
ローバー75のデビューは'98年のバーミンガム・ショー。
あれから6年。ブリティッシュテイスト薫る内外装はそのままに、現代風の精悍な顔つきで、新しいローバー75が日本に上陸した。
より使い勝手に優れた機能をプラスした、純血ブリティッシュ・サルーン/ツアラーの実力を再検証する。
リポート|島下泰久|Y.Shimasita フォト|柏田芳敬|Y.Kashiwada |
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このところの英国車の復権ぶりには目を見張るものがある。ジャガーはいうに及ばず、アストン・マーティン、ベントレー、ロールス・ロイス、さらにはロータスもそこに加えていいだろうか。外国資本に組み込まれた結果、逆に英国車濃度をより高めた新車を続々と誕生させているのだから、これを痛快といわず何といおう。
そんな中、こちらは紆余曲折を経て、結局100%民族系となったMGローバーから届けられたのは、マイナーチェンジを受けた主力の75シリーズである。
変更点は、主にスタイリングに集中している。最初に目に飛び込んでくるのは新形状のヘッドライト。異型4灯式から改められたそれは、最近流行りの涙目型で、同時に形状が改められたグリルと合わせて、かなり雰囲気を違えている。顔の印象を左右するのは、やはり目である。この変更で、MG-ZTとの差別化が進んだことは悪くないはずだ。他にも前後バンパーやアルミホイールのデザイン変更、クローム仕上げのトランクハンドルの大型化など、ディテールには細かく手が入れられている。
この外観以上に大きく変わったのが居住空間である。といっても、デザインには基本的に変更はなく、装備が飛躍的に充実したのである。かいつまんで見ても、ナビゲーションシステム、クルーズコントロール、パーキングエイド、インフォメーションコンピュータ、レインセンサーワイパー等々が新たに標準装備に。さらに後席へのエントリーを容易にするために、シート形状にも若干手が入れられたという。フェイシアにはライトオークウッドが用いられ、室内は明るいムード。ステアリングが、いかにもそれらしいウッドリムタイプとなったのもニュースだ。
一方、走りに関する部分は、ほぼ手付かずとされている。だが、それは必ずしも落胆を誘う要素ではないだろう。サルーン、ツアラーともに、確かな接地感を伝えながら路面の凹凸を舐めるようにクリアする、あのいかにも英国車らしいフットワークは、まったくそのまま残されているのである。
2.5リッターV型6気筒のエンジンもやはり変更はないのだが、正直なところ、こちらは古さを意識させられてしまった。特にその低速トルクの細さは、ドライバビリティを悪化させてしまっている。ATの制御も含めて、アップデートを望みたいポイントだ。
実は他にも、走りの面ではいまひとつフラット感の希薄な乗り心地であるとか、また内外装に関していえば、室内の樹脂パーツ、スイッチ類の見た目や触感など、細かく見ていけば手をかけてやりたい部分は沢山ある。デビューから6年が経ち、そしてその間、時代に翻弄させられた結果、ほとんどデビュー当時のまま熟成が図られてこなかったのだから、それも当然だろう。その一方で、特にプレミアムを標榜するブランドの各車は、昨今とりわけ質感の面で飛躍的な進化を果たしているのだから、ここに小さくないギャップを感じてしまうのも無理はない。
それでも、走りの濃厚なテイストや、いかにも英国調の内外装など、アピールできるポイントは多々あるだけに、これらのネガを潰していけば、マニアックな英国車党だけでなく、一般にもアピールできる部分はあるだろう。ただし、装備の充実と引き換えに、車両価格が大幅にアップしたことはネガティヴな要素である。何しろジャガーXタイプの2.0SEより高いのだから……。中身が大きくヒケを取っているとは思わないが、ブランド力には大きな差があるだけに、今後は英国車への注目度が高まっている中で、ローバーというブランドをどのようにアピールしていくかも重大なテーマとなるはずだ。果たして秘策はあるのか? 期待して見守りたい。
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ローバーグリルを囲む新デザインのフロントバンパーと、キセノンヘッドライトを採用したことで、より精悍な顔つきになったのが、今回のマイナーチェンジ最大のポイント。 |
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日本導入モデルは、サルーン/ツアラともにコニサーSEのモノグレード展開。搭載されるエンジンはV6の2.5リッター24Vで、177psと24.5kg-mを発生。組み合わされるミッションは5ATのみ。 |
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従来通りのクラシカルで落ち着いた内装はそのままに、ユーザーからリクエストの多かったナビゲーションシステムやウッドステアリングを標準装備。 |
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ベージュまたはブラックレザーシートが標準装備。いずれもパイピングが施された凝った仕立てが特徴。後席の乗降性向上のため、シート形状も若干変更。 |
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サルーンの一体式リアシートに対し、ツアラは用途に応じたアレンジが可能な6:4の分割可倒式シートを採用。最大で1200リッターのラゲッジスペース容量を確保する。 |
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ツアラは小さな荷物の出し入れが容易にできるバックドアガラスハッチを採用。また、今回を機にバック警告ブザーも標準装備となっている。 |


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