
セダン、GTS、シグナムに続く4番目のファミリー、ベクトラ・ワゴンが日本デビューを果たした。
ワゴン造りに関して長い歴史を持つオペルの仕事だけに、使い勝手はもちろん良好、魅力的なワゴンに仕上がっている。
同時に、高いコストパフォーマンスも見逃せない!
リポート|島下泰久|Y.Shimashita フォト|郡 大二郎|D.Kori |
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久々にオペルらしいオペルが登場した。ベクトラ・ワゴンと対面しての第一印象が、それである。
最近のオペルは、ブランドアイデンティティの柱としてバーサティリティ、つまりは多機能性を打ち出している。それを具現化したのが、シグナムやメリーバといったモデルなのだが、正直なところ、そんな風に無理に個性を演出しようとした結果、ここのところオペルが元々持っていた魅力がかえって見えにくくなっている感は否めない。その魅力とはすなわち、派手さはないがしっかり作り込まれたドイツ車らしいハードウェアであり、また内容からすればリーズナブルなプライスだといい切ってしまおう。果たしてベクトラ・ワゴンは、そうしたオペル本来の魅力に忠実で、その上で最新作らしい洗練を感じさせる1台だった。
まず、目を引くのはボディサイズである。全長はセダン+215mmの、実に4825mmにも達する。それも、単にセダンのリア部分を長くしただけでなく、ホイールベースを130mm伸ばしているのが特徴だ。実はこの数字、もう気付いた方もいるかもしれないが、シグナムと共通である。
よって、その室内はシグナム同様、実に広い後席スペースを有する。カーゴスペースは、5名乗車の通常時で容量は530リッターを確保。そして、その広い後席をすべて倒せば、実に奥行き2046mm、容量1850リッターという余裕たっぷりのスペースを生み出すことができるのだ。この広さは、ライバルの中でも群を抜いている。さらに上を行くのは、おそらく輸入ワゴンではEクラスくらいのはず。これなら、あのオメガ・ワゴンの代わりも、十分に務められそうだ。
もちろん単に広いだけでなく、フロアはフルフラットになるし、トリムの凹凸も最小限。ポケット類も充実しているなど、使い勝手への配慮も行き届いている。このあたりも、さすがワゴン作りに長い経験を誇るオペルらしい。
エンジンは当面、V型6気筒3.2リッターのみが用意される。これだけサイズアップしていながら、車重はセダンの80kg増しに過ぎないから、動力性能の余裕は十分だ。これなら自慢のカーゴスペースを満載にしても、痛痒を感じることはないだろう。一方、ハンドリングはベクトラ・シリーズの中でもとりわけ穏やかな仕立てである。ロングホイールベースらしい落ち着きの良さは、長距離ツーリングの疲労を軽減させてくれるはずだ。また乗り心地も、姿勢をフラットに保ちつつ当たりはしっとりとしていて、不快な揺すられ感に辟易させられたシグナムとホイールベースが同じだとは、にわかには信じられないほどだ。
これだけの内容を持ちながら、価格は本革シートや17インチホイールが標準のプレミアムで税込み434万7000円と、なかなか割安感がある。なにしろこの価格は身内のシグナム3.2よりも安価であり、また価格では拮抗するライバルもあるが、カーゴスペースの容量では圧倒的な優位に立っているのだから。とはいえ、やはり将来的には、よりリーズナブルな直列4気筒エンジンのモデルも用意してほしいところ。今はシグナムだけが積む直噴エンジンを搭載して360万円前後なら、買い得感はさらに高まるに違いない。
いずれにせよ、奇をてらうことなく正攻法で、それもキッチリと作り込まれたベクトラ・ワゴンが、それゆえオペルらしい魅力に満ち、またギミックではない高い使い勝手を実現しているのはたしかだ。また、ライバルに色気では劣るが、それがかえってドイツ車らしくて好ましいと映る人も少なくないはず。プレミアムだ何だという付加価値より実質こそを重視する“解っている”ユーザーにこそ勧めたい、輸入ワゴンの良作である。
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「スポーツ・メガスポーツ・ワゴン」をコンセプトに開発されたベクトラ・ワゴン。ホイールベースはセダンより長く、シグナムと共通。ロングホイールベースを活かした、ゆったりした乗り味と軽快な操作感を併せ持つ。 |
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エンジンは、今のところ211ps/30.6kg-mを発生する3.2リッターV6ユニットのみ。余裕のスペックはワゴンにはありがたいが、よりリーズナブルな2.2リッターの導入も期待したい。 |
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インパネはセダンと共通。プレーンなデザインと各所に配されたクローム処理が印象的で、使い勝手は良好。トランスミッションはアクティブセレクト付きの5AT、プレミアムはクルーズコントロールも装備する。 |
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シートはセダン系と共通。延長されたホイールベース130mm分は、すべてリアのレッグルームに充てられた。なお、上級仕様のプレミアムはレザーシートが標準となる。 |
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同ホイールベースのシグナム比で190mm延長された全長分は、そのままカーゴルームの前後長となる。最大で1850リッターの容量を持ち、リアシートを倒せばフロア長は2046mm。 |


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