アウディRS4

AUDI RS4

“すべて”を与えられた
全天候型高性能サルーン


「365日エブリデイ・スポーツカー」というキャッチコピーを引っ提げて登場したA4シリーズのフラッグシップ、RS4。
イタリア・ミラノ郊外で開催された国際試乗会で、高回転型V8ユニット+クワトロで武装したRS4は、まさにそのコピー通りの全天候型の性能を披露してくれた――。


リポート|河口まなぶ|M.Kawaguchi フォト|アウディ・ジャパン


扱いやすさとパワーを兼ね備える高回転型V8


 降りしきる雨の中を、淡々と駆け抜ける様に思わず言葉を失う。天候など無関係とも思える圧倒的な頼もしさと洗練された感触が、秘めたる過激な性能を感じさせぬほど優しい乗り味を伝えるからだ。9月中旬のミラノ郊外。A4シリーズの頂点に位置するRS4はまず、ひたすら感心できる乗り心地のよさを披露してくれた。試乗前に聞いた「365日乗れるスポーツカー」の表現がまさに的確だと思えるほどの――。
  全行程の60%をアウディのラインで、残り40%をクワトロGmbHで製造するRS4は、これまで頂点に位置したS4をさらに凌駕する高性能モデルである。外観からもそれは明らかで、トレッドはS4比で前+49mm、後で+64mm拡大。さらに標準で225/40R18、オプションで255/35R19に達するタイヤを収めるため、前後フェンダーは大きく膨らみ、そこから連なる専用デザインの前後バンパーも、ひと目で高性能を感じさせる仕立てとなっている。
  ドアを開けると、シングルフレームではない円形パッドのDシェイプ・ステアリング、エンボス・ロゴを与えサイドサポートが張り出したバケットシートが目を引く。シフトレバー後方のスタートボタンを押すと、新たにFSI化された4.2リッターのV8がボディを一瞬だけ震わせて目覚める。
  クラッチは比較的軽い踏力で操作可能だが、ミートポイントの前後でバネの強さが大きく違うため、ミートにはやや慣れを要する。もっともツインプレートゆえ、これは致し方のないことだろう。
  走り始めると圧倒的に豊なトルク感に驚く。4.2リッターV8FSIは最大トルク43.9kg-mを5500rpmで発生するが、2250〜7600rpmという幅広い回転域で最大トルクの90%を生み、優れたドライバビリティを発揮する。事実、街中では約60km/hを6速で走行することも可能だった。タイトな峠道では3速に入れっぱなしのAT状態で走れる。コーナーで1000rpm台へ落ちてもシフトダウンの必要はなく、そのまま再加速できるほど扱いやすい。
  さらにこのエンジンが凄いのは、扱いやすさを備えながら、ランボルギーニ製V10のテクノロジーを参考に、アウディ初の高回転型ユニットとされていることだ。93mmのロングストロークながら、レブリミットは8250rpm。この時、ピストンスピードはF1並みの25.5m/秒となる。圧縮比も12.5を実現し、420ps/7800rpmとリッターあたり100psオーバーを実現。それでいながらFSIにより、排ガスはユーロ4をクリアするのだから、まさに夢のパワーユニットだ。
  アウトストラーダでスロットルを床まで踏むと、トルクの豊かさからは想像もつかないほど優れたレスポンスをみせ、空気を切り裂くような排気音を伴って急加速する。豊かなトルクがさらに上乗せされ、回転が高まってもなおトルクは衰えず、伸びやかさを感じさせながら景色を歪ませる。もちろん、回転フィールは至極滑らかゆえ、吹け上がりは超絶な気持ちよさ。さらにステアリング上に備わるSのボタンを押せばスポーツ・モードとなり、サウンドはより刺激的なものとなって、レスポンスもこれまで以上に鋭くなる。
  RS4の車重は1650kgとS4に比べ10kg重い。だが、与えられた技術からすれば実質的に相当な軽量化だ。パワーウェイトレシオは3.93kg/psを達成し、0→100km/h加速は4.8秒。そして確かに、その数値に納得できるだけの加速力を、このクルマは備えていることがわかる。

ボディサイズは全長4589×全幅1816×全高1415mm。S4と比較すると全長はほぼ同じで全幅が40mmほど拡大。全高は10mmほど低められている。ホイールベースはA4シリーズに共通する2648mm(数値はすべて欧州仕様のもの)。
フロントシートはサイドセクションが強調されたRS専用バケットシートを採用。ボタン操作によりクッションの空気圧を調整し、ドライバーの身体にフィットさせる機能も備わる。シート地はレザー、レザー/クロスの2タイプを用意。
レザー、アルミニウム、カーボン素材をふんだんに使ったインテリアはスポーティさと高級感を演出。ステアリングはDシェイプのものが採用されている。また、ドライバー・インフォメーション・システムにはラップタイマーなども内蔵されている。
トランクルーム容量は通常で460リッター(VDA)、リアシートを畳み込めば最大で720リッター(VDA)を得ることができる。基本的にトランクのユーティリティはS4と同レベルを確保している。



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