ワゴン本来の良さを持つアッパークラスワゴン

'05年初春の今、この日本でインポートワゴンを選ぶなら、断然オススメなのがアッパークラスのモデルである。その魅力の最たるものは、当たり前過ぎる話ではあるが、やはり驚異的なまでの実用性の高さだ。最近のワゴンはファッションアイテム化の傾向がじわじわと進んでおり、いずれも方法論こそ違えど、スタイリングをより重視する傾向にある。おかげでひとつ下のDセグメントあたりでは、何とセダンよりカーゴスペースが小さいという本末転倒と言おうか、何とも割り切りの良いワゴンも存在しているほどだ。
それに対してアッパークラスでは、ヨーロッパにおいても実用性を最も重視するユーザーがいまだ多いようで、スタイリング重視の風潮はもちろん見てとれるものの、絶対的にサイズが大きいこともあって、どれを選ぼうとワゴンに期待するだけのカーゴスペース容量はしっかり確保されていると言っていい。つまり、ワゴンをワゴンらしく使おうとするなら、このクラスを選ぶのがマストなのである。
今回は、そんなアッパークラスを代表する6台の最新ワゴンをチョイスして、実力判定を行なうことにした。まずは、俎上に上げる6台それぞれについて、細かく見ていくことにしよう。
'04年度、すっかり冷えきった輸入車市場で孤軍奮闘したアウディからは、オールロード・クワトロ2.7Tを連れ出した。本来ならば、ここはA6アバントの出番だが、国内では現行型がモデル末期である一方、新型はまだ導入されていないため、こちらを選んだ。 その外観は、専用の前後バンパーや樹脂製オーバーフェンダーなどでワイルドな仕立てに。中身も車高調整式エアサスペンションやオールシーズンタイヤの採用で、見た目に違わぬ走破性を獲得している。そのアピアランスは一般的なワゴンより力強く、SUVほどの武骨さはない。おまけにサイズや乗車位置もさほどの違和感は覚えさせないとなれば、日本でも人気となるのは当然だろう。
エンジンは、最高出力250psを発生するV型6気筒2.7リッターツインターボ。一昨年秋にはV型8気筒4.2リッターも追加されている。駆動方式は、言うまでもなくフルタイム4WDのクワトロである。
続いては、登場したばかりのBMW525iツーリングMスポーツパッケージだ。5シリーズのツーリングといえば、過去2世代のモデルはいずれもBMWらしいスタイリッシュなフォルムを纏う一方、積載能力は率直に言ってライバルのレベルに届いていなかった。ところが、昨年登場した新型は、容量と使い勝手の両面において、ワゴンとしての性能が確実に高められているのが特徴だ。
それでいて自慢のスタイリングも、相変わらずの伊達っぷりである。好みはあるだろうが、全身個性の塊と言えるセダンと比べるとアクが薄められて、よりエレガントな雰囲気を漂わせるようになった。使い勝手はより高まり、姿はより美しく。それが新型5シリーズ・ツーリングである。
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新登場のMスポーツパッケージは、外装をエアロパーツやスポーツサスペンション、18インチのタイヤ&ホイールで固め、インテリアをスポーツシートやアルミパーツなどで精悍な仕立てとした仕様。M5の発表とほぼ同時に登場させるあたり、実に巧みだ。
サーブ9-5エステートのデビューは'99年のこと。セダンに至っては'97年だから、結構な長寿モデルである。'02年に大幅な全面改良を行なってはいるものの、スタイリッシュなフォルムは登場当時とほとんど変わっていない。今回用意したエアロは、外観を専用のエアロパーツや17インチホイールでコーディネートした上で、最高出力250psと強力な直列4気筒2.3リッターターボユニットを搭載した最上級グレードである。
同じくスウェーデンで生まれ、日本ではここ数年、輸入プレミアムワゴンの人気ナンバー1であり続けているボルボV70は、昨年秋に大規模なマイナーチェンジを行なっている。フロントバンパー、グリル、ヘッドライトのデザイン変更といった外観のリファインや装備の充実など、変更は実に3500カ所にも及ぶという。
ただし、メカニズムは最上級のT-5スポーツに改良型エンジンやアクティブダンパーのFOUR-Cが採用された程度で、変更はほとんどない。今回用意したのは売れ筋のV70 2.4。自然吸気の直列5気筒ユニットは、これまで通り最高出力170psを発生する。
一方、世界の誰もがワゴンの王者と認める存在といえば、メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴンだろう。実は'03年登場のこの現行モデルは、スタイリングを重視して、あの広大なカーゴスペースが先代より若干小さくなっている。とはいえ、それでも容量は最大1910リッター(VDA)と、依然としてクラス最大値を誇る。また、カーゴスペースの使い勝手を高める新機軸「EASY-PACK」の採用もトピックだ。
今回用意したグレードは、E320 4マチック・アバンギャルド。V型6気筒3.2リッターエンジンに電子制御式4WDシステムを組み合わせたモデルである。
そして最後が、フォルクスワーゲン・パサートワゴンV6 4モーション。'97年より導入され、'01年秋の大規模なマイナーチェンジ以降、人気に火が点いた現行パサートも、これがいよいよ最終型である。直列4気筒2リッターからW型8気筒4リッターまで幅広いラインナップを誇るパサートだが、今回はV型6気筒2.8リッターエンジンを積むフルタイム4WDのV6 4モーションを用意した。
今回俎上に上げるのは、この6台。誌面は限られている。早速比較を始めることにしよう。
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