[ポルシェ・カイエン]
いまポルシェを所有していない人は思っている。
ヴァイザッハで調教されたスポーツカーを、いつかは自分のモノにしてみたいと。
ところがすでにポルシェとの生活を体験していた人は。
家族全員で、あるいは3人以上で、もっと快適に移動でき、使えるポルシェが欲しかった。
そこでカイエン。いろんな思いに応えて、現在売れまくっている新しいプレミアムSUVです。
解説|松村俊司|T.Matsumura  フォト|郡大二郎|D.Kohri
[Vehicle Data]
■輸出国:ドイツ ■生産国:ドイツ ■排気量:3.2〜4.5リッター
■価格:¥5,990,000(カイエン)〜¥12,500,000(カイエン・ターボ)
■撮影車:カイエンS(チタニウムメタリック/¥8,600,000)
※価格はオプションを除く
※上記スペックは本誌発売当時の値、価格は税抜き価格です。

 
   ポルシェがSUVを作る行為自体が唐突と思われたりするけれど、実際にはよく練られた戦略であり、その成功も計算づくだった。
 今後も独立独歩のブランドでありたいポルシェとしては、911とボクスターに次ぐ第3のカテゴリーに進出して、リスク分散と収益アップを図りたかった。具体的にそれはポルシェ初の4ドアモデルを発売に移すことだったが、すでに規模が固定化したセダン市場の競争はあまりに熾烈で、後発が入り込む余地はあまりに狭い。
 一方、SUV市場は現在も拡大中で可能性が残されているし、かつて959に先進の電子制御4WDを搭載した事実とパリ・ダカでの実績もあったから、「ポルシェのオフローダー SUV」はさほど唐突な発想でもないのだ。さらにポルシェの4枚ドアというだけで話題性は十分で、世界最大のSUV市場となるアメリカでのブランドバリューは思いきり高い。
 そんなこんなでカイエンはポルシェにとって新しい試みではあるものの、あらかじめ勝ちが約束された賭けでもあったのだ。
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