
 ストイックな走りもカジュアルクルーズも

ポルシェ911タルガ/カレラ4S
Porsche
911Targa Carrera4S

2台のニューカマーはその完成度を
飛躍的に高めていた

2002年モデルとして追加された2台の996がそろそろ日本へやってくる。これらは決して911の亜流ではない。
そこにはポルシェの哲学がしっかりと息づいているのだ。

リポート|河村康彦|Y.Kawamura フォト|ポルシェジャパン

 | カレラ4Sはメカニズムもターボ譲り!

昨年のマイナーチェンジをきっかけにして、ポルシェ911シリーズがそのバリエーションを急速に拡大させている。ターボとノンターボの2種類に大別できるシリーズのうち、後者で最新のモデルがカレラ4Sだ。
1830mmという、オリジナルよりも60mmワイドなグラマラス・ボディをまとったその姿は、俗にターボ・ルックとも呼ばれている。が、それではこのクルマが単に「ターボ風の衣装を着たドレスアップ版のカレラ4」なのかといえばそうではない。例えば、ブレーキシステムを含むシャシーには実際にターボから受け継いだアイテムが数多く用いられているし、クーリングシステムを含む空力パーツには独自のデザインを採用。すなわち、単にターボ風のルックスを成立させるためだけにはとどまらない、数々のリファインが施されているのが、このカレラ4Sというクルマなのだ。
前述のように、ターボばりの逞しいプロポーションのボディを備え、しかもオリジナルのカレラ4よりも10mm低いローダウン・シャシーと、フロント225/40、リア295/30(!)というファットな18インチ・シューズを履いたカレラ4Sの走りは、そんな見た目の迫力に負けないスパイシーなテイストが売り物だ。
他のカレラ・シリーズと共通の、320psを発する3.6リッターフラット6ユニットは、迫力のサウンドとともにマイナーチェンジ前の3.4リッターモデルよりも体感上1割増し以上の強力な加速感を味わわせてくれる。車両重量はナローボディのカレラ4よりも60kgほど重くなっているが、加速データは0〜100km/hモードでMT/ティプトロニックがそれぞれ5.1/5.6秒と、ともにわずかに0.1秒ずつしか後退をしていない。ちなみに、MT仕様で280km/h(ナローボディ車ならば285km/h)という最高速度は、ターボの305km/hに迫るもの。誰が乗ってもその動力性能には感動するに違いない――カレラ4Sは、まずはそんなシャープな加速力が特筆もののモデルなのである。
もちろん、それと同時にこのクルマは、類稀なるハンドリング性能にスポットライトが当たる一台でもある。
前述のようにファットなシューズを履くこともあり、タイヤのエンベロープ性能への依存性が高くなる低速域での乗り心地は、正直なところオリジナルのカレラ・シリーズよりは路面凹凸に対する当たり感が強い。けれども、高速域でのフラット感は文句なし。ボディの剛性感がきわめて高いこともあって、ハイスピードゾーンでのこのクルマは、まず誰もが望外と感じるに違いない素晴らしい乗り心地を実現させている。
舵の正確性もきわめて高い。ことさらにシャープさを感じるわけではないが、ライントレース性は抜群だ。そしてブレーキはターボ譲りの強烈無比な実力。そんなわけで条件さえ許せば、250km/hレベルでの超高速クルージングを楽々と続けていくことのできる、このクルマならではの走りの奥深さがあるといえる。
一方のタルガは、手軽にオープンエア・モータリングの感覚を楽しめる点と、クーペを凌ぐカジュアルな雰囲気が溢れるエクステリアデザインが魅力の一台だ。
基本的な走りのポテンシャルはもちろんカレラ・クーペと同様。その上で、スイッチひとつで手軽に開閉が可能な大開口のスライディング・ルーフと、ウインドシールドからリアウインドーまでをブラックアウト化させることによる、2トーンのエクステリア・カラーを実現させている点が大きな売りになる。歴代911シリーズとしては初めて、ハッチバック・ゲートを備えていることもタルガならではの特徴だ。
従来の発想にとらわれない、新たなるアプローチによる911の魅力の開拓――それが、ポルシェ社が最新のタルガに求めた存在意義ということになるのだろう。
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Carrera4S |

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カレラ4Sはリアトレッドを約40mm拡大、ターボ同様のグラマーなボディをゲットしている。外観上でいうと、ターボとはリアフェンダーのエアインテークの有無で識別できる。エンジン/インテリアはカレラと同等だが、アルミ製モノブロックとなるキャリパーやクロスドリル加工されたローターなど、ブレーキシステムはターボ譲りだ。
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Targa |

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ルーフ全体がグラストップとなるタルガ。993時代にも存在したモデルだが、最新の996ベースはその成り立ちがまったく異なる。993はカブリオレをベースにサイドウインドーフレームを仕立てていたのに対し、996はクーペをベースにしているのだ。よってボディの剛性感の差は明白。リアハッチも新設され、実用性を高めている。
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クーペベースとなったボディにより、剛性感は大きく向上。重量増に応じてサスチューンも変更しており、その走りはカレラとほとんど遜色ないレベルにある。
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4WDシステムにはビスカスカップリングを採用。RRをベースに、必要に応じて駆動トルクの5〜40%を前輪へ伝達する。ハンドリングの素直さはシリーズ中トップだ。 |
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| Specification |
Targa |
Carrera4S |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4430×1770×1305 |
4435×1830×1295 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2350 |
2350 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1465/1500 |
1472/15 |
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| ■車両重量(kg) |
1415 |
1470 |
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| ■エンジン種類 |
水平対向6DOHC24V |
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| ■排気量(cc) |
3596 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
320(235)/6800 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
37.7(370)/4250 |
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| ■トランスミッション |
6MT |
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| ■サスペンション(F/R) |
ストラット:マルチリンク/ストラット:マルチリンク |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク:Vディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
205/50ZR17:
255/40ZR17 |
225/40ZR18:
295/30ZR18 |
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| ■東京標準現金価格 |
\11,100,000 |
\11,700,000 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。 |
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