ルノー・クリオ

RENAULT CLIO

高評価は伊達じゃない!
大幅にサイズアップした
ベストセラーの3代目


日本では少し影が薄かったルーテシア、すなわちクリオも、欧州では売れに売れたベストセラーカーだ。そして3代目へと生まれ変わったクリオは、すでに2006年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞
している。早速、現地で話題のコンパクトに試乗した。


リポート|中三川大地|D.Nakamigawa フォト|柴田幸治|K.Shibata


居住性アップはもちろん室内の質感も大幅に向上


 欧州での発売から2カ月が経過した。今のところ予想販売台数より3割ほど受注が多いという。出だし好調の3代目クリオである。
  販売台数ばかりか、評判も上々だ。なにより、欧州22カ国、58人のジャーナリストから選出される2006年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。そもそもクリオは、欧州でトップシェアを誇るルノーの、その屋台骨を支えるベーシックモデルである。ルーテシアと改名される日本においては今ひとつ影が薄かったともいえるが、欧州では国民車級のビッグネームなのだ。
  今回、日に日に寒さが厳しくなる11月のヨーロッパで、この3代目クリオのステアリングを握る機会を得た。試乗車は、1.6リッター4気筒エンジンに4速ATを組み合わせるグレードだ。これは、ステアリング位置を除けば、'06年春に日本導入される最初のルーテシアに、もっとも近い仕様である。
  意気揚々とパリでクルマを受け取ったその時の第一印象は、とても大きく立派になったなというもの。全長3986×全幅1707×全高1483mmというスリーサイズは、先代より176mm長く、67mm広く、63mm高い。だが実際の見た目では、その数値以上にボリューム感がある。メガーヌとの車格差が一気に縮まったようだ。
  グラン・セニックの弟分みたいな新世代ルノーのフロントフェイスと、メガーヌっぽいCピラーの角度が、とりわけ奇抜さはないがスッキリしていて好ましい。ボディサイズ拡大の恩恵か、フェンダーからボディサイドに続くラインが綺麗に描かれ、跳動感が出た。
  その流麗なスタイリングのみならず、サイズ拡大で恩恵を受けた大きなポイントは、居住性および安全性、そして走りだろう。
  室内空間については、先代比プラス○mmという比較が意味をもたないほどに拡大。特にリアシートは大人が座っても窮屈しない。そればかりか、このクラスではとかく簡易的になりがちな部分、例えばきちんと3つのヘッドレストを設け、座面にも十分な厚みを持たせている点がいかにもルノーらしい。
  インテリアの品質はクラス随一だと聞いていたが、実際に触れてみてそれも納得。豊富な小物入れや至れり尽くせりの装備品こそないが、スラッシュと呼ばれるダッシュパネルの素材や、その取り付け具合など随所に「イイモノ感」が漂う。ランチアの小型車系に見られる理解しやすい高級感ではなく、一流カジュアルブランドのような、気楽に使って長く楽しめるような雰囲気を持つ。

ワインディングではじんわりとストロークする足のセッティングに、ルノーらしさを感じる。街中では大きく感じるボディも、ワインディングでは手足のごとく操れる。
試乗車のエンジンは1.6リッターのK4Mユニットで、最高出力111ps/6000rpm、最大トルク15.7kg-m/4250rpmを発揮する。他に1.2リッターと1.4リッターのガソリン、1.4リッターディーゼルが用意され、全車で4速AT、5MTを選択可能。
クリオには15インチと16インチが用意されるが、試乗車は16インチを装着。タイヤは195/50R16サイズのミシュラン・パイロット・プライマシー。
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