

ルノー・グランセニック2.0
RENAULT GRAND SCENIC2.0

フランス車ならではの合理性を
カタチにした7人乗りミニバン

いまや欧州市場でひとつのカテゴリーを形成するまでに成長したコンパクトモノスペース。その先鞭をつけたセニックの2世代目をベースに、7人乗りとしたのがこのグランセニック。いかにもフランス生まれらしい合理的な作りに注目したい。

リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|郡大二郎|D.Kori
 

ルノー風味に満ちた絶品の乗り心地

当初、セニックはメガーヌ・シリーズの1バリエーションとして誕生したものの、結果として欧州にコンパクトモノスペースを流行らせるキッカケとなった功労車である。グランセニックはその2代目にあたり、ベースとなる現行メガーヌ同様、二重フロアによる強固なボディや、その空間を利用した小物の収納部など、良き伝統を継承したままサイズアップして新型に生まれ変わった。
簡単にスペックを紹介すると、スリーサイズは全長4495×全幅1810×全高1635mmで、車両重量は1560kg。エンジンは、2リッター4気筒から133ps/5500rpmと19.5kg-m/3750rpmを発生、4ATを介して前輪を駆動させる。
フランス人のクルマ選びは家族の要求など無視、主人の主観で決まるとよくいわれる。それは、大半が一人で使うことから、操縦性や軽荷重時の乗り心地などを無視しえないからか、といえばそうではない。大勢が乗車する際の重量増加は、接地荷重を上げて乗り心地にも寄与する。つまりフランス車の足は、ボトミング性能に代表されるように、許容量が最初から大きい。ゆえに主人が操縦性主体で選んだとしても、家族が犠牲になることなどないのだ。
初代セニックの美点は、大きなキャビンスペースもさることながら、何といってもスポーツカーのように機敏かつ安定した操縦安定性だった。そんなミニバンにあるまじき挙動は、単にバネ系を固めたりタイヤに頼ったものではなく、強固なボディ剛性と適切なサスペンション・ジオメトリーによって得られていた。新型グランセニックにも、もちろんこのキャラクターは継承されており、乗り心地はさらに改善されている。
従来は、主にボディ形状からくる重心高の高さと相対的に短いホイールベースにより、ピッチ方向の入力を強めに抑える傾向にあったが、今回ホイールベースが延長され、ブッシュ類のチューニングも進んで、目地段差などに対するハーシュネスのレベルが軽減されている。これは、横から見て2個のタイヤと重心高を結ぶ三角形の、高さ方向の割合が低くなったと考えれば納得されよう。
また、ロール対策はルノーのオハコともいえるロールセンターを重心高に近づける措置で完璧。スタビライザーに頼り過ぎることはなく、多くのミニバンにありがちな危なっかしさとは無縁だ。ベースのハッチバック系は、前後のロールセンターが異なり、ロール軸はやや前下がりで対角線的にロールする傾向にあるが、このグランセニックはチューンが異なる。
エンジンのキャラクターは、ロングストロークに象徴される通り、低中速重視の設定で扱いやすい。いまや4ATは不利に思われるかも知れないが、エンジンブレーキにしてもキックダウンして加速するにしても、その段階ごとの守備範囲をまっとうする節度が感じられる。効率感は削がれるものの、実際は痛痒もなく、むしろシフトフィールは気持ちいいほど。
高めに座る目線からは、下界の様子が良く見える。2列目はさらに高く、前席を邪魔に思う感覚はない。3人掛けのシートはサイズもたっぷりしており、高く座る設定ゆえに足を前に投げ出す姿勢とはなりにくく、足元のスペースは十分。ただし、座面形状はややえぐられた凹断面を採ることから、腰が前にずれやすい。逆にいえば、姿勢を崩して乗れる自由度は大きい。また、普段は畳んだ状態となる3列目は、現実的には緊急用であり、ここは大きな荷物スペースとしても使える。
無難で小綺麗にまとめた無個性な乗り物と違い、グランセニックは外観以上に個性を主張してくる。
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| Specification |
RENAULT GRAND SCENIC 2.0 GLASSROOF |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
4495/1810/1635 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2735 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1505/1505 |
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| ■車両重量(kg) |
1620 |
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| ■エンジン型式/種類 |
F4/直4DOHC16V |
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| ■排気量(cc) |
1998 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
133(98)/5500 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
19.5(191)/3750 |
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| ■トランスミッション |
4AT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク/ディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
205/60R16(6.5J) |
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| ■東京標準現金価格 |
¥3,090,100 |
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| 問い合わせ先 |
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値です。 |
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日本仕様のエンジンは2リッター直4DOHCのみ。VVT可変吸気バルブタイミングを採用し、力強いトルクフィールを発揮する。マニュアルモード付き4ATとの組み合わせにより、最高出力133psと最大トルク19.5kg-mを発生。 |
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メガーヌ・シリーズに共通の、エッジの効いたリアスタイリング。近年のルノー・デザインを象徴する斬新な造形だ。 |
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ルノーならではの優れた操縦安定性を継承しつつ、さらなる乗り心地のよさを実現。また、パッシブセーフティ性も十分で、ユーロNCAPでは最高ランクの5つ星を獲得している。 |
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視認性に優れるセンターメーターを基調としたインパネ回り。スイッチ類をステアリング回りに集中させ、様々な機能を手元で呼び出せるエルゴノミックススイッチを採用。 |
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クラス最大の開口部を誇る電動開閉式パノラミックグラスルーフがもたらす、明るく開放的なキャビンスペース。乗員すべてが快適に移動できる居住性を実現している。 |
通常のグランセニックにはクロスシート、写真のグラスルーフ仕様車にはクロス+レザーのコンビシートが装着。3列目シートは、必要に応じてワンタッチで作り出せる。

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ベースとなるセニックのホイールベースを延長することで、計18カ所にも及ぶ使い勝手に優れた収納スペース、最大で1920リッター(2列目取り外し時)という大容量のラゲッジスペースを確保。さらに、利便性の高いリアドアガラスハッチも全車に標準装備となる。 |
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足元には205/60R16のタイヤが装着。写真のグラスルーフ仕様車には、16インチのアルミホイールが標準装備となる。なお、リアのバックソナーは全車標準。 |
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