AUDI アウディA8 3.7クワトロ
A8 3.7 quattro


あえて選ぶ価値アリの
ショートストロークV8


アウディの旗艦であるA8に、ストレッチ版の4.2リッターと、
3.7リッターV8搭載モデルが追加設定、バリエーションの充実が図られた。
今回は、カタログ上でいうとベーシックモデルに相当する
3.7クワトロを連れ出したが、嬉しいことに、その走りには
価格差以上の魅力があった!

リポート|吉田 聡|S.Yoshida(本誌)  フォト|宮門秀行|H.Miyakado

プレステージ・スポーティサルーン

 冒頭からなんだが、これは相当にお買い得なモデルである。装備表を上級グレードの4.2クワトロと見比べてみても、主だったところで省略されているのは、レザーシートやパドルシフトスイッチ、アドバンスドキーシステムくらいなもので、A8のキモとなるアダプティブ・エアサスペンションやアダプティブ・ヘッドライト、さらにはMMI(マルチメディア・インターフェイス)やETCシステムまでもが同様に標準装備となっている。これで、車両本体価格は税込みでマイナス152万円の888万円。しかも、である。ある意味で、そのパフォーマンスは4.2クワトロ以上に魅力的だったりするのだ。
 この総排気量3696ccの5バルブV8は、ストロークを4.2リッターの93mmから82.4mmへと切り詰めたことで、とにかくスムーズでシャープな吹け上がりが印象的。最高出力280ps、最大トルク36.7kg-mという数値は、4.2リッターの335ps/43.8kg-mと比べるとかなりの開きがあるようにも思えるが、3ステージ可変インテークマニホールドの採用により、立ち上がりから不満のないトルクを発生し、そのままアクセルペダルを踏み込んでいけば、V8ならではの歯切れのいいサウンドを響かせながら、トップエンドへ向けて一気に回転を上げていく。
 さらに、セレクターレバーを左に倒してマニュアルモードに入れ、高回転をキープすれば、スポーツユニットさながらの鋭いピックアップにより、車重1.9t、全長5mオーバーのビッグサルーンとは思えぬほどの刺激的なドライビングが楽しめるのだ。
 もちろん、これを受け止めるシャシーも余裕たっぷりで、クワトロ・システムやESPに加えて、電子制御エアスプリングと無段階可変ダンパーで構成されるアダプティブ・エアサスペンションが、ボディの無駄な動きを徹底して抑え込む。ハンドリングも正確そのものだから、下手なスポーツカー顔負けのコーナリング性能を持つ。
 もちろん、プレステージサルーンとしては、4.2クワトロの巌のごとき重厚な走りも大いに魅力だが、この3.7クワトロという選択にも、価格差以上の価値があるとお伝えしておこう。


AUDI A8 3.7 quattro
■全長/全幅/全高(mm) 5055/1895/1450
■ホイールベース(mm) 2945
■トレッド(前/後)(mm) 1625/1610
■車両重量(kg) 1910
■エンジン種類 V8DOHC40V
■排気量(cc) 3696
■最高出力(ps(kW)/rpm) 280(206)/6000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) 36.7(360)/3750
■トランスミッション 6AT
■サスペンション(F:R) 4リンク/エア:
トラペゾイタル/エア
■ブレーキ(F:R) Vディスク:Vディスク
■タイヤ(ホイール) 235/55R17(8J)
■東京標準現金価格 ¥8,880,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  エクステリアで4.2クワトロと異なるのは、ドアを開けると発光するLEDエクステリアライトパッケージが省略される程度。アルミホイールもサイズ/デザインともに同一となる。
  4.2リッターのボア84.5mmはそのままに、ストロークが93mmから82.4mmへと詰められた、3696ccの5バルブV8ユニット。組み合わされるトランスミッションは6速ティプトロニック。
  アウディ独自のマルチメディアインターフェイスであるMMIをはじめ、コクピット回りもほぼ4.2クワトロのそれに準じた装い。できればパドルスイッチも欲しかった!?
  シートはクロスのスタンダードシートが標準で、写真のバルコナレザーはオプション設定。この他、シートヒーターやシートベンチレーション(フロント)もオプションで用意。
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