LAND ROVER
RANGE ROVER SPORT



 レンジ同様に上質だが、レンジよりスポーティな印象のインテリアに好感を覚えつつスロットルを踏み込むと、390psと56.1kg-mを生み出すスーパーチャージャーがジャガーと同様の“ミェーン”という唸りを上げ、2.6t近い車重を強引に引っ張り上げていく。ZF6段ATを介しての0〜100km/h加速7.62秒、最高速225km/hという動力性能は、カイエン・ターボに一歩を譲るが、十分に刺激的だ。
  ディスカバリー3で初登場した、インテグレーテッドボディフレームに備わる電子制御エアサスペンションは、レンジローバーよりも硬めにセットされていて、不整路面ではボディに若干速い上下動を許すが、乗り心地は全般にフラットで重厚なものだ。スーパーチャージドモデルは20インチのタイヤを履いていたが、バネ下の重さを意識させることもない。
  しかも、その20インチの40偏平ロードタイヤのまま、さらさらに乾いた土に覆われた丘を平然と上り下りしてしまうのも凄い。
  試乗2日目は4.4リッターV8のNA仕様に乗った。パワーは300ps、トルクは43.3kg-mに下がるが、これも動力性能は十分。低回転から追い越しをかける際の瞬発力に欠けるのが、スーパーチャージドとの最大の違いである。
  NAモデルはタイヤが19インチになり乗り心地もスーパーチャージドより柔らかいが、それでも舗装路のワインディングをいいペースで駆け抜けて、「スポーツ」の名が伊達でないことを示してくれた。
  初日に乗ったスーパーチャージドはステアフィールが曖昧で、高速コーナーではあまり好ましい印象を受けなかったが、それは量産以前のクルマを使った試乗車独特の個体差が原因だったらしい。この日のNAモデルのハンドリングレベルなら、高速コーナーの連続も安心してエンジョイできる。
  しかもこの日、彼らは特設会場で凄いものを見せてくれた。35〜45度という、スキー場の上級ゲレンデ並みの急斜面を持つ高い岩山を、車重2.5tを超えるスーパーチャージドスポーツが、見事に上り下りしてしまったのである。
  たとえオンロードの走りを磨いたモデルでも、オフのポテンシャルを疎かにはしないという、4WDの老舗の意地がそこに見えた。

こうして見ると、やや低く身構えたレンジローバーそのものだが、中身はもちろんボディも完全オリジナル。モデルレンジとしてはディスカバリー3との中間に位置付けられる。

ダッシュボードをはじめ、コクピット回りのデザイン、レイアウトもディスカバリー3のそれがベース。スイッチ類は多いものの巧く整理され、そこに煩雑な印象はない。
ディスカバリー3に対してホイールベースは140mm短縮されているものの、前後席スペースは十分。ウッドとメタル、レザーが織りなすインテリアはきわめて上質な仕上がり。
走行状況に応じてエンジンマネージメント、ギアボックス、エアサス、センターデフなどのセッティングを統合制御するテレイン・レスポンスは、ダイヤルとモニターで操作可能。
スクエアな形状のラゲッジルームはユーティリティ性の高さを窺わせるもの。リアのハッチガラスは利便性の高い独立開閉式だ。なお、スペアタイヤはフロア下に吊されている。
Specification
V8
V8 SUPERCHARGED
■全長/全幅/全高(mm)
4788/1928/1817
■ホイールベース(mm)
2745
■トレッド(前/後)(mm)
1605/1612
■車両重量(kg)
2480
2572
■エンジン種類
V8DOHC32V
V8DOHC32V+SC
■排気量(cc)
4394
4197
■最高出力(ps(kW)/rpm)
300(220)/5500
390(287)/5750
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
43.3(425)/4000
56.1(550)/350
■トランスミッション
6AT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/エアスプリング:
Wウイッシュボーン/エアスプリング
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
255/55R19(8.5J)
275/40R20(8.5J)
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
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