フェラーリF430

FERRARI F430

これぞ史上最良のフェラーリ

クルマ好きにとって、フェラーリのモデルチェンジはまさに「事件」ともいえる出来事だ。さらにその魂とも呼ぶべきエンジンが一新されたとあらばこれはもう、ひとつの歴史的ターニングポイント。ようやくステアリングを握ることが叶ったF430、デザインの大胆なモディファイは、やはり伊達ではなかった!

リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|郡 大二郎|D.Kori
撮影協力:箱根ターンパイク



V8ユニットを四半世紀ぶりに一新


 フェラーリの主力モデルともなれば、マイナーチェンジといえども進化内容は充実している。特に、今回は328からF355のとき以上だ。先代360モデナからF430への移行は、エントリーモデルとはいえ2000万円を超える商品らしく価格アップにしっかり見合う魅力がプラスされており、まさに量産型フェラーリとして過去最良、といえるほど気持ち良いクルマに仕上がっていた。
  日本仕様のF430の基本的な内容は、本国仕様とほとんど変わらない。概要を整理しておくと、スリーサイズは全長が4515mm、全幅が1925mm、全高が1215mmで、ホイールベースは2600mm、トレッドは前1670mm/後1615mm。発表されている車両重量は、MTもF1もともに1510kgである。
  多少の計測違いはあるにせよ、後輪荷重870kgは、348時代のそれが1t以上あったことに比べれば、いずれにしろ相当な軽量化が達成されている。もちろん、F430のスペースフレームや外皮は、360モデナ同様となるアルミ軽合金製だ。
  外観デザインの相違だが、ボンネット、ルーフ、ドア以外は新しくなり、特に後部はエンツォにも似た雰囲気を醸す。ランプユニットは、パーツそのものを共用しているようだ。ノーズの3分割されたラジエターへの通風口は、あのミドシップF1になって初めてのチャンピオンマシン、ティーポ156F1のシャークノーズ風だし、サイドのエンジンへの吸気口およびその盛り上がりは250LM風でもある。過去のデザイン遺産を巧く取り込んでいるところは、古くからのフェラーリ・ファンへのサービスなのだろう。
  最大の変更点はエンジンだ。これまでのフェラーリV8は、元を辿れば四半世紀ほど前に登場した308用の3リッターV8で、F355時代に5バルブ化されるなどアップデートされてきたが、360モデナで使命を全うし、今回すべてが刷新された。実は今度のF136E型エンジン、このF430に搭載される前にマセラティに積まれ、M138P型として先行実験(?)されている。といっても、4バルブヘッドやシリンダーブロックを生産の都合上共用化しているだけで、フェラーリ伝統の180度クランクをはじめ、そのチューニングはまったく異なる。
  ボア×ストロークは92×81mmで、総排気量4307ccより486ps/8500rpmと47.4kg-m /5250rpmを発生。ちなみに、これはあのツインターボのF40を凌駕する値で、発表されている動力性能は、最高速度が315km/h、0→100km/hが4.0秒という凄まじさである。
  タイヤサイズは前後とも1セクション太くなり、前225/35ZR19、後285/35ZR19となった。後輪のワイド化は、純粋に486ps対策と思われる。
  オプション装備としては、カーボンセラミックのブレーキシステムが166万円。試乗車のようにブレーキキャリパーを黄色く塗るのは無料で、ほかに赤やグレイアルミニウムなども選べる。デイトナスタイルのシートは29万2000円、パワーシートやスクーデリア・フェラーリ・エンブレムは本国ではオプションだが、日本仕様では標準装備となる。
新たに5バルブから4バルブとなった新型V8エンジンは、実に486psを発揮するに至る。ただし、ならではの澄んだエキゾーストノートは、ややスポイルされた気もするが……。
プロジェクタータイプのヘッドランプはハイ/ロー共用の単灯式。インナーケースはボディカラー同色ではなく、グレーとなる。
ホイールは19インチの5本ダブルスポーク。カーボンブレーキはオプションだが、そのタッチや効きは絶品中の絶品。
オーバル状のフロントエアインテークは、往年の156 F1がモチーフになっている。さらに張り出したリアフェンダーのそれとともに、F430を強烈に印象づける。



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