OPEL オペル・アストラ1.8スポーツ/2.0ターボスポーツ
ASTRA
1.8Sport/2.0Turbo Sport


ダイナミック・コンパクト

昨年のフランクフルト・ショーで発表、今年3月にヨーロッパでの
発売がスタートした3代目アストラがついに日本に上陸した。
最激戦区となっている欧州Cセグメントでゴルフなどと
しのぎを削るこの新型、先代とは打って変わった
ダイナミック&スポーティ路線の味付けが魅力だ

リポート|島下泰久|Y.Shimashita  フォト|郡大二郎|D.Kori

ソフトな乗り心地も実現したIDSプラス

 ここに来て、ますます個性化の様相が強まっている激選区のCセグメント。そこでの存在感を高めるため、新しいアストラはスポーティ路線を強調して登場した。
 それが、まず端的に表れているのがスタイリングだ。端正でスッキリまとまっていたがアクは薄かった先代に比べて、顔つきからして随分とアグレッシブになった5ドアハッチバックのボディは、全長4255mm×全幅1760mm×全高1470mmと、サイズも大幅に拡大されている。しかし少なくとも、前席にいる限り広さ感はさほどではない。ゴルフなどよりルーフが低い割には着座位置が高めなこと、あるいはダッシュからドアまわり、そしてピラーへと繋がる部分など、ディテールがやや煩雑なせいだろうか。
 一方、2615mmの長いホイールベースを活かして、後席はかなり余裕がある。座面は落ち込み気味だが前後長がたっぷりしており、足元も広い。この後席はバックレストが3分割可倒式なのも特徴。シグナムやメリーバなどで、ユーティリティ性の高さをアピールしている最近のオペルらしい。5名乗車時350リッターのラゲッジ容量も、クラス最大級である。
 グレードは3タイプ。最高出力125psの1.8リッター自然吸気ユニット+4速ATの1.8CDと1.8スポーツ、そして最高峰として最高出力200psを発生する2リッターターボユニットに6速MTを組み合わせた2.0ターボスポーツを用意する。
 注目はスポーツ、ターボスポーツに標準装備された電子制御式CDC(減衰力可変機構)付きのシャシー制御システム、IDSプラスだ。インパネ上の「スポーツ」スイッチを押すと、ダンパーセッティングが切り替わり、さらにステアリングのアシスト量とアクセルレスポンス、そしてATではシフトポイントが変更されるシステムである。今回は、これを搭載した1.8スポーツと2.0ターボスポーツの2台に試乗した。
 1.8スポーツで走り出して、良い意味で驚かされたのは、実にソフトな乗り心地である。ゆったりしたストローク感があり、荒れた路面もしなやかにクリアしていく。CDCが可能にしたこの乗り心地には、従来のイメージでドイツ車らしい硬質なタッチを期待していた人は面喰らうはず。反面、ステアリングの中立付近の座り感が甘かったりもするのだが、これはこれで悪くはない。
 エンジンはなかなか活発。中速域のピックアップに優れ、料金所を出て速度を上げる時、あるいは追い越しをかける時などの加速感は気持ち良い。惜しいのはATが4速ということ。せっかくの伸びが、シフトアップした途端に断ち切られてしまう。とはいえ、日常的な使い方では十分な動力性能を持っているといっていい。
 ここで「スポーツ」スイッチを押してみる。すると、ギアが1段、あるいは2段落ちると同時に、サスペンションのダンピングがグッと強まる。フットワークは、操舵初期の反応こそやや過敏に思えるが、その分ノーズの反応は良く、コーナーの連続もリズミカルにクリアできる。ステアリングまわりの剛性のせいか、あるいは例のダンパーを含むサスペンションの仕業か、右に左に切り返している時など、掌に伝わる手応えがやや希薄で、特にウェット路面ではクルマとの一体感を感じにくいのは減点材料だが、特に長いコーナーが連続する下りのワインディングでは、なかなか楽しめる。踏み始めから剛性感のあるタッチを持つブレーキも、安心してハイペースで駆け回れる要因のひとつだ。
 
  オペルとしては大胆な、エモーショナルデザインを採用した新型。先代に比べ大型化したボディ、ロングホイールベース、ワイドトレッド化により全体を低く見せるフォルムを演出、スポーティで力強いイメージに。
  エクステリアのイメージを反映させたデザインのインパネ。センターパネルは、チャコールメタリックで統一。全車チルト&テレスコピック+オーディオコントロール付きステアリングを標準装備。
  1.8CDおよび1.8スポーツに搭載されるエンジンは、優れた経済性と実用性の高さがウリの1.8リッターECOTEC。パワー&トルクは125ps&17.3kg-mで、組み合わせるミッションはアダプティブ4AT。
  ラゲッジは通常時でクラス最大級の350リッター、最大で1270リッターもの容量を確保。4:2:4の3分割リアシートの採用により、長尺モノの積載が容易になり、使い勝手が向上した。
  1.8スポーツは、215/45R17&アルミホイールを標準で装備。1.8CDのタイヤ&ホイールのみ、205/55R16&スチールホイール(ホイールキャップ付き)となる。
コンパクトなリアサスペンションの効果と相まって、従来モデルと比較すると明らかに広くなったと感じさせる室内空間。特にリアの居住性は特筆もの。1.8リッターモデルには、ファブリックシートが標準装備となる。
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