

ポルシェ911カレラ4
PORSCHE 911 CARRERA 4

4WDを意識させない
オールラウンドGTマシン

ケイマン上陸で色めき立つ日本市場だが、忘れてはならないのが911の裏本命、911カレラの4WD版たるカレラ4/カレラ4Sだ。
早速連れ出したのはカレラ4。フェンダーが広がって迫力が増したものの、しかしその振る舞いは実に素直なものだった。

リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|郡 大二郎|D.Kori
 

40mm広くなってよりグラマラスに

これまでは後ろに回ってエンブレムを確認しなければ判別しにくかった911の4輪駆動モデルだが、997なら見分けるのは容易だ。カレラ4で295/35ZR18、カレラ4Sでは305/30ZR19という極太のリアタイヤを収めるべく、リアフェンダーが左右で計40mmも広げられて、よりマッシブなスタイリングを形づくっているからである。
一方、4輪駆動のメカニズムは基本的に先代を踏襲している。ビスカス式のセンターデフを用いたシステムは、4輪の接地状況に応じてエンジン出力の5%から最大40%をフロントへと伝達して、通常時のハンドリングを犠牲にすることなく、いざという局面での確かな安定性を担保する。997では前後輪の外径を変えているため、それに合わせて前後のファイナルギア比が変えられているが、2輪駆動モデル比50kgという車重増も、これまで通りだ。
目をひくのはPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)に加えられた新しい機能である。まずひとつがブレーキのプレチャージ機能。これはアクセルペダルから急に足を離すと、それを急ブレーキの予兆と見てブレーキパッドをブレーキディスクへと近付け、その後のブレーキング時に遅れなく即座に減速Gを引き出すというもの。もうひとつは緊急時にのみ働くブレーキアシスト機能だ。ただし、後者はスポーツモードもしくはPSMカット時にはキャンセルされるという。
さらに、前述のようにタイヤサイズはリアのみ大幅に太くされ、実はホワイトボディそのものが大きく違っていることから、燃料タンク容量は3リッター増しの67リッターへと拡大された。また逆に、ラゲッジスペースは135リッターから105リッターへと減じられている。違いはざっとこんなところで、3.6リッターの素のカレラと3.8リッターの“S”が用意されるのも一緒。その両者の差もリア駆動の場合と変わらない。
よってコクピットの景色にも変わりはない……のだが、ドアミラーに映るフェンダーの膨らみは確かに大きい。全幅はもはや1850mmにもなる。コンパクトなボディを利して、どこにでも躊躇なく乗っていける911の魅力が、また少し損なわれてしまったわけだが、ETCがこれだけ普及しているだけに、実害はそれほどないのかもしれない。
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搭載される水平対向6気筒エンジンは、カレラ4が3.6リッター(325ps/37.7kg-m)、カレラ4Sが3.8リッター(355ps/40.8kg-m)で、それはRR版のカレラとまったく共通。車重が重くなる分、データ上の最高速や加速性能はやや落ちる。 |
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伝統の5連メーター、機能的なスイッチ類等、シンプルにデザインされたコクピットも当然RR版カレラと共通。試乗車は6MTで、オプションのスポーツクロノパッケージを装着していた。タイム計測に便利。 |
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