CHRYSLER クライスラー・クロスファイア ロードスター
CROSSFIRE
ROADSTER


ハイテクに注入された
熱きスピリッツ


メルセデス・エンジニアリングをクライスラー流に解釈することで、
鮮烈な走りと魅惑的なスタイリングを手に入れたクロスファイア。
クーペに続いて日本上陸を果たしたロードスターでも、
ジャーマン・テクノロジーとアメリカン・スピリッツが
絶妙なハーモニーを奏でていた。

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara  フォト|宮門秀行|H.Miyakado

驚くほどのボディ剛性とサルーン並みの静粛性

 クロスファイアに乗ってあらためて思うのは、クライスラーが獲得した資産の大きさだ。クーペでもそう思ったが、今回ロードスターに乗ってそれを噛み締めた。この走りをかつてのクライスラーが自ら実現しようとしても、それは難しかったのではないだろうか。
 というよりも、その必要にさえ気づかなかったはずだ。だが、ダイムラー・クライスラーとしてメルセデス・ベンツの資産を有効活用できるようになって初めて、走りの次元の違いが明らかになったのだろう。それは、同時にグローバルな市場でクライスラーの価値を際立たせることにもなった。
 ロードスターに乗ってすぐに気づくのは、ボディ剛性が驚くほど高いことだ。この点はクーペとまったく変わらず、ロードスターに乗ることのある種の不安を一掃する。しかも、クロスファイアはウエストラインが高いだけに、バスタブに深く身を沈めてくつろぐような安心感もある。
 とはいえ、オープントップのモデルとしては、そうした印象が開放感を損なうことにもなりかねない。ところが、クロスファイアはアメリカのカスタムカーに見られるチョップトップようにフロントウインドーが低いので、少し目線を移すだけで素通しの視界が得られる。この開放感を得るために必要な時間も、インナーロックを手動で解除する必要はあるが、その後は電動油圧式により22秒でソフトトップが折り畳まれ、樹脂製カバーの下に収納される。
 ボディ剛性の高さは、安心感だけではなく正確なハンドリングももたらす。前18インチ、後19インチという大径のハイパフォーマンスタイヤを支えつつ、適度に引き締まったサスペンションをスムーズに動かすことに役立っているからだ。そのため、コーナリング中に路面のうねりを拾うぐらいでは、狙ったラインを外すことがない。ステアリングの手応えもスムーズであり、曖昧な反応性を示すことは一瞬たりともない。
 ここまでハンドリングが正確だと、逆にリラックスして走ることができず、かつてのクライスラーであればあえて穏やかな応答性を求めたはずだが、いまはそうではない。たとえば、直進時はステアリングが中立状態で落ち着き、リムに軽く手を添えておくだけで十分なスタビリティが得られる。
 3.2リッターのV型6気筒エンジンは、アクセルを踏み込めば刺激的な力強さを発揮するが、市街地を走るときのような日常的な場面でも扱いやすい。アクセル操作に対して力強さが素直に立ち上がるので、余計な気遣いはいらない。
 ソフトトップを閉じると、クーペと大差ない、さらにいえばサルーン的な静粛性が実感できることも魅力。近くを走る大型車の騒音の方が気になるほどだ。もちろん、日常的な場面で、ソフトトップを開けて走ることにためらいは感じない。クロスファイアならではの、過去の現代的解釈ともいえる雰囲気が、都会の景観のなかでも独特の存在感を放つからだ。


CHRYSLER CROSSFIRE ROADSTER
■全長/全幅/全高(mm) 4060/1765/1315
■ホイールベース(mm) 2400
■トレッド(前/後)(mm) 1495/1500
■車両重量(kg) 1440
■エンジン種類 112/V6SOHC18V
■排気量(cc) 3199
■最高出力(ps(kW)/rpm) 218(160)/5700
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) 31.6(310)/3000-4600
■トランスミッション 5AT
■サスペンション(F:R) Wウィッシュボーン/コイル:
マルチリンク/コイル
■ブレーキ(F:R) Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール) F:225/40R18(7.5J)
R:255/35R19(9.0J)
■東京標準現金価格 ¥5,407,500
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  高いボディ剛性が、安心感と正確なハンドリングをもたらす。また、ひとたびスロットルを開ければ、まさに咆哮と呼ぶに相応しい迫力あるサウンドを周囲に響かせる。オープン時には、ドライバーを刺激する最高のBGMだ。
  ソフトトップはロック解除&スイッチ操作の2タッチ式で、開閉に要する時間は約22秒。オープン時には樹脂製カバーの下にスマートに収納される。なお、オープンドライブ時の風の巻き込みはやや大きめ。
  エンジンは218psと31.6kg-mを発生するメルセデス製3.2リッターV6SOHCで、トランスミッションはオートスティック機構付5ATが組み合わされる。高い実用性能に加え、いざというときには刺激的な力強さも引き出せる。
  エクステリアと調和のとれたインテリアには、サテンシルバーのアクセントが随所にちりばめられる。運転席/助手席ともに8ウェイのパワーシートで、もちろんシートヒーターも装備。なお、エアコン操作はマニュアル式。
  クーペ同様、フロントに18インチ、リアに19インチの前後異径ホイールが装着。タイヤサイズはそれぞれ225/45R18、255/35R19となり、クーペとサイズ自体は同じとなるが、スピードレンジは低めの設定となっている。
  速度感応式リアスポイラーは、時速100km/hに達すると自動的に立ち上がり、スタビリティ確保に貢献。なお、これはインパネ上のスイッチで任意に立ち上げることも可能となる。ハイマウントストップランプも標準装備。
オープン時には104リッター、クローズド時には190リッターのトランク容量が確保。クローズド時にはソフトトップ格納部分を2段階に折り畳んで、トランクルームの一番奥にマジックテープで貼りつけられる。奥行きは意外に深い。
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