6,150,000 |
 |
| 2.7T quattro |
2671cc/V6DOHCツインターボ |
5AT |
¥6,600,000 |
 |
| Avant 3.0quattro |
2976cc/V6DOHC |
5AT |
¥5,900,000 |
 |
| Avant 3.0q SE |
2976cc/V6DOHC |
5AT |
¥6,370,000 |
 |

S6
 |
 |
 |
 |
| S6 |
4172cc/V8DOHC |
5AT |
¥8,700,000 |
 |
|
|  
全長4805×全幅1810×全高1510mm(2.7Tのみ1490mm)で、ホイールベースは2765mm(2.4のみ2765mm)。サスペンションはフロントが4リンク、リアはFFがトーションビームでクワトロがダブルウイッシュボーンとなる。写真の2.7Tのみスポーツサスが標準装着。
 |
'02年モデルを機に、このところアウディのデザインキーとなっているダブルラジエターグリルが採用され表情を一変。リア回りもリアガーニッシュがブラックアウト化されている。 |
 |
エンジンはすべて5バルブV6で、アバントには3リッター(220ps/35.7kg-m)、セダンには2.4リッター(170ps/23.5kg-m)、3リッターに加え写真の2.7リッターツインターボ(250ps/35.7kg-m)も用意される。 |
 |
写真は3.0クアトロSE。ミッションはA4同様にFFの2.4のみCVTのマルチトロニックで、クアトロにはティプトロニック付き5ATが食い合わせされる。なお、全車ESP、ヘッドエアバックは標準装備となる。 |
 |
'02年モデルからアバントのバリエーションが整理され、エンジンは3リッターV6のみ、駆動方式もフルタイム4WDのクワトロに一本化。ボディはAピラー以降がアバント専用設計となり、ラゲッジスペースは通常で455リッター(VDA法)、最大で1590リッターまで拡大可能。 |
 |
2.7Tのみスポーツシートが標準装備されるほか、望めばレカロ製もオプションでチョイス可。化粧パネルも他モデルがすべてウォールナットウッドなのに対し、2.7Tのみブラックウッドで差別化。 |
 |
V8ユニット、255/45R17のタイヤを収めるべく、A6に対し40mm長く、40mm広く、20mm低められたS6ボディ。軽量化のため、ボンネットとフロントサイドパネルにはアルミを使用。 |
 |
前席回りの化粧パネルにはカーボンファイバーを使用。レカロ製スポーツシートもS6専用で、レザーとアルカンタラのコンビ。ルーフ内張りやドアトリムにもアルカンタラが。 |
 |
型式はA8と同じ4.2リッターV8ながら、専用チューンによりパワーで30ps、トルクで2kg-mが底上げされた5バルブV8。もちろん5AT+クワトロ。 |
 |
大きく張り出したホイールアーチが素性を物語るS6。本国にはアバント仕様も存在する。カタログ値で0〜100km/hは5.7秒。 |
|