アウディA6アバント

AUDI A6 AVANT

洗練されたデザインと
約束された走りの融合


シングルフレームグリルを手に入れた6世代目のA6アバントが早くも日本に登場。
ここでは、洗練されたデザインを武器にプレミアムワゴンの世界へと乗り込んできたA6アバントの走りの実力を検証する――。


リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|宮門秀行|H.Miyakado


都会的ライフスタイルを演出するためのツール


 フロントマスクを変更してからのアウディは、そこにばかり目が止まりがちになる。たぶん、まだ見慣れないためであり、時間経過とともにフロントマスクに込められた意味が理解できると思う。すでに、その傾向が現れている。
  早くも日本市場に上陸したA6アバントは、フロントマスクの印象を意識しつつリアビューを見ると、力強さの勢いがそこでスッとキレイに収束している感じがする。力強さとディテールに垣間見える、モダンな造り込みのバランスが巧みなためだ。フロントからリアへと印象をつなぐサイドウインドーのグラフィックスも、力強さとその収束の表現に役立っている。
  見た目の印象がいいと、走りに対する期待も増す。まず、2.4リッターのV型6気筒エンジンを積むアバント2.4に乗ってみる。エンジンをスタートすると、静かに、そして滑らかなアイドリングを始める。8気筒を含む新世代のV型エンジンは、6気筒でもバンク角が90度になり回転バランスの面では少しばかり不安があった。ところが、バランスシャフトを採用するためか、振動の類はほとんど気にならない。回転バランスの面ではやや優位なバンク角60度のV型6気筒エンジンにありがちな、アイドリング時のゴロゴロした振動とも無縁でいられる。
  無段変速のマルチトロニックをDレンジにシフトしアクセルを踏むと、事前に知らされていなければ分からないほど自然な加速を示す。いわゆるCVTを用いたトランスミッションは、加速時にエンジン回転数が先走りするような違和感がある。だが、アバント2.4は充実したトルクを発揮する中回転域を維持しながら加速。さらに加速するためにアクセルを深く踏み込むと、車速に合わせてエンジン回転数も上昇する。まるで、一般的なATから変速ショックだけを完全に排除したような、洗練された加速感なのだ。
  また、オプションで設定されるステアリングのパドルでマニュアル操作すると、CVTの制御を7速に刻んで使い分けることができる。そのため、中回転から高回転域にかけての伸びのあるパワー感が確かめられ、6500rpmあたりまで淀みなく吹け上がる。
  だからといって、高回転域を維持しながらコーナーをハイペースで攻めるといったキャラクターは備えていない。ハンドリングは素直さを最優先した設定であり、コーナーを攻めようとするとアンダーステア傾向になる。それが不満というわけではなく、むしろ限界の掴みやすさに通じる。それだけに、コーナーをさり気なく飛ばすといったペースで駆け抜けるときも余計な緊張感に縛られず、リラックスした気分が保てる。
  アバント2.4は、都会的なライフスタイルを楽しむ人のための洗練された走りが保証されたクルマとして位置づけられるのではないだろうか。都会的なライフスタイルに広い荷物スペースは不要に思えるかもしれない。だが、それはライフスタイルのゆとりを表現するためのスペースなのだ。



A6アバントに搭載されるエンジンは3種類。2.4リッターから177ps/6000rpm&23.4kg-m/3000〜5000rpmを発生するV6DOHC24V、3.2リッターから255ps/6500rpm&33.6kg-m/3250rpmを発生するFSI(直噴)のV6DOHC24Vに加え、今回は試乗できなかったが、335ps/6600rpm&42.8kg-m/3500rpmを発生するV8DOHC40Vも用意される。
インテリアのデザインは基本的にセダンと共通。写真は2.4のインテリアだが、本革巻き4本ステアリングにパドルスイッチが付かない程度で、3.2FSI、4.2と大きな違いはない(2.4ではオプション設定される)。
スリーサイズは全長4935×全幅1855×全高1475mm、ホイールベースは2845mm。先代比で全長+130mm、全幅+45mm、全高−10mm、ホイールベースは+80mmとなる。写真は2.4だが、3.2FSI、4.2との外観上の違いはリアエンブレムとホイール程度に留まる。
ラゲッジルーム容量は通常546リッター(VDA)。1:2分割可倒式のリアシートをシングルフォールディングで畳み込めば最大1660リッター(VDA)の容量を得ることが可能。これは先代比で+70リッターの容量アップとなる。また、ラゲッジフロアの左右にはレールシステムが備わり、伸縮式ロッドやフィックスキットなどアタッチメント類も標準で用意。



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