

ハルトゲ
HARTGE H32d / H330K / M5

マニアを唸らせる技術力と
確実に時代を掴むセンスが融合

老舗BMWチューナーとして、常に高品質なチューニングアイテムを送り出すハルトゲ。絶えず個性を表現し続けるその姿勢は、世界中のBMWファンから賞賛されてきた。そのスピリットを継承する最新のプロダクトを、現地ドイツからお届けしよう。

フォト&リポート|柴田幸治|K.Shibata
取材協力=ハルトゲジャパン TEL:03-6425-2333
 

最小限のモディファイと実用重視のチューニング

ハルトゲは、フランクフルトから200kmほど西に位置するベッキンゲンという街に本拠を構える。ほぼフランス国境に位置するためか、ハルトゲのクルマは総じてエレガントとかスマートという言葉が似合うデザインが多い。
たとえば現地で発表されたばかりのH32d。ベース車の3シリーズ(E90)自体が洗練されたデザインを持つが、その造形を引き立たせるべく、無理やり自分たちのスタイルに変えようとはしていない。逆にフロントリップスポイラーとカーボンミラーのみ、という思い切った策を講じている。
確かにパーツ品目では寂しく感じられるかもしれないが、リップスポイラーだけでもフロントのイメージはガラリと変化している。さらにスポーツサスペンションで車高を落とし、20インチのクラシック・ホイールを装着すれば、明らかにノーマルとは違ったエレガントでスポーティなイメージとなる。クルマのキャラクターを理解して最大限に引き立たせる、これこそがハルトゲ流の仕事なのだ。
同様に、M5もシンプルだ。エアロパーツはフロント、リアともにリップスポイラーのみであるが、これがよく考慮されている。ノーマルバンパーの複雑な形状にフィットさせて継ぎ目を見えにくくし、オリジナルのラインを新たに引き直すことでハルトゲらしさを表現。一見するとフルバンパータイプにも見える秀逸なデザインといえる。なお、現時点でのエンジン系チューニングはスピードリミッターカットのみで、これからに期待といったところだ。
そして3台目は、今回唯一試乗することができたコンプリートカー、H330Kだ。ベース車はX3の3リッターモデル。発表から約2年が経とうとしているX3だけに、ハルトゲは新たな魅力を提供すべくコンプレッサーを搭載した。具体的には、3リッターエンジンをベースに、エンジン本体には手を加えずASA製リショルム型コンプレッサーを装着。コンピュータをモデファイし、さらに過給による吸気温度上昇を抑制するため、インタークーラーも搭載している。結果として、エンジンは300psのハイパワーを絞り出す。
試乗してみると2000rpm手前からのトルクが明らかに違うが、扱いにくい代物ではなく、むしろ乗りやすくなったというのが率直な感想。コンプレッサー自体は1500rpmでクラッチが繋がり過給を開始するようにプログラミングされているので、2000rpmまではノーマルと何ら変わりはなく、クラッチの繋がりもきわめてスムーズ。一方、2000〜5000rpmの回転域では、トルク増大の恩恵で力強さが飛躍的にアップ。にもかかわらず、加速感は暴力的ではなくジェントルなものとなっている。
代表のフォルカー・シュー氏は、H330Kの開発コンセプトについてこう語る。
「第一にロングライフであること。そして街中でも楽しく快適にドライブできることを重視しました。ボディが重いX3は、どうしても中速域での加速がスポイルされてしまいますが、コンプレッサーによるトルク増強でそこをカバーしています。ただし、ロングライフということを考えるとエンジンに負担をかけることはタブーなので、過給圧は0.4バールにとどめ、耐久性を維持しています」
最近は、ノーマルの高性能化からか、個性の強いクルマが少なくなったBMWチューニング業界。にもかかわらず、H330Kからはハルトゲらしさが存分に感じられた。これだけ複雑になった現代のクルマをベースにしてなお、個性を打ち出すことができるハルトゲ。さすがはチューニング好きを唸らせるだけの技量を有した、ドイツ指折のチューナーである。
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エレガントかつスポーティなH32d。エンジンは2リッターディーゼルがベースで、今後の展開としてはまず欧州で人気のディーゼルチューンキットをリリースする予定。足回りはオリジナルのサスキットにより30mmローダウン。 |
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ステアリングをはじめ、インテリアパネル、コクピットパネルにカーボンを使用し、シフトノブやハンドブレーキレバーにはアルミを多用してスポーティさを主張。 |
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エアロパーツはフロントリップスポイラーのみ。テールにはデュアルラウンド・マフラーを装着する。20インチのクラシック・ホイールに245/30サイズのタイヤを装着し、シンプルかつスポーティにまとめられる。 |

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大きな開口部が、チューンドエンジンの冷却効果向上にひと役買っているフロントスポイラー。この奥にはレインフォースもきちんと装着され、安全面も万全だ。コンプレッサー装着で意外と問題になるのが作動音なのだが、そのあたりの対策もほぼ完璧。インテリアはシンプルに、レザーハンドルを装着し、アルミパーツを散りばめた程度だ。
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フロント/リアのハーフタイプスポイラー、デュアルタイプのオーバルマフラーと21インチのクラシック2ホイールを装着。タイヤは255/30R20で、車高はスプリングで30mmローダウン。ちなみにエンジンはスピードリミッター解除程度ではあるが、それでも最高速は315km/hという。今後が楽しみな1台。 |
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