RENAULT ルノー・メガーヌ・ルノー・スポール
MEGANE
RENAULT sport


圧倒的な速さを手に入れた
至福の正統派ホットハッチ


日本上陸が待たれたメガーヌRS(ルノー・スポール)が、
ついに姿を現した。ターボにより224ps/30.6kg-m
という強大なパワー&トルクを手にしたRSは、
さらにコンペなエクステリアが与えられて、特別なクルマ
だけが醸し出すオーラをハッキリと放っていた。

リポート|笹目二朗|J.Sasame  フォト|郡大二郎|D.Kori

強大なトルクと、抜群の接地性がもたらす快感

 メガーヌ・シリーズに待望のスポーツモデル、RSが登場した。ボディは3ドア・ハッチバックのクーペがまず先行、来春には5ドア右ハンドル仕様も追加される。
“RS”ゆえの違いを概略列記するだけでも、このクルマの性格は分かる。まず排気干渉を避けたデュアルエキゾーストのまま、2系統の排気で回すツインスクロールターボのパワーとトルクは224psと30.6kg-m。組み合わせるミッションは、クロスレシオの6段MT。加えてRS専用バケットシートやアルミペダル、ブレンボ・キャリパー、225/45R17の大径ホイール&タイヤ、エアロパーツを纏った外観、ブラッド・オレンジとインペリアル・ブラックのRS専用色……等々だ。
 メガーヌはいま、欧州でゴルフを凌ぐ勢いで売れており、その原動力たるスタイリングは、この3ドアクーペでこそ一層際立つ。トランクの狭さを唱える正義の味方もこうなるとタジタジ、商品は売れなければ話にならないのだ。
 ターボチューンに経験豊富なルノー・スポールらしく、ターボラグなどの弱点は巧くカバー、2000rpm で最大トルクの90%を確保するなど、低回転から使いやすい設定になっている。トルクカーブとしては最近の傾向であるフラットな丘を形成するものの、プリメーラ譲りの6MTは程々にクロスしたギア比を持ち、2速/3速の加速は丘を感じる暇などない位に盛り上がる。これこそRSの神髄で、速度変化はエンジン回転に委ねるのではなく、ギアシフトによって加減速するものだ、という変速機の意味を実感できる。実はこの直前にポルシェの997に試乗したばかりだったが、山道ではポルシェより速い印象さえ受けた。唯一、惜しむらくはシフトリンケージが5速用と共用化されてしまったのか、海外試乗会で乗った時の手首の動きでシフトできた、あのダイレクトな味が再現されていないことだ。
 パワフルなFF車にありがちのトルクステアも、キングピン・オフセットを60mmから32mmへと減らした効果か、それほど気にならない。むしろ224psを前輪だけで有効に路面伝達する、このアシの接地性の良さには感心するばかりだ。決してスプリングを固めればいいわけではないのだ。よって17インチの太く重いタイヤであっても、乗り心地的にそう悪化は見られず、タウンユースにも使える日常性を兼ね備えている。ついでに記せば、車高は10mm低くセットされ、サスペンションの有効ストロークは前65mm、後84mmと少なくなっているが、ゴルフのようにバンプラバータッチは唐突ではなく、巧いプログレッシブレートに躾けられているので、大入力のボトミングなどは二重フロアによるボディ剛性の高さとともに、ルノーの伝統的なレベルにある。
 バケットシートは横方向のサポートに優れ、オレンジ色のシートベルトとともにスポーティな雰囲気を得ている。ただ、座り心地的にはいまひとつしっくりこない。座面の後退角が足りず、しかも凹面ゆえに腰が疲れやすい。購入予定者は、シート取り付け点を調整する等の対策をするといいだろう。
 最近のルノーは、ユーロNCAPなどでも好成績を収めており、ボディの安全性は特別に留意されているが、ドアの立て付けをみても、ハッチバックの開口部の断面などをみても、ガッシリした造りであることは一目瞭然。内装の仕上げなども高級になった。だが、そうした見てくれに頼らずとも、このRSは乗って面白く、購入意欲をそそられる部分は多い。春まで待って便利な5ドアを選ぶもヨシ、スタイリングを採って3ドアを選ぶもヨシ。ところで、378万円という価格はゴルフGTIを睨んだ結果なのだろうか?

RENAULT MEGANE RENAULT sport
■全長/全幅/全高(mm) 4230/1775/1450
■ホイールベース(mm) 2625
■トレッド(前/後)(mm) 1515/1520
■車両重量(kg) 1370
■エンジン種類 F4R2/直4DOHC16V+ターボ
■排気量(cc) 1998
■最高出力(ps(kW)/rpm) 224(165)/5500
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) 30.6(300)/3000
■トランスミッション 6MT
■サスペンション(F:R) ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ(F:R) Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール) 225/45R17(7J)
■東京標準現金価格 ¥3,780,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  RS専用装備となるリアスポイラー。ボディ一体デザインのためあまり目立ちはしないが、その効果はてきめんで、高速域では強烈なダウンフォースを生み出すという。
  コンペティティブな外観は、まさしくホットハッチと呼ぶに相応しい。日本では初登場となる3ドアだが、特にリア・クォーターウインドーの形状が個性的。また、リアハッチのアールも、5ドアよりさらに明確となる。
  ストッピングパワーも、RSの名に恥じないレベル。17インチの8本スポークホイールの間からは、4ポッドのブレンボ・キャリパーが覗く。タイヤサイズは225/45R17。

インパネのデザインは標準系のメガーヌと同意匠ながら、オレンジのステッチを施した専用ステアリング&6速シフトノブ、ブラックアウトしたメーターなど、スポーティなエレメントがふんだんに散りばめられている。
  2リッターの直4DOHCに新開発の高出力型ツインスクロールインターターボチャージャーを搭載し、2000rpmから最大トルクの90%を発揮。パワー&トルクは、224ps/30.6kg-m。車重は1370kgだから、とにかく速い。
  正統派ホットモデルだけに、足元にも抜かりはない。軽量の孔開きアルミペダルが、的確なドライビングをサポートする。



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