
コンパクト4シーター・オープンという魅力的なスタイルもさることながら、ミニ初の派生モデルという意味でも注目を集めるミニ・コンバーチブルは、欧州ではすでにデリバリーを開始。
今秋には日本への上陸も予定される。
ここでは今年5月に開催された国際試乗会での試乗リポートをお届けする。
リポート|坂本一善|K.Sakamoto(本誌) フォト|郡大二郎|D.Kori |
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ミニの新たなファミリーとしてラインナップに加えられたミニ・コンバーチブル。その国際試乗会が、青い空と青い海、旧い建築物や近代的なビル群などが渾然となった南仏プロヴァンスの港町、マルセイユを舞台に開催された。いうまでもないが、コンバーチブルのスタイルは、この街にイヤミなほどマッチしていた……。
さて、そんなミニ・コンバーチブルを簡潔に説明するなら、ミニのハードトップを取っ払った4シーターのコンパクト・オープンということになる。全長3635×全幅1688×全高1415mmというスリーサイズもハッチバックのミニとほぼ同サイズなら、パッと見た時の印象もミニそのもの。ソフトトップとなるルーフのイメージこそ大きく異なるが、そのデザインにはハッキリと、ミニのファミリーとしてのアイデンティティが表現されている。
とはいえ、コンバーチブルのデザインチームが何も仕事をしなかったわけではない。例えばリアゲート回り。ハッチバックのミニがリアゲートを上方に開く一般的な手法であるのに対し、コンバーチブルでは下方開きタイプを採用。さらに、そのゲートを支えるヒンジを外側に出すことでデザイン上のアクセントとし、ハッチバックとの差別化を図っている。
写真で気付いた方も多いと思うが、この下開きのリアゲートはオリジナルのミニをモチーフにしたもの。ヒンジ部分を強調することで現代風の解釈を加えてはいるものの、明確に旧ミニを意識したデザインとなっている。また、ヒンジを外側に出すことは実用的にも機能しており、このヒンジと2本のワイヤーで支えられるリアゲートは、開いた状態で約80kgの荷重に耐えることができるという。
そうしたオリジナルのデザインを採用しつつ、あくまで「ミニ」であることを主張するのが、コンバーチブルの特徴。それを端的に表現するのが、ソフトトップのルーフとピラーとの間に設けられた明確な稜線だ。つまり、ソフトトップを採用しながら、ハッチバックのルーフと同様のデザインとしているのである。
結果、コンバーチブルはミニのファミリーであることがひと目で分かると同時に、ハッチバックと並べれば確かに異なるというスタイリングを確立している。無論、元々のミニが持つデザイン・エッセンス――丸目のヘッドライトやマッシブなボディラインなど――の強い印象がそれを後押ししていることは確かだが、ファミリーとしての連続性と独立したモデルとしての個性という2つの命題を、コンバーチブルは手堅くひとつのデザインとしてまとめている。
流行のメタルトップではなくソフトトップを採用したことも、実はそうした意識の範疇かも知れない。後部に余裕の少ないミニのボディにメタルルーフを収めるスペースはない。収めようとすれば、プジョー206CCのようにボディ形状を変更する必要に迫られたはずだ。ソフトトップは、クラシカルな雰囲気を演出することに貢献しつつ、実はミニらしいスタイルの維持という点でも重要な役割を果たしているのだろう。
そのソフトトップには「Zフォールディングメカニズム」と呼ばれる機構を採用。文字通り、Z型に3重に折り畳むことでトップのコンパクトな収納を可能にしている。写真でも分かるように、畳んだトップはボディ後部にキッチリと収納でき、ルーフのオープン時であっても、そのデザインを乱すことはない。
また、トップの開閉時間は約15秒。これはニュービートル・カブリオレ(約13秒)やPTクルーザー・カブリオ(約10秒)あたりと比較しても遜色ないスピードだ。なおかつ、このトップにはサンルーフ的に使える機構や、走行中でも開閉できる機能が備わる。実際に試す機会はなかったのだが、リリースによれば時速75mph(約120km/h)までなら操作可能とあり、その点では市場におけるライバル達に勝っている。
では、実用性はどうか。基本は4名乗車だが、2名乗車をメインに使うと考えれば合格。4名フル乗車で使うならギリギリ及第点といったところか。その評価そのものはハッチバックとそう変わらないといえるだろう。だが、後席の居住性は正直、厳しいかも知れない。数値的なスペースこそ大きくは劣らないものの、クローズド時に座ってみると、数値以上に狭さを感じてしまうのだ。
理由は簡単で、後席に座ると顔のすぐ横にソフトトップの支柱部分が来るため。それによりスペース的には大人でも何とか座れる空間は確保しているにも関わらず、視覚的な閉塞感が生まれ、狭苦しく感じられてしまうのだ。逆にいえば、この問題はトップを開け放ってしまえばすぐにも解決する。だから、4名乗車としての実用性という部分は、ユーザーの使い方次第ということになるだろう。
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ルームミラー上方に設置される開閉用のスイッチを押すだけで、ルーフはすべて自動で開閉される。また、4枚のウィンドーすべてを一度に操作するためのスイッチも備わる。 |
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後席に設置するタイプのウィンドディフレクターを標準装備。装着すれば、高速走行時における風の巻き込みを最小限に抑えることができる。その効果はかなり大きい。 |
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| 前席のスペースや座り心地については、ハッチバックモデルとほとんど変わらないが、後席は大人が座れないことはないという程度のスペース。また、ウィンドーにはドアの開閉時に自動的に上下し、室内の密閉性を高める機構も備わる。 |
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