正規導入も予定されているルノー・メガーヌのホットバージョンRS。
ここでは正規モデルよりもひと足早く、カーボックスの手によって
日本に上陸したRSの試乗リポートをお届けする。
果たして、2リッターから225psを叩き出すターボモデルの乗り味とは――

リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|赤松 孝|T.Akamatsu
取材協力=カーボックス横浜TEL045-372-1775

 この日をずっと待っていた。昨年のフランクフルト・ショーで対面。その迫力に満ち、それでいてエレガントな姿にホレ込み、導入を待ちわびていたメガーヌRSに、ついに乗ることができたのだ。
 といっても、正規導入はまだ先。今回試乗したのは、この手のモデルに強いカーボックスが輸入したもので、正規モノで予定されている3ドアではなく、5ドアボディのモデルであった。
 その心臓は、新開発の直列4気筒2リッターターボユニット。最高出力225ps/5500rpm、最大トルク30.6kg-m/3000rpmと、スペックはリッターあたり100psを軽く上回る強烈なものだ。トランスミッションは6速MT、駆動方式はFFである。
 シートベルトや各部のステッチに鮮やかなオレンジをあしらった室内に身体を滑り込ませ、着座位置は高めながらポジションはピタリと決まるシートに収まる。何しろ前輪駆動でこれだけの大パワーだ。事前には多少身構えていたのだが、実際のところ、クラッチは軽いし、アイドリング付近のごくわずかな回転域を過ぎればトルクは豊かで、気難しさは皆無だった。あまりの呆気なさに拍子抜けしてしまったほどだ。
 さらに素晴らしいのはアクセルレスポンスだ。右足に力を込めた瞬間にタービンの唸りが聞こえたかと思うと、すぐさま期待をほんの少しだけ上回る図太いトルクが、滑らかに涌き上がる。NA並みの瞬発力とターボらしいトルクの厚みを両立した、他では味わい難い気持ち良さである。乗り心地も、18インチタイヤのためか低速ではドタつくが、ストロークはしなやかだし速度が上がるほどフラットになるから、その加速はまるで滑走していくかのよう。日常域でのRSは、ホットというよりきわめて上質な走り味なのである。
 ところがタイトなワインディングでは、また違った面が見える。トルクの絶対値が大きいため、立ち上がりでアクセルを踏み過ぎるとアンダーステアが強めに出るしトルクステアも小さくない。だから手も足も、操作には繊細さが必要。大パワーのFF車であることを、やはり意識させられるのだ。
 足回りは比較的ストロークを許す設定だが、重心の高さやあり余るトルク、そしてブレンボ製を奢りながらタッチはいま一歩のブレーキのおかげで、低速コーナーの連続ではやや持て余す。やはり真価を発揮するのは中速以上のコーナーで、最初の姿勢さえ決めれば、リアのグリップ感が抜群に高いため、どんどん踏んでいける。その限界の高さは、公道ではタイヤを鳴らすのも難しいほどである。
 総じてその走りっぷりは、RSの名から想像するよりずっとGT的といえる。個人的には、日常域では刺激性が、逆に飛ばした時には一体感が、あとちょっとずつ増せばとも思ったが、カーボックスのホームページに「ルノー21ターボの再来」とあるのを見たら、なるほど納得という気もした。
 日常使用を難なくこなす一方、いざ鞭を入れれば痛快な速さが手に入り、さらにここが肝心なのだが、ちゃんとオシャレでもある。フレンチホットの伝統をしっかり受け継ぐメガーヌRSは、再び隆盛の気配を見せるこのカテゴリーで、絶対注目の一台といえそうだ。


Specification
RENAULT MEGANE RS2.0 16V Turbo225(5dr)
■全長/全幅/全高(mm)
4209/1777/1437
■ホイールベース(mm)
2617
■トレッド(前/後)(mm)
-
■車両重量(kg)
1355
■エンジン型式/種類
−/直4DOHC16V+ターボ
■排気量(cc)
1998
■最高出力(ps(kW)/rpm)
225(165)/5500
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
30.6(300)/3000
■トランスミッション
6MT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
トーションビーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク/ディスク
■タイヤ(ホイール)
225/40R18
■東京標準現金価格
¥3,906,000
問い合わせ先=カーボックス横浜TEL045-372-1775
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 

  比較的ロールは許す設定ながら、低速域ではややタイヤがドタバタする傾向がある。これは、装着する18インチタイヤの影響が大きいのかも。とはいえ、総じて乗り心地はマイルド。RSという名前から想像されるほどハードではない。
オレンジのステッチの入った革巻きステアリングや、アルミ製ABCペダルなどでスポーティさをアピールするインテリア。6連奏CDチェンジャー機能付きのWATT製ヘッドユニットはオプション設定となる。

  「RENAULT sport」のロゴがあしらわれたスポーツシートはポジションの自由度が高く、着座位置が合わせやすいのが特徴。試乗車のレザー仕様はオプション設定。もちろん、RSとはいえ実用性はメガーヌそのまま。カーボックスの用意する5ドア仕様なら使い勝手の良さも十分以上だ。

 
  エクステリアでは、特徴的なヒップラインはそのままに、前後バンパースポイラーを厚みのある専用デザインとすることで攻撃的なスタイルを演出。また、マフラーはセンターの2本出しタイプとなっている。
  タイヤサイズは225/40R18。ブレーキにはブレンボ製4ポッドが奢られる。試乗車のタイヤ銘柄は、コンチネンタルのスポーツコンタクト2。
  今回カーボックスが輸入したRSの価格は、5ドアが3,906,000円、3ドアが3,853,500円。ルノー・ジャポンが導入するモデルは3ドアと予想されているが、カーボックスでは5ドアも用意するという。それだけでも、十分に魅力的だと思うのだが……。
  エンジンは新開発の直4DOHC16Vターボで、2リッターの排気量から最高出力225ps/5500rpm、最大トルク30.6kg-m/3000rpmを発揮。リッター100psを超えるピークパワーもさることながら、低中回転域のトルクが充実していて扱いやすいことも特筆すべきポイント。
  スピードメーターは270km/hまで、タコメーターは8000rpmまで刻まれる。タコは6500rpmからイエロー、7000rpmからがレッドゾーンとなるが、それこそ3000rpmも回せば十分に交通の流れをリードできる。
 
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