
スイートなオープン2シーターの登場である。
今年のジュネーブ・ショーで、“カブリオレ・オブ・ザ・イヤー”を獲得したオペル・ティグラ。
このクルマ、ちっちゃいくせしてとても生意気。そして、カワユイ!
リポート|小倉正樹|M.Ogura(本誌) フォト|日本ゼネラルモーターズ |
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まず、生意気と思う理由は、2シーターと割り切っている点。それに、全長3921mmでしかないコンパクトなボディにもかかわらず、開閉可能なメタルルーフを持ち、それが電動で簡単に開閉できるという点。プジョー206CCと同様、フランスのユーリエ製というメタルルーフは開閉に要する時間が約18秒と短かく、サイドブレーキを引いた状態でなければ作動しないなどの条件はあるが、ほとんどいつでもどこでもトップを開閉できるスグレモノ。ちっちゃいくせして生意気だ。
アイディアスケッチからそのまま飛び出してきたような、大胆なスタイリングも生意気。コルサをベースとしながら、フロントのオーバーハングをやや伸ばし、リアのオーバーハングを詰め、その上で強めのウエッジシェイプを与えて、つんのめっていまにも前に飛び出していきそうな、ビューレットスタイル。2シーターゆえに、ルーフを上げてクーペにしてもキャビンはコンパクト。きわめて自然でスポーティな印象を与える。オープンの場合、サイドから見ると、運転席以降で盛り上がっているのはロールバーのみ。ソフトトップ式カブリオレのような幌収納のための盛り上がりがないため、スッキリと見栄えがよい。小さなクルマにありがちな、どこか無理した感じがまったくなく、きわめてスタイリッシュ。かつ存在感もそこそこある。このあたり、上級車にも負けない一丁前ぶりだ。
それに、カワユイ雰囲気もある。「ええ、ヘッドランプもテールレンズも、やや大きめに作ってます。顔全体の割に目が大きいという、そうです、ベビーフェイスですね。若い女性がターゲットユーザーですからね」と、これはこの新しいティグラのデザイナー氏の言葉。
女性を強く意識していることは、お買物車という使われ方を考慮していることでも分かる。トランクは、オープン状態では250リッターの容量でしかないが、トップを上げてトランクの中の仕切板を奥の方に押しやれば、440リッターというかなりの容量が得られるし、室内には通常なら後席になる部分に、70リッターの容量を持つラゲッジスペースもある。トランクフードのロックが電磁式で開閉にキーを必要とせず、ボタンひとつでできるというのも、荷物をたくさん抱えた女性には便利な装備。そう、このクルマ、装備が充実しているという点でも生意気なのだ。
2シーターと割り切ったことは、スタイリングばかりではない、ボディ剛性確保にも大きく貢献している。このティグラ、したたかなボディ剛性を持っているのである。オペルによれば、オープンボディの場合、フロアパネルの後半のセクションが剛性の確保に重要な役割を果たすとのことだが、2シーターと割り切ったことで、リアシート下あたりに十二分にパネルを付け加えることができ、強化されたサイドシルとともに、きわめて強固な構造を作ることができたとのことなのだ。
走れば、そのボディ剛性の高さは感じられる。オープンボディにありがちなワナワナ感はほとんどなく、時折感じられても、それはワナぐらいで済んでしまう。ロープロファイルタイヤを装着するスポーツであってもその程度にとどまるから、普通のグレードではまったくといっていいほどヤワな印象はない。クーペ状態にすると、ホンモノのクローズドと変わらない剛性感が得られるほどだ。
したがって、オープンであることが操縦性に悪影響を与えてはいない。しっかりと確保された剛性のおかげで、その操縦性は、ベースとなったコルサに勝るとも劣らず、ソリッド感のあるシャキッとしたものとなっている。コルサに比較して、アンダーステアが増した感はあるものの、それでもFFスポーツとしてかなり走りが楽しめるほう。おそらくボディ重量が増えたためと思われるが、乗り心地にシットリ感が加わって、ひとつ上のクラスの快適性が得られているのも見逃せない。
このクルマでライバルを挙げるとなると、すぐに思い浮かべるのは、いうまでもなくプジョー206CC。ごく短い時間で開閉可能なメタルルーフを持つコンパクトなFFということではまったく変わらず、どうしても比較対象となってしまうが、決定的な違いは、アチラは曲がりなりにも4シーターで、コチラは割り切った2シーターであるという点。206CCを研究し尽くしたというか、いわば後出しの強みを、このティグラの色々なところで感じられる。
この新型ティグラには、セダンをベースにしたオープンにありがちな、片手間に作られたような感覚がまったくない。その完成度はきわめて高いといえる。

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| OPEL TIGRA TWIN TOP |
1.4 |
1.8 |
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| ■全長/全幅/全高(mm) |
3921/1364/1685 |
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| ■ホイールベース(mm) |
2491 |
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| ■トレッド(前/後)(mm) |
1429/1420 |
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| ■車両重量(kg) |
1235 |
1265 |
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| ■エンジン種類 |
直4DOHC16V |
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| ■排気量'cc) |
1346 |
1796 |
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| ■最高出力(ps(kW)/rpm) |
90(60)/5600 |
125(92)/6000 |
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| ■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm) |
12.7(125)/4000 |
16.8(165)/4600 |
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| ■トランスミッション |
5速セミAT |
5MT |
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| ■サスペンション(F:R) |
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル |
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| ■ブレーキ(F:R) |
Vディスク/ディスク |
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| ■タイヤ(ホイール) |
185/60R15(6.5J) |
205/50R16(6J) |
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| 問い合わせ先
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| ※上記スペックは本誌発売当時の値です。
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ヘッドランプも、このテールランプも、ボディの割には大きめ。ロールオーバーバーは波打つようなデザイン。なるほど、ターゲットとしている若い女性には響きそうなデザインだ。 |
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エンジンはお馴染みエコテックの、この1.4リッター(90ps/5600rpm)と1.8リッター(125ps/6000rpm)の2種。ヨーロッパなら1.4でもいいが、日本の使用環境を考慮すると、1.8リッターがベター? |
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オープン状態で走っても、強く寝たフロントウィンドーが風をうまく後方に逃すのか、サイドウインドーを上げている限り、巻き込む風は非常に少なく、サラサラとそよ吹く程度。 |
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コルサのダッシュボードをベースにするデザインだが、アルミを多用するなどしてスポーティな感覚を演出する。シボは幾何学シボを採用。残念ながら、品質感はあまり高くない。 |
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室内空間は十分。ウエストラインが高く、バスタブに入ったような安心感がある。シートはハイトアジャスト付きで、好みのポジションを得られる。本来のリアシートの位置にはこんなラゲッジスペース(右)。70リッターの容量。

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クローズドからオープンは、最初にトランクのフードが後方をピボッドに開き、次にトノーカバーが取り払われ、そこに折り畳まれたCピラー、ルーフが収められる形。再びトノーカバーと元の位置に戻って、完成とな。 |
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トップを下ろしたオープン状態(下)では、容量が250リッターでしかないが、トップを上げ、トランクの中の仕切り板を向こう側に押しやれば、440リッターというかなりのスペースが得られる。 |
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タイヤ&ホイールは15〜17インチ。フォトの1.4の試乗車は185/60R15サイズを装着していた。ちなみに1.8は、205/45R17というサイズ。日本仕様は205/50R16になる見込み。 |
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