ランドローバー・レンジローバースポーツ

LAND ROVER
RANGE ROVER SPORT


派手目な次男はスポーツ万能

SUVが流行っているとはいうものの、いま人気を博しているのは、ハマー、キャデラック、ポルシェなど、ほとんどが新規参入組のクルマばかり。ジープやランドローバーなどの老舗には少々ツラい日々が続いていたが、これから猛反撃がはじまりそうな予感。その先兵といえるのがこのクルマだ!

リポート|竹平 誠|M.Takehira フォト|望月浩彦|H.Mochizuki


仮想ライバルはX5とカイエン


 高級SUVの老舗ブランド、ランドローバーに第5の車型となるレンジローバースポーツが加わった。位置付けとしては最高峰のレンジローバーとディスカバリー3の間を埋める価格帯で、戦略的には近年台頭してきたオンロードでのハイパフォーマンスを誇る欧州製SUVに対抗し、プレゼンスを強化するという側面もありそうだ。
  レンジローバースポーツの狙いは、その名のとおりスポーティでアクティブなキャラクターにある。同社ラインナップの頂点にあるレンジローバーは余裕ある走行性能を持つが、その堂々たる体躯ゆえ機敏な運動性能を打ち出すようなクルマではない。ディスカバリー3はというと3列シートのプレミアムSUVとして好評ではあるが、こちらもスポーツというキャラクターではない。昨今のミドルクラス(車体サイズの話)プレミアムSUVでは優れた運動性能がトレンドだから、老舗ブランドとしてはここを見過ごすことは絶対にできないというわけだ。
  エクステリアは周到にレンジローバーのデザインキューを取り入れつつ、傾斜を強めた前後ウインドーなど空力にも配慮したスポーツルックに仕立てられている。プラットフォームはディスカバリー3と共有するものの、機敏な運動性能を実現するため短いホイールベースと低い車高が与えられている。またサスペンションも単なる流用ではなく、レンジローバースポーツ専用のコントロールアームやナックルが新設されているし、さらには「ダイナミックレスポンス」と命名された電子制御アクティブロールバーが前後に備わり、オンロード性能の向上には並々ならぬコダワリを見せているのだ。
  運転席に乗り込むと、視界はお馴染みの見晴らし感のある“コマンドポジション”ながら、操作系は少し高めのセンターコンソールをはじめ、ドライバーを包み込むレイアウトとなりスポーツ心を感じさせる。4.2リッターのスーパーチャージドエンジンと、レンジローバーよりコンパクトで軽いボディの組み合わせは期待を裏切らぬ速さ。正直このレンジローバースポーツの上品なイメージからすると過分な動力性能かとも思うが、パッセンジャーカーに後塵を浴びせるのは分別ある大人にとってもやっぱり快感だったりする。
  スポーツというネーミングから固めの乗り心地を想像していたが、乗り心地はディスカバリー3より締まってはいるものの、ハーシュネスフリーでちょうど兄貴分のレンジローバーに近いもの。操舵感はランドローバー流の穏やかな躾の伝統を守りつつも、適度な重さとダイレクトな応答感という新しい演出も加わった。市場にはより切れ味のいいハンドリングを持つライバルも存在するが、レンジローバースポーツには、このくらいのキビキビ感がちょうどいいのだと思える。
  ダイナミックレスポンスの御利益を試すべく、ワインディングを飛ばしてみた。このアクティブスタビライザーは0.4Gあたりの旋回までほぼ完全にロールを殺し、それ以上の領域で少しずつロールを許す仕組みだが、運転してみるとそういう切り替え感はなく、ただロールの少ないスムーズな旋回と感じられる。アンダーステアも軽微で、ワインディングを積極的に楽しめる性格といえるだろう。
  レンジローバースポーツはランドローバー史上最良のオンロード性能を持つが、同社の伝統も忘れてはいない。ディスカバリー3で好評の秘密兵器、テレインレスポンスが搭載され、さらにはオフロードでスタビライザーをフリーにできるダイナミックレスポンスの機能により、レンジローバースポーツはオフロードにおいても類い希なスポーツ性を発揮するのだ。

スタイリングはレンジローバーとほとんど変わらないように見えるが、ボディパネルはすべて専用設計。ピラーをすべてブラックアウト、ルーフが浮いているように見せるデザインは健在。
レザーシートはHSE/スーパーチャージドともに標準装備で、後者は写真のスポーツタイプ。インテリアカラーもHSEの3色に対してブラックのみと、スポーティな雰囲気を強調する。
ステアリングやセンターコンソールに一部ディスカバリーのイメージが重なるものの、インテリアも専用設計だ。「テレインレスポンス」は、手前に見える円形のスイッチで操作する。
リアゲートは上下二分割ではなく一枚の跳ね上げ式。リアシートバックの折り畳みはダブルフォールディング式で、ラゲッジルーム容量は通常958リッター〜最大2013リッター。
エンジンはジャガー製の4.2リッターV8スーパーチャージャーで、390ps/56kg-mを発揮する。車重2.5tを超えるとはいえ、これなら動力性能に不満が出るはずもあるまい。
スーパーチャージドのホイールはなんと40扁平の20インチ。試乗車はコンチ4×4スポーツコンタクトを装着していた。
今回試乗したのはスーパーチャージャー仕様。ボディサイズはレンジローバーに比べ、全長で155mm、全幅で25mm、全高で90mmそれぞれコンパクトになる。
Specification
HSE
SUPERCHARGED
■全長/全幅/全高(mm)
4795/1930/1810
■ホイールベース(mm)
2745
■トレッド(前/後)(mm)
1605/1610
■車両重量(kg)
2490
2590
■エンジン型式/種類
448PN/V8DOHC32V
428PS/V8DOHC32V+
S/C
■排気量(cc)
4393
4196
■最高出力(ps(kW)/rpm)
299(220)/5500
390(287)/5750
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
43.3(425)/4000
56.0(550)/3500
■トランスミッション
6AT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/エアSP:
Wウイッシュボーン/エアSP
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
255/55R18(8J)
275/40R20(9.5J)
■東京標準現金価格
¥9,200,000
¥10,900,000
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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