SUZUKI スズキ・スイフト
SWIFT

スズキ渾身の一撃は
走りもカタチも魅力満載


元を正せば軽自動車からの派生だった先代スイフトだが、新型はさにあらず。
専用設計の新開発プラットフォームを持つ世界戦略車として位置づけられるだけあり、それは溢れんばかりの魅力を放っていた。

リポート|山城利公|T.Yamashiro フォト|水野孔男|Y.Mizuno

世界戦略車に相応しい完成度の高さが光る

 先代のスイフトといえば、スズキ&GM連合が世界市場で展開する小型車用の新プラットフォームを用いた1号車として、2000年初頭に市場に投入されたモデル。ただし、実際のところはワゴンRソリオと同様、基本的に軽自動車用のプラットフォームを拡大する手法で造られた、いわば派生車的な存在であった。
 しかし、今回の新型はまったくの新開発であり、小型車専用のプラットフォームを新たに採用、品質や仕様すべてがグローバルな体制で造られているのが特徴でもある。特に、デザインや走りについては、長期間イタリアで現地デザイナーとコラボレーションを重ねたり、走行性能を熟成させるために欧州のあらゆる道を走り込んだりと、初期段階から広い視野に立って開発が行なわれたという。
 そうした努力と成果はスタイルや走行性に、しっかりと表現されている。ちなみに、日本国内ではフルモデルチェンジにあたるが、既存のスイフトも車種が整理された上で併売される。また、海外ではイグニスに代わる新型車として投入。要するに、新型スイフトはスズキの世界戦略車という位置づけにある、同社にとってはきわめて重要なモデルなのである。
 ボディサイズは、全長3695×全幅1690×全高1510mm(4WDは1535mm)で、ライバルとなるヴィッツやマーチと比較して全幅が30mmほど広く、それが安定感のあるスポーティなフォルムを生み出している。この全幅は室内の広さにも直結しており、運転席に座ってみると横方向の余裕が感じられる。また、前方に目を向けると意外と奥行き感があって、開放的で心地よい。
 デザインも魅力的だ。特にヘッドランプからリアコンビランプへと繋がるウエストラインが特徴で、シャープな流れを印象づけ、軽快な走りを予感させてくれる。そんなタフな印象の躍動感と、実際のキビキビした走りは、ある意味でNBA初の日本人、田臥勇太選手のようなイメージだ。
 インテリアはダークグレーを基調としたシックな雰囲気で、華やかさはないもののさっぱりしており、スポーティな印象を与えるデザイン。しかも、世界戦略車というだけあって質感レベルも高い。フロントシートはサイズ的に申し分なく、体を面で支えてくれるホールド感が心地よい。
 走りは開発段階からヨーロッパの道を走り込んだというだけあり、このクラスとしてはかなり熟成されている。ロードホールディング性をはじめ、ダンピングやショックの吸収性に優れ、スポーティさと上質さのバランスが見事に調和しているというのが第一印象。
 燃費にも貢献する電動パワーステアリングは、しっとりした操舵感があり上質な雰囲気を感じさせてくれるし、サスペンションは路面からの入力に対してきわめて柔軟に働く懐の深さを持っているので、快適性はすこぶる高い。
 全体の動きも実に素直で、故意にロールを抑えるような感じがないため、ドライバーの意図した通りのラインをトレースすることができる。さらにいえば、ブレーキングからターンインまでの挙動にメリハリがあり、スポーティなドライビングも楽しめる。FF特有のタックインを駆使した走りだって可能なのだ。
 エンジンは1.3/1.5リッターともに、常用域で扱いやすいトルク特性を備えている。高回転まで回していっても、嫌みな振動がしっかり抑えられていて、ノイジーな印象もないので、つい上まで回したくなる性格だ。
 つまりはこの新型スイフト、今後のスポーツバージョンの登場に期待を抱かせる、そんな素性の良さが光る注目のニューコンパクトに仕上がっている。
 
  ショルダーラインを強調した踏ん張り感のあるフォルムは、このクラスのクルマとしては格段にスポーティで、躍動感に溢れている。バリエーションは1.3と1.5だが、1.6リッターを搭載する“スポーツ”の追加もぜひ望みたい。
  1690mmという全幅は同クラスのクルマよりもたっぷりしているが、その結果もたらされたワイドトレッドにより、走りの安定感はハイレベル。ボディの剛性感もきわめて高い。
  スポーティにデザインされた広がり感のあるインパネは、クオリティも高い。1.5XSはレザーステアリングが標準装備。なお、5MTは1.3リッターにのみ用意される。
  直4DOHCエンジンは、スズキ車の例に漏れず高回転までストレスなく回る。1.3リッターは91ps/12.0kg-mを、1.5リッターは110ps/14.6kg-mを発生、車重の軽さもありスイフトを活発に走らせる。静粛性、排ガス性能もハイレベル。
ホールド性と快適性を両立したフロントシートは、このクラスではゆったりとしたサイズだ。リアシートは座面がやや平板なきらいはあるものの、足元スペースは十分に確保されている。
ラゲッジスペースは通常で213リッター、最大で949リッター。分割可倒式のリアシートはダブルフォールディング式で、すべて倒せばフラットで使いやすい空間が現れる。
  1.5XSはアルミホイールを装着、その他はスチールホイール+フルホイールキャップの組み合わせとなる。タイヤサイズは185/65R15(1.3XEの2WDのみ165/70R14)。
SUZUKI SWIFT
1.3XE
1.5XS
■全長/全幅/全高(mm)
3965/1690/1510
■ホイールベース(mm)
2390
■トレッド(前/後)(mm)
1470/1480
■車両重量(kg)
1530
151
■エンジン形式/種類
M13A/直4DOHC16V
M5A/直4DOHC16V
■排気量'cc)
1328
1490
■最高出力(ps(kW)/rpm)
91(67)/6000
110(81)6000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
12.0(118)/4000
14.6(143)/4000
■トランスミッション
5MT
4AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル: トーションビーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ドラム
■タイヤ(ホイール)
165/70R14(5J)
185/60R15(5.5JJ)
■東京標準現金価格
¥1,013,250
¥1,365,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
Copyright (C) GAKKEN CO., LTD. All Rights Reserved.