ザックス

SACHS SRT-line / RS-line

プロスペックとストリート
ザックスの最新サスキットを試す


実は欧米であまりニーズがないとわれる減衰力調整式の車高調整式サスキットだが、ザックスは巨大マーケットである日本にそのニーズを見込んで開発に力を注いでいる。
ならば、その実力はどれほどのものなのか――。


リポート|中三川大地|D.Nakamigawa フォト|宮門秀行|H.Miyakado
問い合わせ先=ハンズトレーディング TEL:045-505-5777
車両協力=サンビーム TEL:03-3709-4555
ジアラ/エックスフォルム TEL:045-911-1292



基本性能の高さがもたらす質の高い走り


 '97 年より、フェラーリF1チームのオフィシャルサプライヤーとしてサスペンションを供給するザックスは、いまや世界的に有名なサスペンションメーカーだ。
  彼らはいま、日本のマーケットを最重要視している。アジアの中でもっとも販売数が多いという事実に加え、日本人が足回りに対して多くの要求を持つ「足フェチ」だからという理由が大きい。とくに車高調は、日本市場のために作っているといっても過言ではない。
  では、その車高調の実力を明かしてみたい。テストしたのは、2アイテム。昨年本国で発表された車高調整式サスペンションセットである。これはアイバッハとのコラボレーションモデルで、ゆえにアイバッハ製スプリングが組み合わされる。
  まずはザックスのハイエンドクラス「SRT-Line」だ。これは車高調整機構に加えて、伸び側と縮み側の2Wayで、なんと無段階(!)による減衰力調整が可能となっている。調整幅を何段階と区切らずにダイヤルの角度で調整でき、つまりは減衰力を無数に選べるわけである。また、アルミケーシングが採用されるほか、F1をはじめドイツのDTMなどに供給する、ザックス・レーシングダンパーと共通のパーツが随所に用いられる。
  この製品が装着されていた車両は、多少のライトチューンが施されたE46のM3・SMG IIだ。車高および減衰力はミニサーキットレベルをターゲットに調整され、それに組み合わされるスプリングのバネレートはフロント10kg/mm、リア13kg/mm。外観やバネレートからハードな乗り味を想像していたが、実際は思いのほか乗りやすいものだった。たしかに初期の当たりは固いが、段差の衝撃をピタッと一発で収束させるから、フロアが上下に揺さぶられるような不快感とは無縁だ。
  その理由は、ダンパーのピストンスピードが速く、さらに微入力に対してもダンパーがしっかりと機能するからだとか。可動部のシールに特殊な技術が採用され、抵抗が少なくなったことで成し得たものだという。なるほど、バネが固くてダンパーが微入力に対して反応しなかったら、モロに衝撃がフロアに伝わり続けてしまう。これこそが、あのガタガタとした乗り心地の原因につながるのだ。
  ジムカーナコースを使って思い切り振り回すと、ステアリングの効き始めがクイックで、ほんのわずかな舵角に対しても忠実に反応することが分かる。段差を乗り越える時と同じく、荷重という微入力に対してキッチリとダンパーが働いているからであろう。そのうえで限界も高く、滑り出しの感覚も非常につかみやすい。その完成度の高さに、ザックスの真価はステージを問わず発揮されるのだと痛烈に感じた次第だ。
  もうひとつは、「RS-Line」と呼ばれる減衰力固定式の車高調システムだ。装着車両はほぼノーマルのミニ・クーパーSで、スプリングのバネレートはフロント6kg/mm、リア5kg/mm。こちらの印象もM3と同じく、ダンパーの威力が一般路、ジムカーナコースともに発揮されていた。ミニに関していえば、ノーマルの、あえてクラシック・ミニに似せたかのようなゴーカート・フィーリングがさらに際立って、キビキビとした走りが楽しめる。
  サーキットからストリートまで、頻繁にセッティングを繰り返すならSRT-Lineがオススメだが、セッティング頻度が低いならRS-Lineでも十分に楽しめる。あとはマッチングやお財布と相談しながらチョイスすればいい。



SRT-line

フロント10kg/mm、リア13kg/mmというノーマルよりも極端に高いバネレートから想像するよりも当たりは柔らか。確かに固くはあるが、ダンパーの滑らかな動きが上手く吸収している感じだ。
ザックスレーシングダンパーと共通のパーツを使用し、最高峰の性能を目指した「SRT-line」。減衰力調整可能な車高調整式サスキットで、価格は80万円前後になる見込み。
RS -line

ハイエンドのSRT-lineと共通の設計思想に基づきつつも、より一般路上での使用に適した性格と価格が与えらる「RS-line」。とはいえその基本性能は相当に高く、運動性能と乗り心地のバランスは絶妙だ。
RS-lineは一部減衰力調整式となるが、基本的には減衰力固定式となる車高調サスキット。各メーカーのスポーツグレードが対象車種となり、価格は26万円前後になる見込み。

ザックス他がスポンサーです|ガルフストリーム走行会

 今回の試乗は、欧州車のモディファイを得意とする浜松のショップ、ガルフストリーム(TEL:053-423-0102)が主催する、富士スピードウェイ・ジムカーナコースでの走行会場にお邪魔して行なった。同走行会は、ザックスを取り扱うハンズトレーディングや、欧州車向けのブレーキパーツでお馴染みのグラッドジャパン(TEL:03-3298-8195)、同じく欧州車系マフラーで人気上昇中のブルーウェイブエンジニアリング(TEL:042-570-2450)が協賛。レーシングドライバーのインストラクターも参加して、丸一日ジムカーナコースを堪能できるお得な走行会なのだ。
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