The Truth of E90.

ビー・エム・ダブリュー ニュー3シリーズ
BMW New 3 Series

新世代3シリーズの進化と真価を検証する。

初代のデビューから約30年にも渡り、スポーツセダンのベンチマークとしてクラスをリードし続けてきたBMW3シリーズが、いよいよ第5世代へとバトンタッチする時がやって来た。果たして今度の3シリーズは、我々をどんな世界へと導いてくれるのか。バレンシアで開催された国際試乗会からの第一報をお届けしよう。

リポート|吉田 聡|S.Yoshida(本誌)
フォト|郡 大二郎|D.Kori|BMWジャパン



すべて計算ずくのプロポーション


 約束された成功。
 冒頭からこういってはなんだが、新しい3シリーズを走らせてみての印象は、結局のところこのフレーズに集約される。初代からの累計販売台数は300万台を超え、全BMW車の2台に1台に相当する、まさに看板モデルのフルチェンジという大仕事を、ミュンヘンのエンジニアやデザイナーたちは見事に完遂してみせた。スポーツセダンとしての正常進化ぶりは、事前に配信された写真とスペックを見た時点で大方の予想はついていた。しかし、初期ロットの段階からここまで高い完成度が備わっているとは、まさに嬉しい誤算。やるじゃないか、ビー・エム・ダブリュー。思わずそう叫んでしまいたくなるほど、コードネームE90、5代目3シリーズは期待を裏切らぬ鮮烈なデビューを遂げた。

従来モデルに対しボディサイズはひと回り大型化。ただし、全高の拡大は+6mmに留められているため、結果としてそのプロポーションはロー&ワイド感が強められることに。
  初めてその姿を目の当たりにしたのは、テストドライブ前夜に行なわれたプレスコンファレンスの会場にて。ステージ上でスポットライトを浴びたそのスタイリングは、写真で見るよりも遥かにダイナミック。それでいてフロントの極端なショートオーバーハングやCピラー基部の“ホフマイスターキック”など、従来からのアイコンは継承され、誰の目にも3シリーズであることを伝えてくる。
  また、スリーサイズは全長が4520mm、全幅が1817mm、全高が1421mmと、従来モデルに対し49mm長く、78mm広く、6mm高くなり、ホイールベースも35mm延びた2760mmとなっているにも関わらず、数字ほど大きさを感じさせないのは、それだけ凝縮感の濃いデザインだからでもある。5シリーズをはじめ、近年のチャレンジングなBMWデザインからすれば比較的コンサバティブな造形が与えられてはいるが、シャープな面と線が織りなす緊張感溢れるスタイリングは、従来モデルとは明らかに一線を画するもの。特に、ボディサイドを走る3本のキャラクターラインには、これまで以上に明確な折り目が与えられ、視覚的な引き締め効果を発揮。結果として、ルックス上のスポーティ度を大幅に引き上げている。
  こうした印象は翌日、バレンシアに降り注ぐ目映い陽光の下でも変わりなかった。BMWの伝統である前後イーブンのウエイトバランスに加え、このロングホイールベース&ワイドトレッドの均整の取れたプロポーションは、いかにも身体能力の高さを予感させる。ならば早速、キースロットの上にあるスタータースイッチを押して、新しい3シリーズに息を吹き込む。
  テスト車の330iが搭載するエンジンは、BMW最新の直列6気筒で総排気量は2996cc。世界初の量産マグネシウム合金製クランクケースを持つこのストレートシックスは、軽量コンパクトなだけでなく、スロットルバタフライを省いてバルブタイミングとリフト量を無段階制御するバルブトロニックや、吸排気カムシャフトを無段階に可変するダブルVANOS、燃費低減に大きく寄与する電動ウォーターポンプといった数々のハイテクが投入、3リッタークラスの量産エンジンでは世界トップレベルとなる最高出力258ps、最大トルク30.6kg-mを発生する。
  なお、今回の試乗会には用意されなかったが、新しい3シリーズにはこの他、2.5リッター6気筒(218ps/26.0kg-m)と2リッター4気筒(150ps/20.0kg-m)のガソリン、さらに2リッター4気筒ディーゼル(163ps/35.0kg-m)がラインナップ。トランスミッションは全車に6速MTが標準設定で、ステップトロニック付きの6速ATと6速SMG(シーケンシャル式MT)がエンジンに応じてオプションでチョイスできる。ちなみに、今春にも導入が予定される日本仕様は、ガソリン3基すべてに6速ATというコンビネーションになる他、4気筒モデルの320iには6速MTも用意される見込みだ。



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