メガーヌ・ファミリーの第2弾となるツーリングワゴンの日本導入が開始された。
ハッチバックで話題の斬新なデザインや、優れた運動性能、高い安全性などを受け継ぎつつ、実用性と快適性をさらにアップ。これは“買い”です。

リポート|島下泰久|Y.Shimasita フォト|宮門秀行|H.Miyakado

 メガーヌといえば、あのリアエンドの独特のデザインこそが最大の特徴。それがツーリングワゴンなどになったら、平凡な姿に変わってしまうのでは? そんな心配、あるいは期待(?)を抱いている人は、ぜひともこの姿をナマで見ていただきたい。きっとハッチバックに劣らず個性的、それでいてスタイリッシュな仕上がりだと思わずにはいられないはずである。
 一見すると確かに普通っぽい。でも、よくよく見ると、複雑にラインと面が交錯したリアエンドは、見る角度や光の加減によって、多彩な表情を見せるのだ。数ある輸入ワゴン車の中でも、その造形センスは図抜けていると思う。
 特筆すべきは、その魅力が見た目ばかりではないということだ。まず、全長をハッチバックより290mm長い4505mmとしたボディは、ホイールベースをも60mm伸ばしていることに注目したい。ハッチバックは、あの特徴的なスタイルの代償として後席はあまり広いとはいえないのだが、おかげでツーリングワゴンは、乗ればすぐ分かるほど膝回りに余裕が生まれている。さらに、圧巻はカーゴスペースで、容量は通常時で530リッター、後席をすべて倒せば1600リッターにも達する。単に広いだけでなく、フロアはフラットだし、バックドアを開けなくても荷物の出し入れができるようガラスハッチのみの開閉も可能など、使い勝手への配慮も行き届いている。
 走りっぷりも期待を裏切らない。最初に乗ったのは、17インチのタイヤ&ホイールやレザーシートを標準とした2.0プレミアム。ハッチバックでは、フランス車の乗り心地への期待値に対して、やや張りが強めという印象があったプレミアムだが、ツーリングワゴンでは全体に落ち着きが強まって、きわめてフラットで上質という印象を得た。これにはおそらく、ホイールベースが伸びたことと、リア回りを中心に重量が増えていることが効いているのだろう。ハンドリングの面でも、特に高速走行時の安定感が増した一方、ステアリングの効きが鈍くなった感はなく、メガーヌらしい小気味良さも十分。実は、ツーリングワゴンとは日本仕様だけの名称なのだが、コレが案外ぴたりとハマッているように感じられるのである。
 動力性能にも不満はない。2リッターエンジンは色気こそ欠くものの、実用域から余裕のあるトルクを発生。滑らかさを増した4速ATとの組み合わせは、痛痒を感じさせることなど一切なかった。
 続いてはベーシックな1.6に乗ったのだが、こちらの印象も抜群に良かった。とりわけ乗り心地は、17インチでも満足させてくれたシャシーにハイトの高い15インチタイヤを組み合わせているおかげで、当たりの柔らかな、いかにもフランス車らしいフィーリングを満喫させてくれる。さすがにパワーフィールは2リッターには及ばないものの、積極的にアクセルを踏み込んでやれば、しっかりそれに応えてくれるから、充足感では決して負けていない。さらにいえば、ファブリック張りのシートは、レザーのそれ以上に身体をすっぽり包み込む感触が強く、快適性ではこちらの方が一枚上手といえる。
 これだけ充実した内容を持ちながら、このツーリングワゴン、価格が控えめなのも嬉しいところ。ルノー・ジャポンはハッチバックほどの台数は見込んでいないというが、ハッチバックの見た目がダメという人にもすんなり受け入れられそうなスタイリングも含めて、案外、予想以上の支持を得るんじゃないかという気もする。
 いずれにせよ、メガーヌ効果により、日本市場において昨年の6割増しという好調な販売を続けている今年のルノーが、このツーリングワゴンによってさらに勢いを増すのは間違いないだろう。
 
  ツーリングワゴン用に開発されたシャシーにより、スポーティな走りに加えて、荷物を積んで長距離を走るツーリング性能も大幅にアップ。
エンジン・バリエーションは直4DOHCの1.6リッター(写真左)と2.0リッター(写真右)の2種類。いずれもVVT(可変バルブタイミング機構)を搭載し、マニュアルモード付きプロアクティブ4速ATと組み合わせられる。
  基本的にハッチバックモデルと共通のインパネ回りは、人間工学的なアプローチをさらに押し進めた“タッチデザイン”コンセプトが特徴。エンジンスタートは、キーではなくマルチファンクションカードを使用。
2.0プレミアムには、レザーシート+シートヒーターが標準。1.6、2.0はクロスシートとなる。後席のニールームはハッチバックモデルに対し55mm拡大したことで、ゆとりのキャビンスペースを確保。
  ラゲッジスペースは、通常でクラストップレベルの520リッターが確保され、最大1600リッターまで拡大できる。なお、後席は6:4の分割可倒式で、用途に応じたシートアレンジが可能。
  バックドアを開けなくても簡単に荷物の出し入れが可能なバックドアガラスハッチを装備。狭い駐車場などでのちょっとした小物の出し入れ等には、あると便利な嬉しい装備。
  写真の2.0プレミアムには17インチアルミホイールに205/50R17のタイヤが標準装備。なお、1.6には15インチスチールホイール、2.0には16インチアルミホイールが標準となる。
 
RENAULT MEGANE TOURING WAGON
 
1.6
2.0プレミアム
■全長/全幅/全高(mm)
4505/1775/1505
■ホイールベース(mm)
2685
■トレッド(前/後)(mm)
1520/1525
1510/1515
■車両重量(kg)
1330
1410
■エンジン種類
K4M/直4DOHC16V
F4/直4DOHC16V
■排気量(cc)
1598
1998
■最高出力(ps(kW)/rpm)
113(83)/6000
133(98)/5500
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
15.5(152)/4200
19.5(191)/3750
■トランスミッション
4AT
■サスペンション(F:R)
ストラット/コイル:
トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:ディスク
■タイヤ(ホイール)
195/65R15(6.5J)
205/50R17(6.5J)
■東京標準現金価格
¥2,467,500
¥3,076,500
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※上記スペックは本誌発売当時の値です。
 
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