

ルノー・メガーヌ・トロフィー
RENAULT MEGANE TROPHY

20台限りの福音

導入以来、積極的なバリエーション拡大で常に高い“鮮度”を保ってきたメガーヌに、また魅力的なモデルが追加された。日本向けは20台限りだが、ルノー・スポール(RS)をベースとするこのクルマ、その名に相応しいシャシーの完成度が光る1台だった。

リポート|石井昌道|M.Ishii フォト|松本高好|T.Matsumotoi
 

ノーマルの弱点をほぼ完璧なかたちで解消

世界で500台、日本では20台限定となるルノー・メガーヌ・トロフィーは、早くそのステアリングを握りたくてウズウズしていたモデルだ。というのも、ベースのメガーヌ・ルノー・スポールからして「さすがはディエップ育ち!」を実感させてくれるとともに、試乗ステージの速度域が上がるごとに感激が高まるという奥深さを持っていたからだ。
最初にメガーヌ・ルノー・スポールに乗ったのは都内および近郊。低い速度域での印象は、正直言うとあまり芳しくなかった。電動パワーステアリングのフィーリングがデッドで接地感が得られず、これではしかるべきステージに行っても一体感は得られないのでは?と早合点したのだ。
ところが後日、ワインディングとサーキットを走ってみたら、印象は一転した。速度域が上がり、かかるGも桁違いに強くなるほどにメガーヌ・ルノー・スポールは真価を見せてくれたのだ。引き締まってはいるが、しなやかに動くサスペンション。縁石を大胆に跨いでいくような走りをしても綺麗なストロークで、何事もなかったようにショックを吸収してしまう。専用に開発されたダブルアクスルサスは、大きくストロークしても常に荷重をタイヤの中心にかけることが出来るのだという。
スポーツ走行をしている際は、パワステは容量不足でさえなければフィーリングの善し悪しなど関係なくなってしまうものなのかもしれない。ダブルアクスルサスの恩恵で、路面状況が真っ正直に入ってくることばかりが浮き彫りになり、むしろステアフィールは上等な部類に感じてしまったのだ。
今回、ワインディングで試乗したメガーヌ・トロフィーは、あのメガーヌ・ルノー・スポールの走りの良さをさらに引き上げている。まずサスペンションはFスプリングを25%、Rスプリングを77%レートアップ。当然のことながらピッチングもロールも減ってコーナリング性能が高まっているし、ほとんどアンダーステア知らずのような動きも見せてくれるが、しなやかなストローク感も健在。しかも、より質の高いスムーズネスさを見せる。これはアンチロールバーを細くしたことで、サス本来の仕事を重視した結果のようだ。また、ブレーキフィールが著しく向上しているのも見逃せない。メガーヌ・ルノー・スポールでも制動力/耐フェード性にはそれほど不満はなかったが、このメガーヌ・トロフィーでは微妙なコントロールを受け付けるというエクストラが加わったのだ。
さらなるトピックスはESPシステムの解除が可能になったことだ。メガーヌのESPは優秀で、作動していてもドライビングの楽しみをスポイルすることは最小限であったが、やはりキッチリ解除してのワインディングランの楽しさは格別。タイトコーナー立ち上がりでFタイヤを縦方向に僅かに空転させることなんかも朝飯前だ。ワインディングやサーキットでドライビングが本気で楽しめる点に関しては、高評価のVWゴルフGTI以上のものがある。
そしてもうひとつ、例のパワステが改良を受けたことも朗報だ。コラム・ジョイント変更とアシスト・ロジックの最適化によって、インフォメーションの正確性がさらに高まったうえに、低速時のアシスト感も向上。もう街中でもガッカリすることはないだろう。
とはいえ、やはりこのメガーヌ・トロフィーも速度域が高まるほど真価を発揮することに変わりはない。それもメガーヌ・ルノー・スポールよりも一段と濃い内容で。
走り始めた瞬間は素っ気ないが、乗れば乗るほどに、のめり込んでしまう。本質を突き詰めていったクルマは、そういった性格を持つことも多いのだ。
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絶対的な動力性能はノーマルのRSと変わらないが、より戦闘力を高めたシャシーの威力で、走りは日常域から刺激的。そのキャラクターを考えれば、快適性も十分と言えるレベル。 |
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パワートレインは、完全ノーマル。「トロフィー」とはいっても、さすがにミッションは“普通の”6MTだ。 |
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ブルーで統一されるシート地やベルト類が専用装備となるが、雰囲気はむしろノーマルより渋め。 |
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「マカハ・グレーメタリック」の専用ボディカラーとホイール以外、トロフィーの外観はノーマルと変わらない。特別なモデルとはいえ佇まいは控えめだ。日本向けの20台は、9月上旬の段階でほぼ完売というが……。 |
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| Specification |
RENAULT MEGANE TROPHY |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4230/1775/14 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2625 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1515/1520 |
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| ■車両重量(kg) |
1370 |
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| ■エンジン型式/種類 |
F4R2/直4DOHC16V+ターボ |
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| ■排気量(cc) |
1998 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
224(165)/5500 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
30.6(300)/3000 |
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| ■トランスミッション |
6MT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク/ディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
235/40R18(8J) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥4,042,500 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値です。 |
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