アルファ・ロメオ・アルファ147
ALFA ROMEO ALFA147

ハンドリングを一変させた
「コンフォートサス」のテイストは?


いまから5年前、2000年にデビューするやいなや、ヨーロッパを中心に世界的ヒットモデルとなったアルファ147。
そして今回、フェイスリフトを中心とするマイナーチェンジを実施。
話題はブレラにも通じる最新のアルファ・フェイスを纏ったことだが、やはり中身の熟成もしっかり進んでいるようで……。


リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|宮門秀行|H.Miyakado


路面の凹凸やうねりをすべて包み込むライド感


 新しいアルファ147、最初に写真を見た時の印象は率直に言って「ホントにこんな風になっちゃうの?」というネガなものだった。アングリーアイと呼ぶらしいツリ目のヘッドライトに「何で怒らなきゃいけないんだ?」と思ったというのもちょっとあるが、それより引っ掛かったのは、好きずきであろうディテールの変化よりも、フロントオーバーハングが一気に50mmほども伸びたことの方。おそらく先にあったのは、デザイン変更より衝突安全対策だと思うのだが、それにしても単に全長を伸ばすのではない、もっとスマートな手段はなかったのだろうかと、その均整を崩してしまったプロポーションを見て、溜息をついてしまったというわけである。
  と、のっけから熱狂的信者を敵に回すようなことを述べてしまったが、それぐらい従来の147のことを筆者は気に入っていたのだ。新型はきっと、賛否が分かれるに違いない。けれど、それも話題を提供するという意味では悪いことではないだろう。何しろ今回のモデルチェンジ、一番の注目点はまさにこのデザインで、中身はほとんど変わっていないのだから。
  今回乗ったのは、販売の主力となるだろう2.0ツインスパーク・セレスピード。ラインナップは他に1.6ツインスパークと、左ハンドルとなる2.0ツインスパークの5速MTを揃える。ボディはすべて5ドア。これも目玉のイージースピード仕様は、もう少し待つことになるようだ。
  走りの面でのトピックと言えば、2リッターモデルに採用されたコンフォートサスペンションだろう。その効果は、走り出して50mも進まないうちに、誰もが十分に感じることができるはず。路面の凹凸やうねりをすべて包み込むように吸収する、とてもしなやかな乗り味を実現しているからである。今回はせいぜい70〜80km/h程度の速度域までしか試せていないが、その範囲では柔らかい中にもダンピング不足を感じさせない巧みなセッティングがなされているから、クルージング時にはネガを感じることなく、高まった快適性を存分に堪能できる。
  一方で、これまで147を特徴づけていた、指1本分の操舵にも即座に反応するステアリングのダイレクトさが若干スポイルされてしまったのも事実。先代だって決して乗り心地が悪いわけではなかったから、147を買おうという人が、どちらのあり方を好むのか興味深いところである。
  グレード名の通りツインスパークが踏襲されたエンジンとセレスピードに特に変更はないが、やはり熟成ぶりは感じられる。シフトアップ時の違和感は、1→2速以外、ほとんど気にならなくなったし、低中速域のアクセルのツキも心なしか良くなっているようで、心地良い息吹きを存分に楽しめる。156やGTのJTSユニットのフィーリングも随分良くなっているが、老兵ツインスパークもまだまだ意気盛んという感じだ。
  ちょっと厳しいことばかり書いてしまったかもしれないが、ついでなのでもうひとつ。試乗車はリモコンドアロックが効きにくかったり、満タンなのに燃料計の針がゼロを指し、かと思うとピッと戻ったり……と、細かなトラブルが散見された。実は最近、アルファ・ロメオのほかのモデルでもそういった事例に遭遇していて、最近ちょっと信頼性の面で「?」な気がしてならないのだ。
  たまたま僕が出会っただけかもしれないが、もうそんな心配はなくなったと思っていたので、正直ちょっとガッカリしている。フィアットの業績不調の影響だろうか? いずれにせよ、せっかくのアルファ人気を根付かせていくためにも、いま一度気合いを入れ直してほしいと切に思う。
エンジンはJTSではなく、「マーケティング的戦略から」ツインスパークユニットが継承されている。スペックにも変更点はなく、150ps/6300rpm、18.4kg-m/3800rpm。
セレスピードにも基本的に変更点はないが、変速マナーがさらに洗練され快適性が向上していた。変速は従来通り、シフトノブとステアリングのパドルスイッチで行なう。
リアコンビネーションランプは横長になり、ワイド感を強調。またトランクリッド下には新たにメッキのモールディングが施され、同時に高級感も狙っているようだ。
シート表皮も変更されており、新型では「アルファテックス」と呼ばれるヌバック調人工皮革を採用。そのなめらかな肌触りはなかなかのもの。レザーシートはオプション設定。
タイヤサイズは205/55R16で変更ないが、ホイールのデザインは5ホールからマルチスポークに。試乗車のタイヤは、ブリヂストン・トランザER300。
BOSEサウンドシステムがオプションになったことで、トランクからCDチェンジャーとウーハーが消滅。トランクルーム容量は通常時で292リッターと、MC前より12リッター拡大した。
インパネはよく見るとシボが新しくなっており、メーターも3眼式からシルバーのリングをあしらうパネル式に変わっている。高級感とスポーティさを、上手に織り交ぜたデザインといえよう。内装色はベージュも選択することが可能。

コンフォートサスにより、さらに高いフラット感を獲得。乗り心地とスポーティなハンドリングを高次元でバランスさせている。ダイレクト感ではMC前に軍配が上がるが……!?
Specification
ALFA147 2.0 TS SELESPEED
■全長/全幅/全高(mm)
4225/1730/1450
■ホイールベース(mm)
2545
■トレッド(前/後)(mm)
1510/1495
■車両重量(kg)
1330
■エンジン型式/種類
32310/直4DOHC16V
■排気量(cc)
1969
■最高出力(ps(kW)/rpm)
150(110)/6300
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
18.4(181)/3800
■トランスミッション
5速MT(シーケンシャル)
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:ストラット/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
205/55R16(6.5J)
■東京標準現金価格
¥3,139,500
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※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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