全長3595×全幅1665×全高1535mm――。
それは、トヨタにとって最小のフィールドだ。
しかし、軽自動車が主力のダイハツにとって、そこはとても広大なフィールドだ。
で、両者の間でどんなプレーが展開されたのかというと……。

リポート|山城利公|T.Yamashiro フォト|水野孔男|Y.Mizuno

 国内では初めてとなるトヨタとダイハツの共同開発車、パッソ&ブーンが登場。トヨタの車両企画力、ダイハツのスモールカー開発技術とノウハウを集結し誕生した両車だけに、高い商品価値を備えたコンパクトカーだということは想像に難くない。
 コンセプトは、“新しいコンパクトカーのあり方を創造”。実際、それがカタチになっている。具体的には、快適性とゆとりを生み出す広々とした室内空間を備え、かつ日常での使いやすさや取り回しの良さを実現しているのが特徴だ。
 ちなみにグレード構成と価格設定はほぼ同じで、搭載エンジンも1リッターと1.3リッターの2種類で共通。どちらのエンジンも高い環境性能を備えているほか、このクラスとしては動力性能的にも申し分ない。個人的には、市街地で音や振動のレベルが低く感じられた1リッターの方が意外と好印象だった。
 ボディサイズは、ヴィッツの長さを4mmほど短くし、その分を高さにプラスした、全長3595/全幅1665/全高1535mm。特徴的なのは、ヴィッツより70mmも長いホイールベースで、これが室内の広さとしっとりとした乗り心地に大きく貢献している。
 実際に走らせても、自然な感覚のステアリングフィールやスーッと一定のリズムで沈み込んでいくロール感、曲がるときのキビキビとした印象など、誰にも優しく馴染めるテイストが感じられる。セッティングを担当したダイハツならではの、スモールカー造りの経験が活かされていた乗り味だ。
 一方、インテリアにはトヨタ流の質感の高さがうかがえる。デザイン的にはシンプルだが、どこか心地よさを感じさせてくれるところが嬉しい。しかも便利で使いやすい、アイデアいっぱいの収納スペースなど、普段の生活にリンクした快適さが演出されている。
 パッソとブーンの違い? それはメーカー&ネーミングに使われるエンブレムだけ。走りだって装備だってすべてが同じ。どちらを選んでも、生き生きとしたカーライフを楽しませてくれるはずだ。


 
TOYOTA PASSO 1.0X "F Package"/
DAIHATSU BOON 1.0CL
■全長/全幅/全高(mm)
3595/1665/1535
■ホイールベース(mm)
2440
■トレッド(前/後)(mm)
1465/1475
■車両重量(kg)
900
■エンジン種類
1KR-FE/直3DOHC12V
■排気量(cc)
996
■最高出力(ps(kW)/rpm)
71(52)/6000
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
9.6(94)/3600
■トランスミッション
4AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
トーションビーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ドラム
■タイヤ(ホイール)
155/80R13(4.50B)
■東京標準現金価格
¥1,092,000/1,029,000
問い合わせ先
※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
  シンプルで見やすいメーター回り、必要最小限に絞り込まれたスイッチ類など、そこかしこに漂う親しみやすさはトヨタのユニバーサルデザインによる。試乗車には、G-BOOK対応ナビが装着。
フルファブリックシートの座り心地は程よく固く、質感も非常に高い。Fパッケージの場合、助手席に小型のヘッドレストが採用され、ドライバーからの後方視界も後席からの視界も広がる。後席に赤ちゃんを乗せた時には、お互いがよく見えて安心なのだ。同じくFパッケージの後席左側には、組み込み式ジュニアシートが装備。シートクッションを前方へスライドさせれば、フラットスペースも実現。
  4名乗車時でも、ラゲッジにはA型ベビーカーが積める程度の容量を確保。多彩なシートアレンジは、大きな荷物をそのまま積めるフルラゲッジモードから長尺ものを積めるロングラゲッジモードまで。
  90ps/12.6kg-mを発揮する1.3リッター直4と、71ps/9.6kg-mを発揮する1リッター直3という2種類のエンジンがラインナップ。後者は新開発ユニットで、このクラスでトップレベルとなるパワーがウリだ。
  フルスロットル時は、室内にこもるエンジン音やタイヤノイズが気になる1リッター搭載車。しかし、市街地を走るようなスピードでのんびりクルーズするなら、動力性能や快適性に不満はない。



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