ノーマルでも絶対性能は十分以上。そんな911ターボのパワーを
倍近くまで引き上げた、と聞けばワイルドな性格を想像しがちだが、スポーテックの最高峰、SP700Rはむしろ洗練された走りが光るモデルだった。

リポート|山城利公|T.Yamashiro フォト|佐藤正勝|Mm.Satoh
問い合わせ先=スポーテック・ジャパンTEL045-929-2233

 超ド級のモンスターマシンに出逢えるのは、普通年間でも数えるほど。だが、今年は当たり年なのだろう。すでに数台のモンスターに乗る機会に恵まれ、つい先日も国産ワークスチューナーが手掛けた400ps超のマシンをドライブ。そして、今月はさらに2台――。
 本来なら喜ぶべきなのだろうが、このクラスは価格も超ド級。ホンネを言えば気を遣うし、それで乗る前から疲れてしまうこともある。だが、実際に走らせるとそんな気持ちはどこへやら。いかにしてねじ伏せようかと腐心する、「全開モード」に入ってしまうことを思えば、個人的にこの種のクルマは決して嫌いではないのだろう。
 さて、ここに紹介するスポーテックのSP700Rは、先述した2台のうちの1台。スポーテック社のプロフィールについては、本誌で幾度となく紹介しているので割愛させてもらうが、スイスというお国柄を伺わせる精緻な造りのコンプリートカーは、ハイパワーながらもトータルバランスの高さにいつも感心させられる。
 SP700Rは、最高出力750ps/7000rpm、最大トルク90.78kg-m/4500rpmを叩き出す、スポーテック・チューンの真骨頂といえるモデル。ベースとなった911ターボ(996)のパワー&トルクが420ps&57.0kg-mであることを考えれば驚異的スペックと言える。だが、このチューンド911ターボの真価は、そんな数値ではなく高性能を余すことなく使い切れるセッティングにこそ見出せる。
 もちろん、アクセルをグイッと踏み込んだ瞬間、これまでに体感したことのない強烈な加速Gに圧倒されるが、微細なアクセルワークを心がけることでジェントルに走らせることも可能。これは以前試乗したアウディRS6がベースのRS550でも経験済みだが、ECUマネージメントが最適であり、かつセッティングノウハウが豊富であることの証でもある。
 もうひとつ注目していただきたいのが、コンフォート性を加味した走行フィールだ。19インチホイール+偏平のタイヤ(フロントが35、リア25プロファイル)ながら、サスペンションが路面の荒さや凹凸を柔軟に吸収してくれるため、嫌みな突き上げがなく実に心地よい。この快適性の高さには“MONO10鍛造ホイール”の軽量&高剛性な造りが大きく貢献していることは間違いない。
 しかも、バネ下重量が軽減されたことにより、ハンドリングはオリジナルより軽快感が増している。もっともサスペンションはハードに引き締めた設定ではないから、荷重をかけたときの沈み込みはやや早く、グリップの限界が極端に高いわけではない。だが、これは意図的なセッティングだ。ロードカーとしてのセーフティ性能までを考慮した、あくまでバランスを重視した結果なのである。

 

フロントリップ(210,000円)やスポーツサスペンション(630,000円)、ブレーキシステム(840,000円)、エンジンチューン等、911ターボ用のパーツは単品でも用意される。鍛造1ピースホイール、「MONO10」はスーパーライトとウルトラライトの2タイプがラインナップ。8.5J×19から10.0J×22までの5サイズが揃えられ、価格は1本120,000〜230,000円。ペダルセット(42,000円)等、比較的手頃なインテリアパーツも魅力だ。

  自慢のエンジンマネージメント、スペシャルタービンに加え、チタンコンロッドやスペシャルシリンダーヘッド等、数々のメカチューンを施し750psのパワーと90.78kg-mというトルクを誇るSP700R。もちろん、シャシー回りのチューンにも余念はない。それだけに、価格は33,075,000円とこちらも超ド級。
  リーズナブルなCPチューンも魅力!
スポーテックは、エンジンチューンのプログラムも充実している。最も手頃なステージ1(577,500円。工賃込み)は、エンジン、ミッションのECUをマネージメントするもので、911ターボの場合はこれでパワーが420psから475psにアップ。これに若干のメカチューンを加えたのがステージ2(1,417,500円)で、パワーは485psに達するという。



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