PORSCHE ポルシェ・ボクスター
BOXSTER

ダイナミックに進化した2代目ロードスター

カイエンの成功に続いて911のフルモデルチェンジと、矢継ぎ早にニューモデル攻勢を仕掛けるポルシェだが、まさに引いた手綱は緩めないとはこのことで、今度はボクスターの世代交代に打って出た。
初代デビューから数えて8年目、基本的にはキープコンセプトと伝えられる第2世代ながら、そこはポルシェ、そのパフォーマンスが大幅な進化を遂げているだろうことは想像に難くない!

リポート|吉田 匠|T.Yoshida  フォト|ポルシェ・ジャパン

注目すべきは大幅なクオリティアップ

 997のコードネームを掲げて新型911が登場してからわずか4カ月後に、ボクスターも987のコードネームを持つ新型にモデルチェンジした。
 実はボクスターは、マツダ・ロードスターの成功に刺激されて'90年代半ば相次いでに出現したオープンスポーツカーのひとつだった。'95年秋デビューのBMW Z3と、'96年春登場のメルセデスSLKもその同類だが、Z3は'02年秋にZ4にモデルチェンジ、SLKも'04年春に新型に切り替わった。Z3は7年、SLKは8年弱でモデルチェンジしたわけだ。
 対するコードネーム986ことボクスターはSLKと同じ年、'96年の秋にデビューして'04年秋にモデルチェンジ、その間に16万台が世界に送り出されて、フル8年のライフをまっとうした。
 それはさておき、まるで別のクルマのように変わった同類のZ3やSLKと比べると、ボクスターのモデルチェンジは見た目の変更がさほど大きくない。ホイールベースはまったく変わらず、ボディサイズも最小限しか変化せぬまま新型に替わったからである。
 そのためもあって、パリ・サロンで初めて目にしたときはさほど感激はなかったが、その1カ月後にオーストリアの山間部で開かれたプレス試乗会で2日間にわたって現物と接していたら、新型は先代より魅力的に見えてきた。
 ヘッドライト、フロントおよびサイドのエアインテーク、テールランプといった要所の形状が変わったのに加えて、フェンダーラインに先代より抑揚のあるデザインが与えられたのが効いている。
 インテリアも同様で、居住空間のアウトラインは先代と変わらないから全体の雰囲気に大きな変化はないが、ダッシュボードをはじめとする構成要素のデザインと仕上げが一新され、質感がぐっと高くなった。997とは別のデザインを施しているのも好ましい。
 ちなみに987のコンポーネンツの50〜55%は、997との共通部品で成り立っているという。
 
  スリーサイズは全長4329×全幅1801×全高1295mmと、ほぼ先代と同サイズをキープ。ホイールベースも2415mmで変わらずだ。また、空力特性が強化されたのも新型のトピックで、Cd値は0.31から0.29へと向上。
  フラットシックスは基本的に先代からのキャリーオーバーとなるが、各部のリファインにより2.7リッターで+12psの240ps、3.2リッターで+20psの280psへとパワーアップ。パワー・ウエイト・レシオは前者が5.39kg/ps、後者が4.8kg/ps。
エクステリア同様、インテリアにもドラスティックな変化はないが、マテリアルとフィニッシュのクオリティアップには目を見張る。トランスミッションは2.7リッターに5MT、3.2リッターに6MTが組み合わされる他、ともにティプトロニック5ATも用意。
  シートの造りには定評のあるポルシェだが、今度のボクスターでは乗員の安全性もさらに強化。バックレスト内蔵のソラックスバッグに加えて、オープントップモデルとしては世界初のヘッドエアバッグも標準装備となる。なお、ステアリングにはテレスコピックに加えて新たにチルト機能も搭載、ポジショニングの自由度を広げている。
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