アウディA6アバント
AUDI A6 AVANT

プレミアム性をカタチで表現する
世界屈指のスタイリッシュ・ワゴン


「美しいステーションワゴンとは、アバントである」。もはや自信満々を通り越して、傲慢さすら感じさせるセリフたが、実車を目の前にすれば説得力は十二分であることが理解できる。シングルフレームグリルを纏う最新のアバントは、伝統のエレガンスに磨きをかけつつ新たなテイストまで身につけていたのだから……。

リポート|小野泰治|T.Ono(本誌) フォト|アウディ・ジャパン


エレガントな佇まいが引き立つ大きなボディ


 この際だから、言い切ってしまおう。新型A6アバントにおける、最大の武器はそのスタイリングであると。もちろん、技術力をウリにするアウディの最新作ワゴンだから、機能の充実ぶりは過剰なほど。しかし、そうした面ではいまや「どうしてもA6アバントでなければならない理由」など見あたらないのも事実だ。
  たとえば、ワゴンにおける「機能」の代表格、ユーティリティをチェックすると、なるほど使い勝手は着実に進化している。まずリアシートを立てた状態で565リッター、畳んで1660リッターというラゲッジスペースは先代比でそれぞれ110リッターと70リッターの拡大となる。実際に寸法を測っても、荷室が大きくなっているのは明らか。フロアを基準とした荷室長はシートを立てた状態で15mm(1135mm)、倒して30mm(1750mm)のプラス。幅も最大値こそほぼ同じだが(1200mm)、一番狭い部分では50mm(1040mm)拡げられている(数値比較は、いずれも実測)。
  もちろん、ただ広くなっただけではなく細部に渡る芸も細かい。まずフロア両サイドには、さまざまなアタッチメントが装着できるガイドレールを装備し、前後方向のポジションを調節できるフックや荷室を対角上、あるいは水平に区切れるテレスコピック式セパレーションバー、荷物を確実にホールドできるベルト式の固定ストラップなどを用途に応じて活用可能。加えて、望めば2通りの使い方ができるストレージボックスもセットできる。また、開閉位置を任意に選べる電動開閉のリアゲートもオプションで選べるし、細かいところではリバーシブル構造のラゲッジマット(表面がベロアで裏がゴム引き)なども揃えられる。
  しかしこうした装備、別にA6アバントが先駆ではない。むしろ、リアゲートの開閉に合わせ自動で上下するトノカバーとかフロアボードが手前にスライドする機構など、他車にあってこのクルマにないものを探す方が簡単だったりする。ラゲッジの拡大についても、冷静に考えれば当然の話。何しろボディは、先代よりひと回り大きくなっているのだ。全長4933mm×全幅1855mm×全高1463mmというスリーサイズ、2843mmというホイールベースは、先代比で順に73mm、5mm、33mm、83mmの拡大になる。また、最大1660リッターという容量も、ライバルに対して格別に大きいワケでもない。
  でも、実車を目の当たりにすると、そんなことは些末なことにしか思えないほど鮮烈なのが「冴えた」エクステリア。こう書くと、「デザインは好みの問題でしょ」という突っ込みが入りそうだが、この新型、スタイリングの完成度は歴代アバントの中でも1、2を争うデキだと思う。アウディ首脳は「美しいステーションワゴンとは、アバントである」と豪語するが、そんなセリフにも説得力がある。セダンでは「ちょっと長すぎかな」、と思えた全長もなだらかな弧を描きつつDピラーに延びるルーフとの組み合わせではエレガントさを引き立てる要素に。それでいて、決して大人しくまとまっているわけではなく、新世代アウディに共通したテーマでもあるスポーツテイストもしっかり表現できている点が素晴らしい。お膝元、ドイツにおけるA6のセールスは半数以上がアバントだというが、この新型ではそうした傾向がさらに加速するのでは、と思われた。

日本仕様のエンジンは、この3種。上左が4.2リッターV8、上右3.2リッターFSIのV6、そして2.4リッターのV6。現地では、他に3.2リッターと2.7リッターのV6TDI、2リッター直4TDIも用意。V6TDIは、コモンレールシステムにピエゾインジェクターを採用する。
FF版は限界域における姿勢変化が少々大きめだが、基本的にハンドリングは素直。ワゴンボディでも静粛性や乗り心地といった快適性は、セダンと変わらない水準をキープ。
インパネ回りは、当然ながらセダンと共通。アルミ製のトリムやメーターリングなどはグレードを問わず標準。ヨーロッパ仕様でもオートエアコンなどは標準で装備されるが、MMIについては仕様に応じて3タイプから選べるようになっている。
前後シートの仕立ても、セダンと変わらず。当然、リアシートのヒップポイントは比較的低め。写真は4.2クワトロで、表皮がヴォルテラレザー張りとなりすべての調整機能が電動となっている。



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