メルセデス・ベンツG55AMG
MERCEDES-BENZ G55AMG

スーパーチャージャーをゲット。

そのタフさゆえ、根強いファンを持つメルセデス・ベンツGクラス。
発表から25年以上が経ち、そろそろ次期モデルの噂も聞こえてきたが、その極みといえるG55AMGのコンプレッサー仕様に試乗した。


リポート|斎藤 聡|S.Saito フォト|郡 大二郎|D.Kori


2.5トンのボディがまるで砲弾のごとく……

 メルセデス・ベンツGクラス、「ゲレンデヴァーゲン」としても知られるこのクルマは、最近では珍しくなった正統派クロカン4WDだ。サスペンションを目一杯ストロークさせて走る姿は、コーナーよりモーグルの方が遥かに似合う。
  そんなGクラスに、今回AMGはさらに手を加えた。以前から5.5リッターV8エンジンを搭載する同名モデルは存在したが、これをついに476psを発揮するスーパーチャージャー付きユニットに換装してしまったのだ。ロングボディのみの設定となるのは良識の最後の欠片といえなくもないが、ハッキリ言って尋常ではない。
  クルマを受け取ったのは、とある高級ホテルのエントランスだったが、アイドリングさせていると、行き交う人々がその低くくぐもった、威圧的な音源を探してあたりをキョロキョロする。そしてその発信源がG55AMGであることを知ると一瞬目を見張り、すぐさま目をそらして歩み去っていく。
  交差点で横に並んだドライバーの反応も同様だ。しかも、信号が青になったところで無造作にアクセルを踏み込むと、車重2.5トンのボディがカタパルトから射出された砲弾のごとく、とんでもない勢いで加速していく。残されたドライバーはアクセルを踏むのさえ忘れ、そこに取り残される……。
  そもそも、ごく普通に走り出そうとしても、2650rpmですでに最大トルクの71.4kg-m(!)を発生するから、足先にちょっと力を入れ過ぎただけでもグワッと飛び出そうとするのだ。
  ただし、そんな強烈な加速性能によって軽々と到達した車速のまま、その先に見える緩い右コーナーに飛び込んでいくのは暴挙である。285/55R18サイズのAVS S/Tタイプ1はオンロード向けの4×4タイヤであり、そのグリップ性能はスポーティタイヤに匹敵するが、そんなことはあまり関係ない。さほど締め上げられていないサスペンションが一気にロールし、刺激(恐怖?)と冷や汗をたっぷりもたらしてくれる。
  バランスのいいクルマが最良のクルマであるとは限らないし、むしろ楽しさ、面白さはアンバランスさにこそあるという考え方もある。その意味ではこのクルマ、最高にスパイスが効いている。
インパネ回りも見慣れた光景が広がるが、試乗車は「AMGカスタムオーダープラン」によってカスタマイズされた車両。ウッドパネルはナチュラルメイプル。とは比べものにならないほど。
レザーシートは当然ながら標準装備で、試乗車のシートカラーはタン。クロカン4WDだけにヒップポイントは高く、乗り降りの際はそれなりにコツを要する。
AMG車に幅広く搭載される5.5リッターV8スーパーチャージャーは、E/CLSクラスと同スペックの476ps/71.4kg-m仕様。エキゾーストノートはド迫力。
サスペンションやブレーキは強化されるもののエクステリアに大きな変更点はなく、最も分かりやすい識別点はサイドの「V8 KOMPRESSOR」エンブレムとなる。
Specification
G55 AMG
■全長/全幅/全高(mm)
4530/1860/1950
■ホイールベース(mm)
2850
■トレッド(前/後)(mm)
1500/1500
■車両重量(kg)
2460
■エンジン型式/種類
113M55/V8SOHC24V+S/C
■排気量(cc)
5438
■最高出力(ps(kW)/rpm)
476(350)/6100
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
71.4(700)/2650-4000
■トランスミッション
5速AT
■サスペンション(F:R)
リジッド/コイル:リジッド/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
285/55R18(9.5J)
■東京標準現金価格
¥16,065,000
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※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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