ポルシェ911カレラ4/4Sカブリオレ

PORSCHE 911 CARRERA 4/4S CABRIOLET

史上最強のオープン4WDスポーツ

前号でお伝えした911カレラ4/4Sの海外試乗記に続き、早くもそのカブリオレ・バージョンの第一報が届いた。911で4WDでオープントップ。それはある意味、欲しいモノがすべて付いたスポーツカー。その走りもまた、決して我々の期待を裏切らないものだった――。

リポート|佐藤久実|K.Sato フォト|ポルシェジャパン


オープンであることのネガや妥協は一切なし


 ドイツのケルンで開催された911カレラ4/4Sカブリオレの国際試乗会。まず、フロントマスクは911カレラと同じながら、リアビューのボリューム感がすごい。カレラ4/4Sのクーペ同様、RRモデルに対して44mmワイドボディ化されたリアフェンダーの流麗なラインは色気たっぷりで、996はやや尖ったようなラインだったが、997は自然な丸みがあって美しく、マッチョというよりエレガント。しかも、そこには305/30ZR19という超扁平&超ワイドタイヤが組み込まれ、パフォーマンスの高さもアピールしている。ちなみに、フロントタイヤのサイズは235/35ZR19だ。
  さっそく、3.8リッターフラット6搭載のカレラ4Sカブリオレ(ティプトロニックS)を受け取り、トップをオープンにする。このトップはカレラ・カブリオレ同様、約20秒で開閉し、50km/h以下なら走行中でも操作可能となる。
  走り始めて感じたのは、乗り心地のよさと、ビシッとしたボディの感じ。996カブリオレも高いボディ剛性を誇っていたが、きしみやガタピシ音は若干感じられたのは事実。が、997ではそれすらなく、オープンであることのネガや妥協はまったく感じられない。
  見た目には、サイドウインドーもすべて下ろした方がオシャレだが、速度域によっては風の巻き込みが気になってくる。サイドウインドーを上げ、後席にセットしたウインドディフレクターを立てるとオシャレさは若干スポイルされるものの、200km/hオーバーでさえ風を心地よく捉えることができる。もっとも、このスピード域で快適に走るのには風を味方にするのも大事だが、それ以上に4WDの高いスタビリティによるところが大きい。さすがに最高速288km/hには達しないものの250km/hあたりで走るチャンスがあったが、安心感・安定感ともに申し分ないもの。ましてや、日本のスピード域ではクーペとの差異はほとんどない。
  高速を降り、ワインディングに入っても快適なドライブは続いた。ステアリングを切る際の軽い操舵力は乗用車のよう。でも、パシッとした操舵フィールと正確な舵の効きは、明らかにスポーツカーのそれ。そして、コーナーの立ち上がりでアクセルを踏んだ時の路面を蹴飛ばすようなトラクション性能に、オープンとは異次元の爽快さを覚える。ちなみに、4/4Sに関わらず、この爽快感はティプトロニックよりも6MTが勝る。
  また、4Sには標準、4にはオプションでアクティブダンピングシステムのPASMが装備される。高速、ワインディングでそれぞれ試してみたが、スポーツキーを押すとかなり硬めの設定となり、乗り心地もハードになる。これはサーキットのような限界域での走行を前提としているようで、公道においてはノーマルモードで十分だ。
  さて、カブリオレはとかくオープン性能に目が行きがちだが、このクルマで驚くべきはクローズド性能にもあった。何と、最高速がクーペと同じなのだ。通常、ソフトトップは走行時にバルーン現象といってプクッと膨れた形状となるが、トップの構造でそれを防ぎ、さらにリアセクションをクーペより10mm高くすることによりクーペ同等のエアロダイナミクスとしている。試乗日は絶好のオープン日和で、色鮮やかなグリーンが目にも優しく心底ドライブを楽しんだ。が、いつもこんな日ばかりじゃないから、オープンカーはクローズド性能も大事なのだ。
  カレラ4Sカブリオレは本格スポーツ性能、4WDによる高いスタビリティ、オープンの爽快さを合わせ持つ、まったく独自の世界観を持つオープンカーだ。大型スーツケースこそ入らないが、このオールマイティさはある意味、究極の実用車といえるかもしれない。

4WDならではの高いスタビリティを発揮する高性能スポーツカーながら、オープンカーの爽快感をも獲得したカレラ4カブリオレ。加速性能こそクーペを若干下回るものの、空力抵抗を抑えたソフトトップを使用することで、クーペと同様の最高速をマークする。
レザーを多用した高級感溢れるインテリアやコクピット回りは、基本的にクーペ同様のデザインとレイアウト。万が一の横転時に備えて、自動的に上昇する2本のロールオーバーバーに加え、オープントップスポーツカーとしては世界初という側頭部保護用エアバッグを含む6つのエアバッグが標準装備となる。
ホイールはカレラ4に18インチ、カレラ4Sに19インチが標準装備。両モデルともに、より軽量なPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)がオプションで用意される。
エンジンはクーペ同様、カレラ4に3.6リッター、カレラ4Sには3.8リッターのフラット6を搭載。トランスミッションはともに6MT/5速ティプトロニックSが組み合わせられる。
重量わずか42kgという軽量かつ空気抵抗を小さく抑えた折り畳み式ソフトトップは約20秒で開閉。時速50km/h以下であれば走行中の操作も可能だ。さらに重量を33kgに抑えたアルミニウム製ハードトップもオプションで用意される。
Specification
CARRERA 4
CABRIOLET
CARRERA 4S
CABRIOLET
■全長/全幅/全高(mm)
4427/1852/1310
4427/1852/1300
■ホイールベース(mm)
2350
■トレッド(前/後)(mm)
1488/1548
■車両重量(kg)
1535
1600
■エンジン種類
水平対向6 24V
■排気量(cc)
3596
3824
■最高出力(ps(kW)/rpm)
325(239)/6800
355(261)/6600
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
37.7(370)/4250
40.8(400)/4600
■トランスミッション
6MT
5AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:マルチリンク/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:Vディスク
■タイヤ(ホイール)
F:235/40ZR18(8J)
R:295/35ZR18(11J)
F:235/35ZR19(8J)
R:305/30ZR19(11J)
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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