Studie スタディ
BMW Z8

徹底的に理想を追求した
究極のグランドツアラー


東京や横浜あたりで見かける、ちょっとイジってるなと思しきBMWは、かなりの確率でスタディのロゴステッカーを貼っている。
それほどBMWスペシャリストとしての地位を確立しているスタディが、プライドの全てをつぎ込んで完成させた旗艦がこのZ8である。

リポート|尾島信一|S.Ojima(本誌) フォト|郡大二郎|D.Kori
問い合わせ先=スタディ TEL:045-476-3181


足回りはすべてピロ化、その限界ははるか彼方に

 元来スタディのデモカーというと、ウチではこんな製品が取り付けられますよ、といったある種カタログ的な意味合いのものが多いのだが、このZ8に限っては(出回った個体が少ないということもあり)、とことん理想を追求したGTに仕上げたという。
「究極のBMWを思い描いてカタチにしてみました。」
 と鈴木代表が自信を持っていい切るだけあって原価完全無視の満艦飾だから、もしこれと同じZ8を望んだとしても、おそらく実現は不可能だと最初にいっておこう。
 ワイルドスワンと命名されたZ8は、まずその見た目からしてノーマルとは明らかに異なるオーラを放っている。前後のフェンダーパネルをカーボンパテという軽量素材によりワンオフ製作し、フロント100mm、リア140mmのワイド化を図った。また、フロント/リアバンパー、サイドスカートのエアロ類、ホワイトウインカーまでもがすべてワンオフで、テールレンズは北米仕様モノという念の入れようだ。ボディは白鳥のごときアルピンホワイトパールにオールペンされ、独特の緊張感とともに気品すら漂わせる。
 もちろん、走りのパフォーマンスも生半可では許されない。吸気はラムエアを採用。EXマニホールドも含め、エキゾーストはすべてアーキュレーによるワンオフ。さらに、ノーマル交換用ダイレクトイグニッションのプラズマダイレクトを装着し、仕上げはスタディ・チューンドプログラムによるCPUチューニング、というメニューだ。その結果、ノーマル+60 psの460psまでパワーアップを果たしているが、本来このV8が持つポテンシャルを考えればこれでもまだ序の口とのこと。ちなみに、最高速はメーター読みで260km/hだという。
 足回りは3Dデザインの車高調をセット。元々ダンパーのストロークが足りず車高を落としにくいZ8ではあるが、それでもローダウンを実現しつつ乗り心地を確保するため、モノチューブのアルミ製シェルケースからすべてワンオフで作製。スタビライザーもワンオフ、アーム類のジョイント部はすべてピロ化し、ブレーキはF370/リア332mmのブレンボ製4ポッドを採用している。
 これだけ手間暇かけて仕上げたZ8だけに、横浜界隈の試乗だけでは正直いって全く限界は見えなかった。かなり骨のあるサーキットに持ち込まない限り、このモンスターの実力は掴めないはずだ。ただし、恐ろしく豊かなトルク、むしろノーマルよりもしなやかなのでは? と思える足回りのお陰で、街中のクルージングはきわめて快適だったことをお伝えしておく。加えて、注目度はたぶん新しいポルシェ911の2倍はあったであろうことも――。
 
  フロントバンパーはワンオフで仕上げられており、フィッティングの精緻さには目を見張らされる。ホワイトウインカーもワンオフ、ミラーはACシュニッツァーのZ3用を加工。
  ウイング、リアバンパーもワンオフ。クラシカルなZ8のフォルムに完璧にマッチしたアールが絶妙だ。テールレンズは北米仕様モノを装着している。
  吸気はラムエア、オカダプロジェクトのプラズマダイレクトを装着し、スタディ・チューンドプログラムと呼ばれるCPUチューンを施す。5リッターのV8ユニットは460psを発生。

前後フェンダーパネルもワンオフ。ブレンボ製ブレーキはフロント370/リア332mmのドリルドローターに4ポッドの大型キャリパーを装着。タイヤサイズはフロント255/40R19、リア305/30R19。EXマニホールドを含め、エキゾーストはすべてアーキュレーだ。
  インテリアはレッドで統一、スポーティかつエレガントにまとめられた。シートはポルシェGT3用を流用して加工、ステアリングはKAHN製(日本未導入)を装着している。
  車名の「ワイルドスワン」は鈴木代表が大好きな小説のタイトルから命名。アルピンホワイトパールに全塗装して、醸し出す優雅な佇まいは確かに白鳥のようだ。
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