英国が誇るライトウェイトスポーツと、日本が誇る高性能エンジンがコラボレート。
信頼性と耐久性に優れた心臓に加え、初となるサーボアシスト付き高性能ABSの採用により、ライトウェイトスポーツの新たなる次元を切り拓いた――。

リポート|熊倉重春|S.Kumakura フォト|郡大二郎|D.Kori

 新しくトヨタ・エンジンを得たロータス・エリーゼ、走り慣れた日本の峠ではどんな感じなのか、速攻デートを申し込んだ。まず結論から報告すると、愉快痛快が沢山あって、怖さがない。やはりスポーツカーは小型軽量に限る。
 エリーゼの最高級仕様であるこの「111R」は、標準モデルなどにくらべて40〜50kg重い。従来のローバー4気筒よりトヨタ・ユニットが少し重いこと、本来オプションのエアコンなどを日本向けに標準化した結果だが、それでもわずか880kg。そこへエンジンが192psと格段に強化されたので、馬力荷重は5kgにも満たない。
 セリカの高性能版と同じ2ZZエンジンは、中速までは粘りを主体として平凡な感触だが、いったん6000rpmを超えるとさすが連続可変バルブタイミング&リフトの御利益もあらたかに、背筋を快感が駆け登るような吹け上がりを示す。これとセットで採用されたトヨタ製6速MTも、リンケージの取り回しが優秀なのでカチカチ軽く確実に決まる。
 だからといって、踏めばカン! と来る悍馬でもなく、しなやかでマイルドとさえ呼べるのがエリーゼのいいところ。高いサイドシルを跨いでコクピットにおさまり(乗るというより着る感じ)、胸をときめかせながら最初のコーナーを抜けた途端、全身を貫くダイレクト感と同時に、どこまでも攻められそうな寛容さも感じ取れる。
 そして、乗ってみなければ想像できないだろうが乗り心地も快適きわまる。重量増に対してサスペンションを20%ほど固めた結果、普通の速度ではローバー仕様ほど柔らかくはないが、これよりゴツゴツのスポーツセダンは多い。フレームとFRPボディの結合もしっかりしているのでミシミシ感もない。まさにリアルスポーツにあるまじき(?)居住性だ。
 ともあれ、信頼性と耐久性では定評ある日本製パワープラントを手に入れたエリーゼ、これからの排気規制にも対応しやすいし、スポーツカー乗りとしてはこれ以上の朗報はない。
 
  シリーズ中では一番のヘビー級となるが、エリーゼにあるまじき(?)居住性と快適な乗り心地を確保するあたり、スポーツカーの新次元を切り拓いたともいえるのではないか?
  111Rのトピックの一つが室内の快適装備。エアコンをはじめCDプレーヤーや集中ドアロック等が標準で装備された。シートはフルレザー、もしくはアルカンタラ地トリムから選ぶことができる。
  押し出し成形アルミをエポキシ樹脂接着剤で組んだシャシー、軽量複合構造ボディパネル等は、エリーゼを代表する先進的なテクノロジー。フロア下やドアパネル内側の接合部等のアルミ部分も、ボディフレームとして機能している。
  192ps/18.5kg-mを発揮するトヨタ製VVTL-iエンジンを搭載。組み合わされる6MTもトヨタ製となる。0〜100km/h加速は5.2秒、最高速度は241km/hという。“気持ち程度”のトランクスペースも用意。
  フロント16、リア17インチのBS製専用タイヤを履く。オリジナルのABSシステムはスポーツドライビングを最大限活かすべく、システムが介入する限界点を高めにセットした、ならではの設定。
  LOTUS ELISE 111R
■全長/全幅/全高(mm)
3800/1850/1130
■ホイールベース(mm)
2300
■トレッド(前/後)(mm)
1455/1505
■車両重量(kg)
880
■エンジン種類
2ZZ/直4DOHC16V
■排気量(cc)
1795
■最高出力(ps(kW)/rpm)
192(141)/7800
■最大トルク(kg-m(Nm)/rpm)
18.5(181)/6800
■トランスミッション
6MT
■サスペンション(F:R)
Wウイッシュボーン/コイル:
Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ(F:R)
Vディスク:Vディスク
■タイヤ(ホイール)
F:175/55R16(5.5J) R:225/45R17(7.5J)
■東京標準現金価格
¥5,600,000
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※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。
 
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