ビー・エム・ダブリュー630i
BMW 630i

バルブトロニック、見参。

6シリーズに3リッター直6エンジン搭載モデルが追加された。
――とまぁ、これだけならさほどニュースでもないのだがバルブトロニック搭載の新ストレート6とあらば……!

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara フォト|望月浩彦|H.Mochizuki


量産エンジンとしては3リッター史上最強の258ps


 ボンネットを開ける。シリンダーヘッドを覆うカバーは、渋めの金色でペイントされている。それは樹脂製だが、その下に見えるヘッドカバーはまさにマグネシウム製であり、アルミニウムよりもやや黄味がかかっている。
  シリンダーブロックは見えにくい。外側は、マグネシウム製だ。多くの誌面で、このエンジンがアルミニウム/マグネシウム合金と解説されている。確かに、外側も純マグネシウムではない。実際には、アルミニウムなどを含むほかの素材との合金だ。ただ、シリンダーブロックの内側はアルミニウム製となる。つまり、BMWが威信をかけて新開発したN(ニュージェネレーションの意味)52型直列6気筒エンジンのシリンダーブロックは、アルミニウム/マグネシウム“合金”ではなく“複合”素材を用いる。もちろん世界初の生産技術であり、このクラスの6気筒エンジンとしては最軽量だ。
  また、スロットルレス化を実現するBMW独自のバルブトロニックを組み合わせ、最高出力は3リッターの量産エンジンとしては世界最強の258psを発揮。しかも、最高回転数は7000rpmに達する高回転高出力エンジンだ。
  そして、このエンジンを最初に搭載したのが今回登場する630i。アイドリングは驚くほどスムーズ。このスムーズさを実感しただけでも、エレガンスを特徴とする6シリーズのエンジンとしてふさわしく思える。もちろん、スムーズさだけが取り得ではない。アクセルを踏めば、BMWならではのビート感が伝わってくる。
  それが刺激となり、アクセルをさらに踏みたくなる。そして、誘われるままに右足を床まで入れると、4500rpmあたりから吹け上がりに弾みがつく。タコメーターの中で針はゼブラゾーンを切り裂き、レブリミットの7000rpmまで一気に達する。
  エンジンの軽量化はハンドリングにも好影響を及ぼし、応答性の鋭さが実感できる。それだけに、630iは6シリーズならではのエレガンスだけではなく、積極的に走る場面ではスポーティさも際立たせているのだ。
ハイパワーなだけでなく、アルミニウム/マグネシウム複合素材を用いるなどして徹底した軽量化が図られている。なお、正式車名は「630Ci」ではなく「630i」。
インパネの眺めは645Ciとさほど変わらない。iDrive/DVDナビは標準装備。トリムパネルはダークバーチウッドで、アルミもオプションで用意される。
標準仕様はレザーとファブリックのコンビとなり、フルレザーシートはオプション。ボディが大きいこともあり、リアシートもそれなりに使える広さを確保。
ガラス面積の大きなサンルーフはオプション。スライド式ではなく、ポップアップのみとなるが開放感は抜群だ。車外からリモコンキーで開閉することも可能。
クーペらしいエレガントなリアビューは6シリーズのハイライト。645Ciとはホイールのデザインが異なるほか、タイヤも前後同サイズとなる。
Specification
BMW 630i
■全長/全幅/全高(mm)
4830/1855/1375
■ホイールベース(mm)
2780
■トレッド(前/後)(mm)
1560/1590
■車両重量(kg)
1610
■エンジン形式/種類
N52B30A/直6DOHC24V
■排気量(cc)
2996
■最高出力(ps(kW)/rpm)
258(190)/6600
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
30.6(300)/2500-4000
■トランスミッション
6速AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:インテグラルアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
245/45R18(8J)
■東京標準現金価格
¥8,520,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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