ルノー・メガーヌ1.6(MT)
RENAULT MEGANE 1.6(MT)

フレンチ・ベーシックが
もたらすシアワセ


5ドアの上陸以降、ステーションワゴンやグラスルーフ・カブリオレ、さらにはホットなRSという具合に着々と日本仕様のバリエーションを拡大してきたメガーヌに、またひとつ魅力的なモデルが追加された。2リッターの6MT版に続き、ベーシックな1.6でも5MTが選べるようになったのである。

リポート|小野泰治|T.Ono(本誌) フォト|宮門秀行|H.Miyakado


軽快感ではAT仕様を確実に上回る


 いまのご時世で、なんともマニアックな車種追加だとは思う。スポーツカーですらATがハバを効かせる日本向けに、ベーシックな5ドアハッチのマニュアル仕様を設定したのだから。
  だが、少なくともフランス車好きなら、インポーターの決断に拍手を送るだろう。ルノーを含めたラテン車、特にCセグメントあたりまでに属するモデルは、ベーシックなグレードになるほど本来の持ち味が色濃く表れる、というのがこの類を好むコアな人たちの間では定説になっている。それのマニュアル仕様とくれば、まさに言うことナシということだ。
  いや、本国には1.4リッターもあるから、厳密に言うとこれでもずいぶん贅沢なグレードではあるのだ(標準で装備されるアメニティも含めて)。しかし、MT仕様で乗るメガーヌ1.6は、フツーのラテン車の魅力が確かにAT仕様より明確になっている。
  現実的な話として、メガーヌの1.6はトルクフルなエンジンと相まってATでも十分走る。巷で何かと批判の多い4速AT(AL4)も、いったんクセを掴んでしまえばフォローは難しくないし、そもそも劣悪な日本の道路事情で日常的に「クラッチを踏む」という作業を追加するのも余計な手間だろう。だがMTを積極的に操ることでドライブフィールが一層ダイレクトに感じられ、なおかつコンパクトなラテン車らしい軽快感がAT版より増していることを体験すると、「やっぱコレだよね」としたり顔で吹聴したくなるのも事実。試乗車はオプションの16インチタイヤを装着していたが、これが標準となる15インチだったら、メガーヌらしいしなやかな乗り心地と軽快感に関しては、さらに鮮明に感じられただろう。
  もちろん、愛車を共用する家族がAT限定、という人には一も二もなくNGなクルマである。でもそんな制約がなくて、たとえば「一度ラテン車の魅力を体験してみようか」という向きには自信を持ってオススメできる1台だ。
絶対的なパフォーマンスは極端に変わらないはずだが、MTを操ることでメガーヌならではの軽快感は一層鮮明になった。5速MTのギア比は、(1)3.727 (2)2.047 (3)1.392 (4)1.096 (5)0.891 (R)3.545。ファイナルは4.066となる。
シフト回りを除き、インテリアに変更はない。居心地の良さは相変わらず。シフトレバーは、6MTのようにリバース用リングがノブ下に来るタイプではなく、後退時はレバー自体を押す作り。
トルクフルなことで定評のあるルノー製エンジンだが、この1.6リッターもその例に漏れず。当然、AT仕様でも絶対的なパフォーマンスに不満はないが……。
写真の205/55R16サイズのタイヤ&アルミホイールはオプション。標準は、65プロファイルの15インチタイヤ+カバー付きのスチールホイール。
Specification
RENAULT MEGANE 1.6(MT)
■全長/全幅/全高(mm)
4215/1775/1460
■ホイールベース(mm)
2625
■トレッド(前/後)(mm)
1520/1525
■車両重量(kg)
1270
■エンジン型式/種類
K4M/直4DOHC 16V
■排気量(cc)
1598
■最高出力(ps(kW)/rpm)
113(83)/6000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
15.5(152)/4200
■トランスミッション
5MT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ディスク
■タイヤ(ホイール)
195/65R15(6.5J)
■東京標準現金価格
¥2,205,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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