

ルーフRt12
RUF Rt12

997最初のターボはルーフから!!

ターボとは切っても切れない関係にある911だから、誰もが現行モデルにターボ仕様が追加されるのは既定路線と考えていたはず。
果たせるかな、デビューから1年ほどでそれは現実となったのだが……。

リポート|石井 昌道|M.Ishii フォト|RTC
 

650ps仕様の最高速は実に360km/h!

丸目ヘッドライトの復活が喝采をもって受け入れられた997、こと現行911のデビューから1年あまり。早くもターボモデルが姿を現した。といっても、本家からではない。ポルシェの市販車をベースに、オリジナルのコンプリートカーを製造する自動車メーカー、ルーフの手によるモデルだ。「Rt12」という車名は、ルーフとして12世代目のターボエンジンということに由来する。
ルーフといえば'80年代後半、日本でも自動車雑誌等を賑わせた通称イエローバード(930ベース)が有名だ。実はボク自身も、過去に記事を読んだ記憶はあるものの、取材は今回が初めて。世界速度記録に挑戦していたイエローバードのイメージと、今度のRt12は650psだという事実に腰がひけそうになりながらドイツへと向かうこととなった。
コンプリートカーだから、もちろん開発はトータルに行なわれている。エクステリアは前後バンパースポイラー、リアウイング、サイドミラーを変更しエアロダイナミクスを改善。片側で30mm拡幅されたリアフェンダーには、インタークーラー用エアインテークが備わっている。ブレーキは大径ドリルド・ベンチレーテッドディスク(F=380mm、R=330mm)にライトアロイモノブロックキャリパー(F=8ピストン、R=4ピストン)が組み合わされたシステム。スポーツサスペンションには、パーキング時に地上高を50mm上昇させるリフターも組み込まれる(オプション)。
そして目玉のエンジンはルーフのツインターボが装着され、530ps、560ps、650psの3種類が用意される。ミッションは6MTで、ワイドレシオ仕様+650psなら最高速度は実に360km/hに達するという。
そんなモンスターマシンの試乗場所として、直線のみだがクローズドコースが用意されていた。とはいえ650psの試乗車は開発用に電子デバイスを解除しているというのだから気が抜けない。タイヤが滑ったとしても、フルパワーが炸裂するのだ。案の定、慎重に発進しても全開にすればホイールスピン。しかし、さすがにRRだけあってトラクションがズバッと抜けてしまうことはなく、タイヤを軋ませながらも前へ前へと進んでいく。この後ろ足で地面を強烈に蹴っていく感触は、911ベースのハイパワー車だけが持つ興奮だ。2速でもシフトアップ直後はわずかにタイヤが負け気味になるが、進路が乱されるほどではない。3速だってアッという間。4速は上限で230km/hに達し、5速に入れても凄まじいトルクの威力で加速感は一向に衰えない。普通のクルマの2速ぐらいの感覚だ。残念ながら、距離の関係で最高速を試すまでには至らなかったが間違いなく300km/hを大きく超えていくだろうことは実感できた。
最初のうちは、ただただパワーに圧倒されていたが慣れてきて冷静に観察すると、ルーフのターボユニットはスムーズなトルク特性を持っていて実に扱いやすいことがよくわかる。チューニングがいきすぎたり技術レベルが低かったりすると、どこかの回転でいきなりパワーが炸裂することになりかねないが、そんな素振りはなく、あくまでフラットな性格だ。
しかも、街乗りでも気難しさなど無縁。サスペンションも、想像するよりずっとしなやかで不快な面は見せない。もちろん、650psをしっかり受け止めるパフォーマンスがあった上でだ。ルーフに対しては過激なイメージを持っていたのだが、実際にはまるで違う。こんなに高性能であるにも関わらず、日常域を犠牲にしないというポルシェの哲学は、Rt12にもしっかり生きているのだ。
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3.6リッターのフラットシックスにツインターボをドッキング、ベースモデルで530psを叩き出すRt12の心臓部。この他にオプションで560ps仕様(+1,200,000円)、排気量を約3.7リッターまで拡大、タービンやECUも変更される650ps仕様(+5,600,000円)も用意される。 |
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スポーツステアリングを除けば、インパネ回りは基本的にノーマルの997と同じ。もちろん、オプションのボディ同色塗装やアルミおよびカーボンのトリム等で、オリジナリティを高める手段は用意されている。 |
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前後バンパースポイラー、リアウイング、専用サイドミラーが装備されたRt12のボディは、ノーマルを凌ぐ空力特性、ダウンフォースを発揮。駆動方式はRRが基本だが、オプションで4WDも選べる(+2,300,000円)。 |
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| Specification |
RUF Rt12(base model) |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4467/1868/1300 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2350 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1486/1598 |
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| ■車両重量(kg) |
1500 |
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| ■エンジン種類 |
水平対向6DOHC+ターボ |
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| ■排気量(cc) |
3600 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
530(390)/7000 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
76.5(750)/3500-4000 |
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| ■トランスミッション |
6MT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:マルチリンク/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク/Vディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
F:255/35ZR19(9J)
R:345/25ZR20(12.5J) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥29,500,000 |
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| 問い合わせ先=RTC TEL:075-956-0930 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値です。 |


ボクスターはイタリアン・テイストで
ボクスター・ベースの「Rスパイダー」は、イタリアのコーチビルダー「スタジオトリノ社」との共同開発モデル。ルーフレスとしてリア回りをスッキリさせたり、サイドウインドー後端を削ってラウンド形状にしたりと、とにかく美しさの追求に余念がない。エンジンは3.8リッター(365PS)。シャシーもカッチリしており、走りは爽快だ。「ドイツのハードとイタリアン・デザインのコラボレーションはベスト」とアロイス・ルーフ社長が語る通りの出来映えだった。価格は24,600,000円。スーパーチャージャーモデル(420PS)の「RKスパイダー」(27,700,000円)合わせて48台の限定モデルだ。
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