HONDA  ホンダ・インテグラ
INTEGRA

より深く“深化”を遂げた新生タイプR

FFスポーツの最高峰モデル、インテグラがマイナーチェンジを実施。
ラインナップをSとRの2本立てへと変更するとともに、内外装のデザイン刷新や走行性能のブラッシュアップが図られた。

リポート|斎藤 聡|S.Saito  フォト|赤松 孝|T.Akamatsu

カギはトラクションとサスペンション追従性

 インテグラがビッグマイナーチェンジを受けた。今回のコンセプトはキャラクターをより明確にすること。すなわち、従来のiSを廃して新たにタイプSを設定。それをエブリデイ・スポーツとして位置付け、タイプRはレーシング・スポーツとして走りの性能をさらに磨き上げることにより、両車の個性をより明確に打ち出そうというのである。実際、新設定されたタイプSの出来映えは非常に興味深いものだったが、ここではそれ以上に“深化”を遂げたタイプRを中心にリポートをしてみたい。
 さて、改めてレーシング・スポーツと位置づけられたタイプRだが、もともとが超高性能なクルマだけに、タイプSほど多くの変更点はない。ただし、走りの質を高めるために、かなりマニアックなチューニングが施されている。
 例えば、サスペンションのダンパーオイルシールを変更してフリクションを減らしたり、各ブッシュ類の硬度ダウン、逆にフロントロワアームブッシュは硬度アップ。リアの足回りでは、ダンパーのバンプストロークを拡大しつつバネレートをアップ。さらにイニシャルキャンバー変更(わずか10分!!)……といった具合で、微妙な部分での変更を徹底的に行なっている。
 そうした細部を煮詰めただけに、絶対的な性能という意味では、はっきりいって劇的な変化はない。だが、確実にアクセルが踏めるようになっている点に着実な進化の跡が伺える。アクセルを踏めるようになった理由は多々あるが、大きな要因としてはトラクション性能が明らかに向上していること、そしてサスペンションの路面への追従性が高まっていることが挙げられる。この2点により、タイプRはよりアグレッシブにワインディングやサーキットを攻め込むことが出来るようになっているのだ。
 そのトラクション性能の向上は、例えばフロントに標準装備されたヘリカルLSDの効き方からもハッキリと感じ取れる。コーナー半ばからアクセルを踏み込んでいったときに、従来とは明らかにLSDの効きが違うのだ。確認したところ、LSDのバイアス比に変更はないという。つまり、フロントタイヤの接地性が高まったことにより、LSDの差動をよりハッキリと感じることが出来るようになっているのだ。その効き具合は、先代タイプR(DC2初期型)に機械式LSDを装着したくらいの効き感がある。実際、アクセルを踏み込んでいけば、ステアリングを切ったほうにグイグイと引っ張られていく感覚が得られる。
 サスペンションの追従性という点では、とくにリアサスが跳ねずに路面のうねりや凸凹をきれいにトレースするようになっているのが特徴。その結果、クルマの挙動に安定感、安心感が増している。クルマの姿勢が簡単には乱れないから、そのぶん自信を持ってアクセルを踏み込めるわけだ。
 乗り味も名前から想像されるほどスパルタンではない新生タイプR。だが、その走りの性能はより高く、より深く進化を遂げている。


 
CR-V iL-D(4WD)
INTEGRA TYPE R
■全長/全幅/全高(mm)
4420/1785/1710
4385/1725/1385
■ホイールベース(mm)
2620
2570
■トレッド(前/後)(mm)
1535/1540
1490/1490
■車両重量(kg)
1520
1180
■エンジン形式/種類
K24A/直4DOHC16V
K20A/直4DOHC16V
■排気量'cc)
2354
1998
■最高出力(ps(kW)/rpm)
160(118)/6000
220(162)/8000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
22.4(220)/3600
21.0(206)/7000
■トランスミッション
5AT
6MT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:Wウィッシュボーン/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ディスク
Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)
215/60R17(6.5JJ)
215/45ZR17(7JJ)
■東京標準現金価格
¥2,415,000
¥2,730,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  インテリアでは新たにデザインされたタイプR専用4連ホワイトメーターを採用。さらに、ヘアライン調の加飾パネル、アルミシフトノブ、サイドブレーキノブ、アルミペダルなどのデザインが主な変更点となる。
  レカロ社製のバケットシートを標準装備する点は従来どおりだが、シートの形状やクッション性能などは微細な変更を受けている。また、新たに加えられたビビットブルー・パールのボディカラーでは、ブルーのシートカラーを選択することもできる。
  ブレーキ自体に大きな変更はないが、マスターシリンダー径アップやペダルブラケットの剛性アップなどにより、ブレーキペダルの剛性感、コントロール性は確実に向上している。215/45ZR17(7JJ)というタイヤ&ホイールサイズに変更はない。
  2リッターから220ps&21.0kg-mを発揮するK20A型ユニットに変更はない。だが、軽量吸音材の最適配置などにより静粛性を大幅にアップしつつ、エンジン音自体にも適切なチューニングを施すことで、スポーツカーらしいエンジンサウンドを楽しめるようにしたという。
  従来のiSは一新。内外装のデザインを変更し、さらにグレード名もタイプSとされた。また、タイプRでもローウィングタイプのリアスポイラーが選べるようになったことで、タイプSとタイプRの外観上の大きな違いはホイールデザイン程度となった。

  インテリアの基本的なレイアウトはタイプRと共通だが、タイプSでは本革シートが標準装備される。また、5速MT仕様ではタイプRと同じ、MOMO社製の本革巻き3本スポークステアリングが標準装備となる。
  タイプSのタイヤサイズはiSの2インチアップとなる215/45R17(7JJ)。これはタイプRと同サイズだが、各部の剛性アップなどにより、しっかり履きこなしている。

  日常域におけるスポーツ性=エブリデイ・スポーツと限界域でのスポーツ性=レーシング・スポーツという2つの個性を打ち出してきたインテグラ。それでも月販販売計画台数300台というのは少々寂しい気もするが……。
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