フォード・エクスプロラー

FORD EXPLORER

ベストセラーは立ち止まらない

'02年に登場したエクスプローラーがマイナーチェンジ。
一見細部のデザインが変更されただけのように見えるが
実はフレームやV8エンジン、インテリアなどを一新。
その内容は、ほとんどフルモデルチェンジに近いほどだ。


リポート|竹平 誠|M.Takehira フォト|宮門秀行|H.Miyakado


6速ATの採用により加速性能が大きく向上


 世界最大の販売量を誇るアメリカンSUV、エクスプローラーがモデルチェンジした。SUVの本流ともいえるミドルクラス(米国の基準で)の王者だけあり、伝統的SUVのカタチを堅持しつつ機能的なアップデートが随所に導入されている。伝統的という側面では、まず今回もラダーフレーム構造が踏襲されている点が挙げられる。タフな本物のSUVはラダーフレームでなくてはならないというアメリカン・スタンダードだ。
  踏襲とはいうものの、このフレームは今回のモデルチェンジに際して新設計されたもので、タフ一点張りではなくモダンな操縦安定性の必須要件といえる剛性(特にフロント周り)や、最新の衝突安全性を実現すべく工夫が凝らされた新世代のものだ。ラダーフレームは完全なボックスセクションで、クロスメンバーはフレームレール貫通のフル溶接、さらに捻れ剛性向上のため2番クロスメンバーは巨大な断面サイズのボックス構造を持つ。トータルで8本ものクロスメンバーを備え、徹底した高剛性化が計られている。
  先代でショート&ロングアーム式(ダブルウイッシュボーン)4輪独立懸架という大進化を遂げたサスペンションもさらにリファイン。とりわけトレーリングリンクが追加され、トー剛性の高まったリアサスの進化が特筆できる。
  床下の話が先行したが、本来最初に目がいくのはエクステリアデザインだろう。先代までしばらく続いたやさしい顔つきから、SUV本流の力強いデザインに回帰したのが特徴。これはクロスオーバー車型との差別化に加え、(女性ユーザーまでも)SUVに男性的イメージを望む最近のトレンドに対応したものだ。キャビンスペースの余裕はすでに定評あるもので、いうまでもなくたっぷりと広い。加えて今回はセカンド、サードシートがフルフラットに畳めるようになり、使い勝手が大幅に向上した。ベストセラーだけあって安全装備の充実ぶりも目を引く。前席には乗員センサー付き可変インフレータブルのフロントエアバッグ(ステアリングコラムも衝撃吸収構造)と新設されたサイドバッグがつき、セカンドシートまでカバーするカーテンバッグやドア内部のクラッシュパッドも標準装備だ。安全性でSUVを選ぶユーザーは多いが、安全/コスト比でもエクスプローラーは最右翼の1台といえるだろう。
  3バルブ化、デュアル吸気ポート、可変バルブタイミングでパワーアップされたV8は、ゆったりトルクで走る先代の性格にパワフルな加速感を付け加える事に成功している。ライバルのより大排気量なHEMIには及ばないが、車格相応の力強さに不満はない。動力性能の強化には新型6速ATの貢献度が高い。グイッと動き始め、矢継ぎ早なシフトで車速を上げるという乗用車系の最新トレンドが早くもSUVに導入されている。動力性能への貢献はもちろん、トレーラー牽引なども随分スムーズになることだろう。
  走りの面で少し気になるのは、ボディとシャシーの一体感に欠ける点だ。サスペンションは良くできていて、乗り心地や操縦安定性は良好、コーナリングも悪くないが、ステアリング操作にボディの動きがイマイチ追従していない。なにかこうフニャッとしてるのだ。これはNVH重視のボディマウントの影響だと考えられるが、足はちゃんと仕事してるのに手応えが良くないというは勿体ない。
  静粛で快適、ユーティリティ抜群、動力性能も不満なく安全装備も充実しという優等生だけに、この乗り味は惜しいところ。とはいえ、こういうおっとり感こそアメリカンテイストで好きという人も少なくはないだろうが。


リア回りの変更点は比較的少ないが、ルーフレールやアルミホイールが新デザインとなっている。エディーバウアーは、6本ダブルスポークのクロームメッキホイールが標準設定。
インテリアは一新されており、直線基調のデザインは最近のフォード流を踏襲する。一見したところ、フィット・アンド・フィニッシュのクオリティも向上しているようだ。
V6はキャリーオーバーだが、V8はマスタングなどに積まれる最新型が積まれることに。吸気2、排気1の3バルブヘッドを持ち、スペックは296ps/41.5kg-mへと向上した。
シート配列は2-3-2の7人乗り。セカンドシートは以前3分割だったが、新型では60:40の2分割に変更されている。サードシートのヒップポイントは4.4cm高くなっており、開放感を高めることに成功した。
ラゲッジルームの使い勝手も向上している。シート格納時、以前はフロアに凸凹が残ったが、新型ではフルフラットにすることが可能。容量は385リッター〜2370リッターとさすがに広大だ。
こちらはV6エンジンを搭載するXLT。エディバウアーとはフロントグリルの意匠が異なるほか、ボディ下部のプロテクターがグレーになるなどスポーティな雰囲気だ。シート表皮もレザーではなくファブリックとなる。
タイヤサイズはなぜかV8モデルの方が細く、試乗車は235/65R18のミシュラン・クロステレインを装着していた。ちなみにXLTは245/65R17。
FORD EXPLORER
XLT
Eddie Bauer
■全長/全幅/全高(mm)
4930/1870/1835
■ホイールベース(mm)
2890
■トレッド(前/後)(mm)
1550/1580
■車両重量(kg)
2160
2230
■エンジン種類
V6SOHC12V
V8SOHC24V
■排気量(cc)
4009
4600
■最高出力(ps(kW)/rpm)
213(157)/5100
296(218)/5750
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
35.1(344)/3700
41.5(407)/4000
■トランスミッション
5AT
6AT
■サスペンション(F:R)
ショート&ロングアーム/コイル:
ショート&ロングアーム/コイ
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ディスク
■タイヤ(ホイール)
245/65R17(7.5J)
■東京標準現金価格
¥4,250,000
¥5,200,000
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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