VOLVO ボルボXC90 V8
XC90 V8

V8ユニット搭載の最強モデル登場!

ボルボとしては史上初となるV8エンジンが、人気急上昇中のSUV、XC90に搭載された。
プレミアムブランドを表明するからには、マルチシリンダーの選択は必然だったともいえるが、果たしてその実力のほどはいかに?試乗の舞台は、主力マーケットのアメリカ・フェニックスだ。

リポート|笹目二朗|J.Sasame フォト|ボルボカーズジャパン



スムーズさが際立つヤマハ製V8

 V型8気筒エンジンは、それ自体が独特の魅力を持つ。商品性を高める意味合いにおいても、高級車には必須アイテムといえる。しかし、これまでのボルボは、安全性や走行性をはじめ、高品質で高性能、高価格車であることは自他ともに認めるところながら、エンジンのラインナップには直列6気筒までしかなかった。もちろん、5気筒ターボでもパワー/トルクに不足はなく、十分に速いのは事実。それでもやはり、V8の魅力は格別だ。そして今回、ボルボの高級SUV、XC90に待望のV8エンジンが搭載された。
  このV8は日本のヤマハ製で、静岡の磐田工場で作られる。設計自体はもちろんボルボの個性を象徴するもので、これまでにない軽量、コンパクトさを特徴とする。Vバンク角は90度ではなく60度で、このレイアウトは世界に類を見ないもの。クランクはオフセットされて等間隔爆発となり、倍速で逆転するバランスシャフトも備える。排気量は4.4リッターで、315ps/5850rpmと44.8kg-m/3900rpmを発生。ブロックまでアルミのエンジン単体重量は、直6よりも15kg軽い190kgに抑えられる。また、ギアボックスはアイシン製の6ATで、ギアレシオは特別なオフロードレシオではなく、どちらかといえば上の3段がクロス気味の高速レシオを採る。
  試乗会の拠点はアリゾナのフェニックス。郊外に出れば赤茶けた岩山にサボテンの緑が映える西部劇の世界だ。XC90V8を試すには絶好の舞台である。
  このV8は、ハイウェイではプルルーンと、のどかな快音を軽く響かせながらクルーズする。アメリカンV8のように低回転域でドロドロ回る感覚ではなく、大排気量マルチシリンダー特有の細やかなハミングが加速時に時折響く。一定速度ではほとんど無音で、その存在さえ無視できる。つまり、4.4リッターの大排気量感覚はあまり感じられない。6気筒ターボによるトルク感も滑らかで無尽蔵だったから、むしろ8気筒NAは繊細ゆえに線が細く感じられるのかもしれない。しかし、発進時のダッシュはさすがに強力で、ボディの重さを一切意識させない。軽くスロットルを維持すると、ATの働きも効率の良さを見せつけ、順次上のギアへと繋いでいくので、余計にエンジンの存在は希薄となる。
  また、長い登り坂などでも、知らず知らずのうちに負荷を高めて下位のギアポジションを選択していくから、極端な速度低下は見られない。通常、ターボエンジンの場合は、負荷が大きくなると自動的に過給圧が増してパワーを補ってくれる性質があるから、ギアシフトしなくてもなんとなくパワーがカバーしてしまう感覚がある。これに対して、このV8エンジンは、すっきりした歯切れのよさを持ち、適切なギアを瞬時にセレクトしながら軽快に回る感覚だ。
  パワートレーン以外の部分でいうと、ハルデックス型4WDシステムはさらにレスポンスを向上。これは、前後に回転差が生じた場合、電動油圧式に適切なトルクを振り分ける4WDシステムだが、これまではFF状態でも8.2kg-mのトルクが温存されていて、発進時に7分の1回転だけ空転を許していたが、今回それがさらに低減されている。しかし、フルタイム4WDならばそれもゼロだ。次なる改良としてフルタイム化を望んでおきたい。
 
  インパネ回りは従来モデルから特に変更はなく、機能性に富んだレイアウトと、すっきり落ち着いたスカンジナビアンテイストのデザインが絶妙のバランスを見せる。
  エンジンはヤマハ製となる4.4リッターV8。Vバンク角は世界に類を見ない60度のレイアウトを採用する。アイシン製の6ATを介して最高出力315ps/5850rpm、最大トルク44.8kg-m/3900を発揮する。
  エクステリアでも他モデルとの差別化は特に図られておらず、識別ポイントはフロントとリアにV8のエンブレムが付く程度となる。
  横転事故発生を未然に防ぐ、世界初のRSCをはじめとするボルボならではの先進性に加え、さらなるV8パワーが付加されたXC90 V8。日本へは年内導入の見込みだという。
VOLVO XC70 2005Model
 
クロスオーバーのXC70で
バハ・カルフォルニアを
駆け抜ける
 XC70も2005年モデルを機に小変更を受けた。とはいえ、S60/V70の場合と同様にヘッドランプ、グリルなど外観の変更は見比べなければ分からない程度で、さらにスキッドプレートはアルミから樹脂に、サイドミラーはやや大型化されている。内装ではウッドパネルの使用箇所が少し増えた程度だ。XC90が登場しても売れ行きは好調だから、あえて変える必要もなしといったところだろう。
  今回、XC70にはバハ1000マイルレースでお馴染みの、メキシコの半島を走るメニューが用意されていた。砂と岩でできているようなルートでは、地上高215mmが効いてノーマルでも腹を打つことなしに走行可能。ストロークの大きなサスペンションは、スロットルとブレーキの連携で大波を乗り切れ、4WDはパウダーサンドも石山も川渡りをもものともせず、エアコンの効いた室内で快適なクルーズを楽しめた。XC70は一見してステーションワゴンであり、ハードな走りは苦手そうに見えるが、その実力はなかなかどうして大したものだった。

  2005年モデルへの変更は、スキッドプレートがアルミから樹脂へ変更、サイドミラーの大型化、内装ではウッドパネルが若干増えた程度。走りのポテンシャルは相変わらず高く、ハードな走りにも十分対応する実力を持つ。
VOLVO
XC90 V8
■全長/全幅/全高(mm)
4800/1900/1780
■ホイールベース(mm)
2855
■トレッド(前/後)(mm)
1635/1625
■車両重量(kg)
2250
■エンジン形式/種類
-/V8DOHC32V
■排気量(cc)
4414
■最高出力(ps(kW)/rpm)
315(232)/5850
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
44.8(440)/3900
■トランスミッション
6AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
マルチリンク/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
235/60R18(7J)
■東京標準現金価格
¥-
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