アウディA4カブリオレ

AUDI A4 Cabriolet

さらに際立つエレガンス

A4/S4シリーズの中では唯一、モデルチェンジが遅れていたカブリオレが9月のフランクフルト・ショーで満を持してデビュー、南仏のニース、サントロペを基点に国際試乗会が開催された。
基本構成は先代モデルと同様で、カブリオレで主流になりつつあるメタルトップにもあえて背を向ける。では、その理由とはいったい?


リポート&フォト|木村好宏|Y.Kimura


アウディならではのキャンバストップ採用


 '05 年のフランクフルト・ショーにおける技術的ハイライトはハイブリッドシステムだったが、より華やかで一般ビジターの注目を集めたのは新世代のカブリオレであった。フォルクスワーゲンEOS、オペル・アストラ・ツイントップ、ボルボC70、そして日産マイクラ(マーチ)CC――等々。これらに共通するのは、プジョー206CCやメルセデスSLKで本格導入されたメタル製リトラクタブルルーフを持つことで、次期BMW3シリーズ・カブリオレも、どうやらこのメタルトップを採用してくるらしい。
  ところが、同じフランクフルトのアウディ・スタンドでは、こうした流れに逆らうかのようにクラシックなキャンバス製ソフトトップを持つ新型A4/S4カブリオレが佇んでいた。今回、南仏で開催された国際試乗会で、開発担当のシュミット氏にこの点について聞いてみたところ、アウディは確固たる意思を持ってキャンバストップを選択しているのだという。
  その第一の理由はスタイリングにある。アウディのカブリオレ・ユーザーは、メタルトップの採用に伴う寝かされたAピラーやウインドシールド上縁部の後退、不自然な(不格好な?)トランクリッド形状などを好まず、あくまでカブリオレならではのエレガントなスタイリングを望むのだという。
  実用面でいっても、メタルトップは格納時にトランクルームの積載性を大幅にスポイルするが、A4の場合はこの状態でも246リッター、トップを閉じれば315リッターの容量を確保。その開閉に要する時間も先代モデルの30秒から21秒へと大幅に短縮しており、30km/h以下であれば運転中でも開閉可能となる。さらに、キャンバス地には耐久・耐候製に優れた特殊素材を使うことで、メタルトップ並みの快適性を実現しているのだという。ゆえに、どうしてわざわざスタイリングを犠牲にしてまでメタルトップを採用する必要があるのか、というわけである。いかにも、デザインコンシャスなアウディらしい考え方といえるだろう。
  実際、初秋の南仏で見る新しいA4カブリオレの姿は、きわめて魅力的に映った。エクステリアでの変更点はサルーンのそれに準じており、シングルフレームグリルの採用と、ヘッドライトやリアコンビネーションランプのグラフィック変更が最大のトピック。エンジン・バリエーションも同様で、1.8リッター直4ターボ、2リッター直4FSIターボ、3.2リッターV6FSI、そしてS4用として344psの4.2リッターV8が用意される。さらに興味深いのは、アウディが積極的に展開するカブリオレへのディーゼル戦略である。新型には、2リッター直4TDIと3リッターV6TDIの2基がカタログに追加されている。
  今回は、短時間ながらすべてのモデルを走らせることができたが、もっとも印象がよかったのは2.0TFSIだった。200psと28.5kg-mを発生する2リッター直噴ターボは、ややエンジンノイズが大きめなのは気になるものの、飛躍的に洗練度を増した7速マルチトロニックとの組み合わせにより、あらゆるシーンで緩急自在の走りを楽しませてくれる。ハンドリングもごく自然で、サルーンよりも姿勢変化はきっちり抑えられているから、今回のようなワインディング主体のコースであっても、軽快なステップを踏んでいけるのだ。きっと日本の路上でも、独特のエレガンスを放ちながら颯爽と駆け抜けてくれるに違いない。

トップを閉じた姿も美しいのがアウディのカブリオレ。開閉に要する時間は、先代モデルに対し約9秒短縮の21秒。なお、30km/h以下であれば走行中も操作可能となる。
いうまでもなくシートレイアウトは2+2。インパネ回りの造形は基本的に先代モデルからのキャリーオーバーで、サルーン系とは異なり、エアアウトレットは円を基調としたものとなる。なお、写真は2.0FSIでトランスミッションはCVTの7速マルチトロニック。このほか、パワーユニットに合わせて6速AT、6速MTが組み合わされる。
ベースは4ドアサルーンで、ボディはドアパネル以降を専用開発。パッシブセーフティ性も万全で、転倒の危険性を感知すると瞬時に後席直後のセーフティバーが立ち上がる。
エンジンバリエーションはサルーンのそれに準じ、ガソリン4基、ディーゼル2基という布陣。写真はフラットなトルク特性により全域での扱いやすさが光る2リッターFSIターボ。
16インチのツイン5スポークホイールに組み合わされるタイヤサイズは215/55R。なお、フルタイム4WDのクワトロ・システムが搭載されるのは3.2FSIと2.0/3.0TDIの3モデル。
エクステリアにおける変更ポイントはボディ前後に集中。ヘッドランプとともに、リアコンビネーションランプも若干形状が見直されている。なお、現時点で日本導入は未定。
AUDI
A4 Cabriolet 2.0TFSI
S4 Cabriolet
■全長/全幅/全高(mm)
4573/1777/1391
■ホイールベース(mm)
2650
■トレッド(前/後)(mm)
1522/1518
■車両重量(kg)
1630
1895
■エンジン種類
直4DOHC16V+ターボ
V8DOHC32V
■排気量(cc)
1984
4163
■最高出力(ps(kW)/rpm)
200(147)/5100-6000
344(253)/7000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
28.5(280)/1800-5000
41.8(410)/3500
■トランスミッション
CVT
6AT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
マルチリンク/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ディスク
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
215/55R16(7J)
235/40R18(8J)
■東京標準現金価格
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