アルファ・ロメオ アルファ・ブレラ

ALFA ROMEO ALFA BRERA

これが新世代アルファの象徴

2002年のジュネーブ・ショーでデザインスタディが大絶賛、2年後の同ステージでプロダクトモデルが正式発表されたアルファ・ブレラの国際試乗会が、地元トリノの近郊にある同社のテストトラックを基点に開催された。いまのところ話題はデザインが先行しているが、ではそのドライブフィールとは――。

リポート|吉田 聡|S.Yoshida(本誌) フォト|フィアット・オート・ジャパン


エネルギッシュだがコンサバティブ


 トリノからミラノ方面へ向けてアウトストラーダを走ること1時間あまり、長閑な田園風景が広がるバロッコという街の一角にアルファのテストトラックはあった。正面ゲートをくぐり、トラックを横目に取り付け道路を進んでいくと、ホスピタリティと思しき建物の前に、色とりどりのブレラがズラリと並んでいるのが見えた。
  第一印象は、意外にボリューム感があるな、というもの。エクステリアデザインは、ジョルジェット・ジウジアーロとアルファ・チェントロ・スティーレのコラボレーションによって生み出されたもので、日本を発つ直前、東京モーターショーのアルファ・スタンドに佇むその姿を目にした際は、スポットライトが各シェイプを際立たせていたからだろうか、凝縮感こそあれ、どこかこぢんまりとした印象を受けたものだった。しかし、こうして陽光の下で見るブレラの存在感はなかなかのものだ。
  159のホイールベースを175mmほど切り詰めた結果、4413mmの全長に対して1830mmにもなる全幅により、四肢で大地を踏みしめるような、得もいわれぬエネルギッシュな雰囲気を漂わせる一方で、どこかロマンチックな香りを伝えてくるのは、随所に往年のアルファ・クーペの要素を採り入れているからだろうか。フロントエンドの面持ちはほぼ159のそれに近く、スクデットがやや上下に短くなっている程度だが、サイドのグリーンハウス形状は1950年代のジュリエッタ・スプリントのそれを彷彿とさせるもの。一方、大きく寝かされたV字シェイプのリアウインドーは近年の145や147にも用いられた手法で、新旧のデザインエレメントを巧みに融合しつつ、躍動感溢れるクーペフォルムを実現している。
  反面、156から159への世代交代と同様、従来モデルのGTVに見られたデザインにおける斬新さ、チャレンジングな姿勢が弱まってしまったのはやや寂しい気もする。これも、不振のフィアット・グループ内において、もっとも収益増が期待されている現在のアルファの微妙な立場を考えれば致し方ないことなのかもしれないが、ややコンサバティブにまとめられてしまった感は拭えない。
  さらに残念なのは、ダッシュボードをはじめとするコクピット回りが、159からそのまま流用されている点。もちろん、使い勝手に不満はないのだが、新世代アルファのイメージリーダーという位置づけからすれば、もう少し色気というか特別な“何か”があってしかるべきだろう。エンジンやプラットフォームなどにGM製のコンポーネンツが用いられているのは周知のとおりだが、さすがにこうした目に見える部分でのコストダウンは、やや興を削がれる。

フロントエンドのデザインはほぼ159と同じ。というよりも、159がブレラのスタディモデルをモチーフにしたというべきか。もっとも大きな違いはスクデットの大きさだろうか。
V字シェイプのリアウインドーは145や147のそれにヒントを得たもの。なお、生産は近い将来にも発表されるであろうスパイダーとともに、ピニンファリーナの工場で行なわれる。
エンジンは3.2リッターV6と2.2リッター直4という布陣で、ともにGM製のブロックを使う新世代ユニット。ただし、ヘッドやピストン、コンロッド、クランクシャフトといった主要ムービングパーツは、あくまでアルファ製となる。
写真はオプションの18インチホイールで、タイヤは235/45RのピレリPゼロ・ネロが組み合わされていた。なお、標準サイズは2.2/3.2とも225/50R17となる。



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