HONDA ダホンダ レジェンド
LEGEND

SH-AWD搭載!
完全無欠の
ビッグサルーン


ホンダの新技術、SH-AWDを搭載した新型レジェンドのプロトタイプに鷹栖のプルービンググラウンドで試乗することができた。
さて、ホンダのFFベースのトップレンジは、新技術を得てどんな走りを見せるのか?

リポート|萩原秀輝|H.Hagiwara  フォト|本田技研工業

SH-AWDは制御が自然

 前号の巻頭コラムにも書いたことだが、最高級サルーンの商品性としてFR+V型8気筒エンジンが必要不可欠であるのかどうか、その結論を導き出す機会を得られた。以前からウワサのあった次期モデルのレジェンドに、プロトタイプという前提ながら、ホンダが持つ北海道の鷹栖プルービンググラウンドで乗ることができたのだ。
 ウワサの段階では、次期モデルのレジェンドはFR+V型8気筒エンジンでデビューすると考えられていた。机上の段階を超えていたかどうかは定かではないが、商品企画のひとつとして具体的に検証されていたことは間違いないだろう。ホンダは、すでにS2000というFRの2シーターをラインナップしているだけに、その駆動方式をスポーツカー専用として限定することの方が不合理だ。
 だが、実際にはFFをベースとする新4WDシステム+V型6気筒エンジンという組み合わせでデビュー予定だ。現行モデルのレジェンドでさえ、FFであってもエンジンを縦置きにしてフロントミッドシップに搭載するという、いかにもホンダらしい独創性を備えていた。それと比べて、新4WDシステムが技術的に注目できるとはいえ、プレミアムであることを目指そうとしている日本のライバル車に対しても物足りなさを感じるのはリポーターだけだろうか。
 とはいうものの、前号のコラムでも書いたように「結果よければすべてよし」的な考え方もある。FR+V型8気筒エンジンを組み合わせていなくても、それを超える走りが実現できていればいいわけだ。果たしてどうなのか……。
 鷹栖での試乗は、中高速のハンドリングコース、高速周回路、欧州の一般路を再現するカントリー路を一気に走るという設定だった。ハンドリングコースは、サーキットを攻めるペースで走ることもできる。だが、まずはセンターラインがあるつもりで、ペースを抑えつつあえて左端に沿って走ってみた。FFであることの問題は、フロントタイヤに駆動力が干渉してステアリングの操作感が損なわれかねないことだ。だが、その心配はなかった。コーナーに合わせてゆっくりと切り込む過程でも、手応えはスムーズさを保ち洗練度の高さを実感した。
 少しずつペースを上げると、かなり高い次元まで正確なハンドリングを維持することが分かる。その感覚は、コーナーの入口から出口にかけて変わりない。この段階で、新4WDシステムのSH-AWDが介入しているのだ。LEDモニターが、リアの左右駆動配分とその度合いを加速時はもちろん、減速時にも行なっていることを表示する。とくに、コーナー出口では一般的なブレーキ制御とは異なり加速を妨げることがないので、LEDモニターがなければSH-AWDの介入を意識しないほど制御が自然だ。4WDとすることで、高性能エンジンを搭載する場合のFFの弱点を補うだけではなく、より積極的に駆動方式の優位性を生かしていたわけである。
 高速周回路では、この優位性をスタビリティ獲得の面で生かしているので、欧州の速域に達しても安心してアクセルを踏み続けることができる。カントリー路では、ウエット路面で危険回避的な操作も試したが、ブレーキによる制御の前にSH-AWDが介入する。そのため、より危険回避の可能性を高めることに役立った。
 ただ、V型6気筒エンジンについては、あまり印象に残っていない。ホンダ製エンジンとして期待できる範囲の結果は得ているものの、V型8気筒を用意しなかったことを補完するには至らない。SH-AWDにしても、FFを選択したことの対処療法的な手段という見方もできる。いずれにしろ、プロトタイプをテストコースで試乗する機会は与えられたが、結論を導き出すのは早計なようだ。
 
  ホイールベースを110mm、全長も80mm短くしてボディをややコンパクト化、アルミを多用化するなどして軽量化も実現した新型レジェンド。その走りは確実に進化している。
  SH-AWDの心臓部。プロペラシャフトに繋がる部分に増速装置が付き、左右ドライブシャフトに繋がる部分にそれぞれ多板クラッチが付く。これを電子制御で、最適制御する。
  スポーティ、高性能であることを、ワイド&ローのスタイルで表現。塊感を強調したデザインを、ホンダでは“エモーショナル・インゴット・デザイン”と呼んでいる。
  少なくとも高級サルーンに求められるハンドリングは、SH-AWDで獲得したといえる新型レジェンド。しかし、乗り味という点で、ライバルのFR+V8勢を凌ぐかどうかは疑問が残る。
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